一時期はそれなりに一理ある発言をして注目されていた「
アリの一言」なるブログがある。当初は沖縄のいわゆる「オール沖縄」の不信・不審点を批判して注目を集めていた。当時の翁長知事がいつまで経っても辺野古の埋立承認撤回をしなかった事を粘り強く批判しており、それ自体は沖縄の米軍基地に反対する立場からの正当な「オール沖縄」&翁長知事批判であったと思う。他にも反天皇制や反原発を基調に、日帝のアジア侵略とその戦後処理に対する批判、在日朝鮮人の人権問題に「寄り添う」ようなスタンスも一応見せていた。が、しかし…。
この「アリの一言」なるブログがまともな事を言っていたのは
当時の「オール沖縄」&翁長知事批判だけだった。それ以外では本当にどーしよーもないバカ過ぎたり矛盾だらけの記事・論調があまりに多く、とりわけウクライナ事態以降の大激変する今の国際情勢においてはピント外れな事ばっかりで、本当に救いようのないアホウだなと思う。この「アリの一言」を書いているK・サトルなる御仁はこれまで様々な政党機関紙や業界紙で記者を務めたジャーナリストの端くれらしいが、よくこんなんで記者が務まったものと呆れ返る。と言うか、日本の報道機関の劣化が言われて久しく、このK・サトルもそうした「その他大勢」の駄目な腐敗した日本の記者の一人に過ぎなかったという事であろう。そう考えれば納得も出来る。
まず直近の「アリの一言」で筆者が一番呆れたのは韓国ハンギョレ新聞のウクライナ関連コラムを大絶賛していた事だ。
https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/e/e78aaa621d1c5287ddefb6057306a50d
ウクライナ戦争を「第2のベトナム戦争」にしないために
2024年09月11日 | 国家と戦争
ここで「アリの一言」は同紙の鄭義吉(정의길 チョン・ウィギル)記者による「ウクライナ戦争は誰にとっての「ベトナム戦争」になるのか」(原題「우크라이나 전쟁은 누구의 '베트남 전쟁'이되나」
日本版は9月3日付
韓国本家版は2日付)なる記事を「きわめて的確な分析・論評」とまでベタ褒めして取り上げていた。
このハンギョレの鄭義吉記事が言わんとする事は要するに
「ウクライナ国内のロシア系地域や住民問題も、当該地域に自決権を付与するレベルで処理し、ウクライナは西側とロシアの間の緩衝地帯として残らなければならない。これを認めないのであれば、現時点ではウクライナ戦争は、ロシアの「第2のアフガン戦争」というよりも、むしろ西側の「第2のベトナム戦争」になる公算が大きい」
という記事最後の一文のような方式でウクライナ事態は手打ちしろ、という事だ。そうでないと第2のベトナム・第2のアフガンになるぞ、とまで言う。アメリカにとってのベトナムもソ連(ロシア)にとってのアフガンも多大な犠牲が出た大戦争であり、そうなる前に手打ち・停戦すべきと言いたい訳だ。一見するとこれ以上戦争による犠牲を出すなと主張しているように受け取れる内容であり、この記事の論旨を見ると確かに「アリの一言」のような「非暴力主義(笑)」者や、今時の日本の護憲派達のハートには「刺さる」のではないか。おまけに「韓国民主化運動が生んだ革新系新聞」とされているハンギョレの記事なのだから、余計にその手の連中がこの記事を妄信・盲信しても無理はない。
しかしながらここで、この間のハンギョレによるウクライナ事態の報道スタンスがどうだったかを指摘しておかなければならない。簡単に言って「アメポチ(アメリカのイヌ)」「ウク信(ウクライナ信者)」「ロシアと独裁者プーチンは地獄へ落ちろ」「ウクライナは絶対的正義。ロシアに味方する奴ァ民主主義を否定する非国民」「ウクライナにナチなんかいねェんだ。うるせェ、黙れ!」「ウクライナは戦場で絶対的に勝利している。ロシアの敗北も目前だ!」といった論調であった。
「キエフ」という地名を「キーウ」と言い換えるといった、まるで日帝の敵性言語狩りみたいなバカな真似にもすんなりと応じた(それでいてこいつら、自分らはかつて旧独裁政権の強圧や言葉狩りに抵抗してきたとかエラソーに自慢してるんだぜ?)。要するに西側(日本・韓国含む)大手主流メディア(MSM mainstream media)の転電と言うかまんまコピペだ。独自の取材・調査など1ミリもない。「だって、BBCやCNNが言ってたもん」という欧米大本営記者クラブ状態そのもの。日本の大手マスコミと100パーおんなじ!
