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白玉老虎 백옥로호 はくぎょくろうこ

韓国の選挙どーでもいい

・韓国の選挙は「超クソゲー」

しかし韓国の選挙は酷いものだなと思う。これは4年前に選挙制度が大きく改悪された事が大きい。今の韓国の総選挙は「小選挙区制比例準連動制」というやり方になっており、極端に端折って説明すると、選挙区で多く議席を取った政党は比例の割当が少なめになるという方式だ。これは保守二大政党(国民の力と民主党)以外の弱小政党にもある程度議席が確保出来るようにしようという事から始まったという。が、しかし…。

【保守二大政党向け韓国総選挙攻略法】
選挙区で議席が多いと比例の議席が減る? 心配する必要はない。以下のやり方で多数の議席確保が可能だ。
1)「衛星政党」を作る。もちろんそれが母体政党(国民の力または民主党)の「衛星政党」である事は有権者にちゃんと分かるよう周知させる。
2)その「衛星政党」は選挙区に候補者を立てず、比例にだけ候補者を立てる。
3)投開票。その「衛星政党」は二大政党の衛星政党なのでこれまで通りの得票を獲得し、選挙区の候補がゼロなので比例の議席をごっそりいただける。これで保守二大政党はこれまで通り選挙区でも比例でも議席の大半を獲得出来る。
4)選挙後に「衛星政党」を母体政党に吸収合併する。こうする事で現行の比例連動性でも保守二大政党が独占的に議席獲得可能。

…こんな馬鹿な選挙制度を考え出したのはどこのどいつだと言いたくなるが、2020年以降の韓国の総選挙は本当にこれだけデタラメなやり方なのである。欠陥制度そのもの。弱小政党にももっと議席が取れるようにという事から始まった出て来た制度らしいが、実際にはさらなる二大政党への議席独占を生むだけの結果に終わった。韓国の現行選挙制度をビデオゲームで例えれば、まさに「超クソゲー」そのもの。ろくに難易度調整やデバッグをせず市場に出してしまった挙げ句、とんでもないバグの裏技が発覚して無茶苦茶な攻略が可能になった、そんなゲームと言ってよいであろう。これがビデオゲームであれば作ったメーカーが不評を買ってそれで終わりだが、一国の国会議員を決める選挙となればそうはいかない。実際に韓国の政治はこの制度のおかげでとんでもなく酷い事になってしまった。
日本の政治が特に酷くなったのは、衆議院が小選挙区になってからだというのは多くの人達が認める所であろう。これで自民一強が固定化し、野党が選挙区で勝つのが難しくなった。選挙費用も低く抑えられると言いながら実際には余計に金がかかるようになり、死票も激増した。西欧型自由選挙において、選挙制度の改悪というのはこれほどまでに深刻な政治の悪化をもたらす。韓国も以前は日本の衆議院と同じ小選挙区比例代表並立制で、これのおかげで国民の力と民主党の保守二大政党体制が固着して様々な弊害があった所へ、追い打ちかけるようにもっと酷い準連動制が始まってしまった。選挙区だけでなく比例の議席の大半も保守二大政党がかっさらうので、ますます弱小政党の食い込む隙間がなくなってしまったのである。これで過半数をはるかに上回る議席を獲得した当時文在寅政権の与党民主党は、民生や労働関連の法律をことごとく握りつぶすか骨抜きにし、逆に財閥や大企業に有利な法案はバンバン通していった。ほとんどの日本人はこうした実情を知らないであろうが、あの頃は本当に酷かったよ。もちろん国民の力が後に(少数)与党になっても同じ事をしていたのは言うまでもないが。
連中はこの選挙法案を審議していた時にこうした欠陥に気付かなかったのか? そんな事はない。準連動制のこうしたバグというか欠陥は当時から多くの学者やジャーナリストが指摘していたのだが、ことごとく無視されて法案は通