日本人であれ在日であれ「韓国民主主義」とやらにドリーム見てるアホウな「韓国民主主義信者」というのが依然として多く、
そうした人達は知らないか知っても信じたくないであろうが、こうした堕落像がハンギョレ新聞の実態・現実である。日本の朝日新聞や岩波書店のようなものと考えれば分かり易いか。とりあえず、こうしたハンギョレの腐敗堕落した現実を前提として論じていく。
そんな徹頭徹尾NATO&キエフネオナチ政権の代弁者みたいなタカ派報道ばかりさんざんやってきたハンギョレが、急に「ベトナムやアフガンのようになってはいけない! だからウクライナを緩衝地帯化して平和を!」とか言い出すだって? どういう風の吹き回し?
…が、実際にはそうではない。ハンギョレ記者鄭義吉による今回の記事、良く読めば極めて巧妙かつ悪質な内容で、公平な振りをしながら実際には米NATOとキエフのネオナチ集団だけを一方的に利する為のものである事が分かる。決して「平和」の為とか、戦争による犠牲者を出さない為とか、そんな「人道的」な目的の為に書かれた代物ではない。つまり「これまで通り」のハンギョレの論調に過ぎなかった。
この記事の結論部分である「ロシア系地域の自決権。ウクライナの緩衝地帯化」なる主張、仮に今現在の情勢で実現したとしたら、果たしてロシア側とNATO&キエフ側のどちらに有利であろうか? これは後者が100パー圧倒的有利である。もちろん筆者のこのような見解に異を唱える者もいよう。「ウクライナの緩衝地帯化や東部ロシア系地域の自治というのは、かつてのミンスク合意(後に反故にされる)や特別軍事作戦開始直後のイスタンブールラウンド(後に決裂)でもロシアは合意していたではないか。それがなぜNATO&キエフ側に圧倒的有利になるのか」と。確かにロシアが以前この案で合意していたのは事実だが、それは飽くまで「あの時の時点では」という注意書きが付く。最初のミンスク合意から約10年が過ぎて、今現在は情勢が天地開闢のごとく激変した。まず2度にわたるミンスク合意とイスタンブールラウンド、いずれもロシアが騙される形で終わった。キエフと西側は合意を一切守らず、ミンスク合意はウクライナを武装させる(そしてロシアと戦争させる)為の時間稼ぎに過ぎなかったとドイツのメルケルらが後に堂々と言っていた事は、すでに既報の通り。イスタンブールラウンドもほぼ合意しかけた所でイギリス首相(当時)のジョンソンがゼレンスキーを言いくるめて、結局パーになったではないか。
アメリカの工作によってウクライナがネオナチ化して危険な国家となり、ロシア系住民に対するアパルトヘイトや人種浄化を始め、さらにNATOが武装化(ゆくゆくは核配備も)させてロシア攻撃の鉄砲玉にしようとした。それに対してロシアも最初は緩衝地帯化や自治といった「ヌルい」やり方で穏便に収めようとしたものの、全部騙された。これがその間の経過である。こんな手口にロシアがどうして何度も騙されなければならない義理があるのか? 外交や平和的手段による解決は不可能であり、それは全てキエフとNATOに責任がある。プーチンの責任ではない! もし今また「緩衝地帯化」が合意されたとしても、キエフとNATOがそれを守る訳がない。またしてもこの「時間稼ぎ byメルケル」の間に裏でキエフを武装させて、再度ロシアと戦争するであろう。
現実の戦場を見てみれば分かる。ウクライナ軍は戦場でロシア軍の大量の砲撃を受けて、すでに50万人以上の死者が出ていると言われる。軍事的に勝ち目は全くないと言うか、ほぼ勝敗は決しているようなもの。NATO側がいくら武器や資金を投入しても勝てない。もちろんその武器や資金のかなりの部分がピンハネされてアメリカのバイデン犯罪一家や軍産複合体やゼレンスキーはじめとするキエフ高官達の懐に入っている訳だが、それらを仮に加えても到底ロシアに太刀打ち出来る量ではあり得ない。キエフとNATOの行く末は無条件降伏か、最後(のウクライナ人一人になる)まで戦って全土占領されるか、この二つだけだ。「あの時の時点」と違って、今現在の圧倒的勝ち戦なロシア側がどうして今さら「ウクライナ緩衝地帯化」なんぞに合意してやる必要があるものか。だが、今現在のキエフとNATOにとっては違う。このままでは100パー全面敗北が時間の問題であるキエフとNATOにとって、「ウクライナ緩衝地帯化」というミンスク合意やイスタンブールラウンドの「
セーブ地点まで死に戻り(笑)」させてもらえるのが、どれだけ「天佑神助」「棚ボタ」である事か! またしてもキエフを武装させる時間稼ぎが出来るのだから。それどころかその間にウクライナを無理矢理NATOに正式加盟させる事までやるかもしれない。そうなったらモノホンの第3次世界大戦全面勃発だ。今でも世界は事実上の第3次大戦に等しい状態だが、それが全面戦化して名実共の大戦へと突入するのだから。そうなれば核ミサイルも当たり前のように飛び交うであろう。「ウクライナ緩衝地帯化」などという、今となっては完全にNATO救済案でしかない方案を主張するあのハンギョレの記事が、どれだけ偏向したトンデモであるかお分かりいただけよう。「戦争を早めに終わらせる」という観点で考えても、鄭義吉とハンギョレの言う「緩衝地帯化」など全く無効どころか、逆に戦争を長引かせて激化させる結果にしかならない。ハンギョレ新聞というメディアがどれだけ凄まじい米帝とグローバリストの手先であるか、この例を以ってすれば理解がいくであろう。
しかもこの鄭義吉の記事でもっと悪質なのは「ロシア系地域の自決権付与」とやらである。ここで言う「ロシア系地域」というのは当然東部4州の事を指すのであろうが、ここの大半はすでにロシアによって解放されて人民共和国として独立し、さらに住民投票の圧倒的な賛成でロシア連邦に編入された。そんなとっくの昔にロシア領になった地域に「自決権」を付与するというのは、要するにこれら地域をまたキエフ政権の管轄に戻すという事に他ならない。「同地域のロシア編入容認」ではないのだから。かつてミンスク合意などでこれら地域に「自決権を付与する」としていたのは、これら地域がキエフによって迫害・弾圧されたので、それに対する対策としてだったのだから。何それ? また東部4州がナチス・バンデラ主義者どもの支配下に戻るって事? そんな事になったら、またロシア系住民の虐殺が始まるよ? 自決権がどうとかキエフのナチスども(アーリアンスラブ)が絶対に守る訳ない。奴らにとってロシア人は「下等人種だから
殺してもいい」存在でしかないのだから。イスラエルがパレスチナ人に対してやっている事と同じである(ナチス=シオニスト)。ハンギョレも鄭義吉もナチスの思想と行動原理をナメ過ぎ。奴らがどれだけ狂った人種主義者である事か! 東部4州などロシア系地域をまたしてもキエフのナチスの手に戻せというのが、この鄭義吉記事の核心的主張である。…本当にハンギョレって終わってるよな…。そもそもこの記事ではウクライナの非ナチ化という事が一言も触れられていない。一万歩譲って今停戦するにしても、それがなければ何にもならないではないか。
このハンギョレの鄭義吉という記者について、筆者は前々からとんでもないゴロツキ記者だと思っていた。今回の記事はそのゴロツキぶりを最大限に発露した極北と言って良いであろう。とにかくハンギョレにはこの手の米帝とグローバリストのイヌが多過ぎる。
これまで何度もネタにしてきたが、「
韓国の安保の為には米軍様にコストを支払わなあかんのやあああああッ!」とまで主張する論説委員の吉倫亨(길윤형 キル・ユンヒョン 前は国際部長でその前は日本特派員の経歴がある記者。ハンギョレの歴代日本特派員出身者というのは「
明仁ヘーカは平和主義者なんやあああああッ!」と口走るなど、みんな日本へ行くとバカになって(洗脳されて)韓国に帰って来る!)や、
遠藤誉と
福島香織と
清水ともみをチャンポンしたような最悪の嫌中派であるやはり論説委員の
朴敏熙(박민희 パク・ミンヒ)などなど…。本当にハンギョレなんか読んでたらバカかアメポチかウク信にしかならないよ!
元朝日新聞記者の伊藤千尋なんかまさに典型だよな(笑)。
最晩年の徐京植もそうだったけど。
ウクラを「緩衝地帯化」させれば、再びNATOによってキエフ側を再武装させる時間稼ぎ(なおかつあわよくばウクラをNATOに無理矢理加盟させる)になる。「ロシア系地域自決権付与」というのは東部地域がまたしてもウクラ領に戻る訳で、再びアゾフはじめとするネオナチによるロシア系住民の迫害・虐殺の再開だ。
こんなハンギョレ鄭義吉のトンデモ方案を大絶賛しているのが「アリの一言」である。
「アリの一言」はこれまで
香港や
ミャンマーのカラー革命暴動を純粋な「民主化運動」のように言いふらすなど、中国共産党政府とミャンマー軍政を徹底して嫌い抜いてきた反中派にして反ミャンマー派であった。日本共産党などと同じで、いかにも今時の日本のサヨク(反共サヨク・ネオコン左翼・緑の党的サヨク・トロッツキスト)といった感じがする。なのに「アリの一言」はわざとらしく日共の事を批判してみせるんだぜ? おまえらの何が違うのか。米帝とグローバリストの手先にして嫌中サヨクという、第三者の目から見たらみんな一緒であろうが! その一方で「アリの一言」はウクライナ事態については微妙に違ったスタンスを見せようと「
日本のマスメディアの報道は、きわめて部分的で一面的だ。多くがアメリカ政府、ウクライナ政府の側に立っている。日本のメディアはウクライナの現地取材さえしていない」みたいな事も言っていた。中国やミャンマーに対しては一方的にヘイトしてきたのと違い、同じ「反米国家」でもロシアに対してはスタンスが少し違うかのようなイメージを振りまいてきたのがこれまでの「アリの一言」であったが、それも本当は違う。今回のようにキエフとNATO側に全面有利なハンギョレ記事を大絶賛した事から分かるように、「アリの一言」もしょせんは本質的に反露派である。つまり西側帝国主義の側だという事だ。
この「アリの一言」の記事をSNSなどで時々好意的に引用したりリツイートする者を見かける。それも在日朝鮮人であったり、沖縄の米軍基地に反対している人間がだ。だがそのような事は今後一切すべきではない。上記のようにこのブログの本質は飽くまでも「反中国」「反ミャンマー」「反ロシア」であり、西側帝国主義(もちろんその頂点にいるのがUSA帝国)の閥にいる輩であるからだ。少なくとも香港事態やウクライナ事態の歴史的経過や本質を追及しようという人間と相容れる性質のものではない。あるいは朝鮮学校無償化排除の問題では「良識的」な事も言っているではないか、という意見もあるかもしれない。だがそれもかなり怪しいので、信じるべきではなかろう。とにかく「アリの一言」は朝鮮半島関連の歴史や情勢について無知で矛盾した発言が多過ぎる。
そう、このブログの酷い点は「矛盾」である。一見良識的な事を言ってるようで、別の記事ではそれと矛盾する事を平気で言う。
佐高信の時と同じで「二重観念」という言い方も出来よう。
沖縄の米軍基地を批判しながら、一方では上記のように「ウクライナ緩衝地帯化」などという米帝を利するような事を平気で言う。一枚目の舌で米帝を批判し、もう一枚の舌で米帝救済案を大絶賛…。昔の総会屋もびっくりだぜ!
日帝の朝鮮植民地支配を批判する一方で、
朝鮮独立運動史上最悪クラスの汚点であった「3.1独立宣言(己未独立宣言)」を素晴らしいと大絶賛する。あの独立宣言の何が悪いかというと「日本を罪しない、罰しない」という極めて妥協的な内容にある。3.1独立運動というのは街頭に出て命がけの闘争をやった民衆の「行動」と、軟弱で妥協的な民族代表(しかもその中から後に何人も親日転向者が出た!)の「宣言」とを分離して考えねばならない。前者は民族的義挙だが、後者は汚点でしかないのである。そんな代物を日本人が大絶賛するという事がどういう意味を持つか、ちょっと考えれば分かるであろう。「日帝時代の文句を言うな。日本を罪しない、罰しないつったのはてめえらだろ」「武装闘争なんていう、我が日本に大きなダメージを与えるような真似は絶対許さん。まあ、我々日本にとっては大して痛くも痒くもない「平和的運動」なら大目に見てやらん事もないがね」という事だ(それすら気付かずにあの宣言をヨイショしてたなら、相当なアホ)。それでいて普段は日帝の植民地支配や虐殺を批判するような事を言うんだから、意味分かんないよ! 「アリの一言」が一見朝鮮学校の肩を持ったり、関東大震災虐殺被害者に「寄り添う」ような事を言っても、それを全く信用出来ないのはこうした矛盾に満ちていて、かつ無知すぎる言説にある。
大体、3.1独立運動は決して「非暴力」の運動ではなかった。それを歴史を何も知らない日本人が勝手に「非暴力の精神を学びたい」とか、こいつどんだけ朝鮮人をナメてるのか!
「アリの一言」は3.1独立運動(実際にはその宣言の方)を一見支持するような振りをしたり、日帝時代のマラソン金メダリストである
孫基禎に共感・同情するような振りをしながら、その一方では何かと言うと
「国家なんかなくなれ」みたいな事を平然と言う神経は、もはや二枚舌を通り越して二重人格の領域ではないか。植民地が「独立」するって、どういう事か分かってる? 帝国主義侵略者に奪われた自分の国、国家を取り戻すって事だよ! 植民地にされて何もかも奪われている非抑圧民族(孫基禎ら)の肩を持つふりして、一方では「「国家」のない世界を」とか平然と言い放つとか、尋常な神経じゃないよ。どう見ても帝国主義者そのものの視線だ。「国家」なんてない方がいいと言うなら、孫基禎のような植民地統治下の朝鮮人こそ「理想世界の住人」って事になるんじゃないのか? ふざけてるにも程がある。例えば
今アフリカではマリやニジェールやブルキナファソといった国々(サヘル三国)がフランス軍や米軍を追い出して(もちろん武装闘争である!)ようやく自主独立を成し遂げつつあるのだが、こうした第三世界グローバルサウスの民族解放闘争についてこの間徹底無視してきたのが「アリの一言」というブログであった。理由は簡単に分かる。そうした第三世界の情勢に全く疎い情報弱者そのものであったか、あるいは耳にしたとしても興味がないか都合が悪いのでスルーしたという事であろう。だってこうした国々が欧米帝国主義に対して決起した最大の原因こそ、ウクライナ事態におけるロシアの勝利と中国による一帯一路だったのだから! そりゃ反露派や反中派には都合悪いわな(笑)。ちなみにこのサヘル三国の指導者達が訴えている代表的スローガンが「祖国か死か」である。彼らの大先輩にしてブルキナファソ独立の大英雄だったトマス・サンカラ(後にフランスによって謀殺)の名セリフでもあった。この反帝民族解放闘争の英雄達と人民達が「アリの一言」などという日帝本国人とは決して相容れない「水と油」なのは小学生が見たって分かるであろう。これは当然我々朝鮮半島の民族主義者や反帝国主義・民族自決にもあてはまる。この「「国家」のない世界を」という屁理屈、おそらくマルクスやエンゲルスの教えに由来するのであろうが、曲解もいいとこだ。今みたいな情勢で「国家」という機構を世界中からなくしたら、悲惨な目に遭うのはアフリカや南米や朝鮮半島のような非抑圧民族の人民に決まっている。逆に欧米日の帝国主義陣営は大喜びだよ。それらの国の人民を保護する「国家」がないのだから、これまで以上に侵略・植民地化し放題さ。「国家のない世界」だの「世界市民」だの、これってまさにアメリカ帝国主義とグローバリスト多国籍企業の論理そのもの! 俺達だけが国境を自由に越え、好き勝手に貧乏人や植民地を搾取してカネモーケが出来る夢のようなパラダイス! 「国家のない世界」「世界市民」というのは結局そういう事でしかなく、そんな事を主張している「アリの一言」、どう見ても(隠れ)帝国主義者・(隠れ)植民地主義者にしか見えないんですが…。
ちなみにそういう「世界市民」になれるのは、どこまで行っても西側のそれもスーパーリッチ層だけだという事も覚えておく必要がある。例えどんなにゼニ持ってて億万長者であったとしても、非西側の人間には「世界市民」になどなれない。先日その西側帝国主義国家の代表格であるフランスで不当に逮捕された、テレグラム創業者パベル・ドゥロフの例がそれを雄弁に語ってくれている。ドゥロフはロシア当局からテレグラム上にある犯罪情報の提供を求められてそれを拒否し、その後ロシアを捨ててアラブ首長国連邦(UAE)やフランスの市民権を取得した。にも関わらず、そのフランスに逮捕されたのだ。テレグラム上におけるウクライナ戦争の真相情報発信(要するに西側に都合の悪い情報)を検閲するのに協力しなかったからと言われている。ロシアから情報提供を求められてそれが嫌だから西側へ行ったのに、その西側でもまた情報提供を求められたのを拒否したら逮捕されてしまった。その間ロシア当局はドゥロフに協力を要請したが、拒否されても強圧的な事はしなかった。それに対する西側(フランス。もちろん背後のアメリカの意向が強い事は疑いの余地がない)は問答無用で、それもドゥロフの愛人の美女を利用してだまし討ちのように逮捕だよ。ロシアと西側のどちらが人道的で民主的なのか。そもそも西側にとってドゥロフというのはいくらフランスの市民権取得しようが飽くまで「よそ者」であり、どこまでもロシア人すなわち敵国人でしかなかったという事だ。ドゥロフのような大金持ちでも非西側の人間は祖国を捨てては生きられず、「世界人」などには決してなれないのが現実である。これまでドゥロフに対して「君は祖国(ロシア)を捨てては生きられない」みたいな忠告をしてきたのは一人や二人ではない。その代表格が安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフ(当時大統領)とロシア自由民主党のウラジミール・ジリノフスキー(故人)であった。結果、全てメドベージェフとジリノフスキーの言った通りになってしまう。このドゥロフ事件、我々在日朝鮮人にとっても与える教訓は極めて大である。果たして在日朝鮮人が「祖国」や「民族」を捨てられるのか。「世界人」などになれるのか。「
越境 by金時鐘」など出来るのか。ドゥロフの一件が十分に答を見せてくれているのではないか。それを考えると「アリの一言」が言ってる事の馬鹿馬鹿しさというか、低レベルさというか、本当にもう呆れるしかないわ。
それと佐高信もそうだったが、何かと言うと孫基禎の事を引っ張り出して「俺様はこんなに朝鮮半島の歴史に理解がある良識派なんやでえええええッ!」みたいな事をアピールしたがる日本人、今すぐ地球上から消えてなくなれと切に思う。これは孫基禎が悪いのではなく、それを利用したがる日本人が超絶クソ気持ち悪いからだ。そういう日本人ほど反露・反中・アメポチ・ウク信率が高かったりする(笑)。
それ以上に「アリの一言」が最悪な理由は、
ジーン・シャープの信奉者であるという事だ! 「アリの一言」はこのシャープという学者について「ガンディーの「非暴力主義」を研究し、現代に生かす理論を構築したアメリカの政治学者」ぐらいにしか思っていないらしいが、これほど無知な戯言はない。シャープは通称「カラー革命の教祖様」と言われた人物であり、アメリカと対立したり都合の悪い国家の政権を転覆させる政治工作を実際に手ずから行って来た、理論家・学者というよりは半分政治工作員かスパイのような存在であった。代表的な実例として
1989年の天安門事件の際にシャープはCIAによって北京に送り込まれ、反政府派を指揮している。シャープの所属するアインシュタイン研究所とやら自体がNED(全米民主主義基金)からゼニをもらって活動している工作組織なのだから当然であろう。これらが引き起こしたり影響を与えたカラー革命の実例としては1989年の天安門以外に、同時期の東欧諸国における社会主義政権転覆、
2000年にユーゴスラビアのミロシェビッチ政権を転覆したオトポール運動、やはり2000年代初期に旧ソ連圏諸国で起こったカラー革命、いわゆるアラブの春、
2019年のベネズエラにおける政変と「自称大統領(笑)」フアン・グアイドの登場、同時期の誰もが知る香港の暴動、2021年のミャンマー軍政に対する暴動など山のようにある。これらの「カラー革命」の度におびただしい民衆が犠牲になり、現地の「反米政権」が転覆されて親米政権にクビをすげ替えられた。東欧のルーマニアなんてこの為に社会主義政策がなくなって資本主義化し、どれだけ多くの人民が貧困に苦しむ事になったか。今ではルーマニア人の多くは「チャウシェスク時代の方が良かった。我々はニコラ・チャウシェスクの事を誤解し、彼に大変申し訳ない事をした」と後悔しているくらいなのだから。石油収入の多くを福祉に回してアフリカ最高の繁栄を誇っていたリビアはカラー革命によってNATOの武力介入を招き、今や人身売買が白昼堂々行われる地獄になった。そして誰もが知るウクライナ…。中国やベネズエラやミャンマーやベラルーシのように、こうした外国勢力の支援を受けたカラー革命暴徒の動きを封じるなど、自国と人民を守る為には当然の行動ではないか。こんな恐ろしい政治工作をマニュアル化し、実際に現地へ赴いて暴動を指揮し、「独裁者打倒」「民主化」の名の下に夥しい現地人民を地獄に突き落としたジーン・シャープという輩がどれだけ悪い奴か。シャープなどというのは本来ならば犠牲になった国の人民達の前で五体をバラバラに引き裂いて詫びさせなければならないような輩だが、それが2018年に畳の上で安穏と死んだ事ほど腹立たしい事はない。そんな
ジーン・シャープを信奉している「アリの一言」は一体何なのか。
アメリカ帝国主義最悪クラスの政治工作員・御用学者を信奉している人間が「沖縄米軍基地反対」「天皇制反対」「9条護憲」「朝鮮学校に無償化を」「日帝のアジア侵略に謝罪を」「
日本人は「柳条湖事件」を知っているのか」と訴えた所で、どれほどの信用がおけるというのか。こんな酷い矛盾はない。「アリの一言」は
自民党や
立憲民主党(旧民主党)の対米追従を事ある毎に批判するが、ジーン・シャープやらカラー革命やらウクライナ緩衝地帯化やらを大絶賛するてめえ自身が本当は一番の対米追従じゃないのか。どの口で自民党や立憲民主党を批判出来るのか。
いや、筆者は別に「アリの一言」がアメリカのCIAやNEDから指令やゼニをもらって活動していると主張している訳ではない。そんな高いレベルの存在じゃないでしょ(笑)。元は左翼っぽかった新聞記者崩れが、情弱をこじらせてクソもミソも区別がつかなくなり、「米軍基地反対」と「米帝カラー革命の教祖様バンザイ」という超矛盾した世迷言を同時に主張するようになっただけだと思う。でも当人はそうした矛盾に全く自覚がない。そう、「情弱」「老害サヨク」「自覚なき帝国主義グローバリストの手先」という症状を同時に併発した重症患者だ。
「主観的には反体制気取り、機能的には体制の手先」
こういうのが一番悪質でクソ気持ち悪い。こんなブログを好意的に引用したりリツイートした所で、米軍基地反対運動や朝鮮学校支援運動には何のプラスにもならないし、むしろマイナスにしかならないであろう。そういう事はこれからはやめるべきであるし、この手の輩を運動に近付けてもいけない。近付いても近付けてもいけないという事だ。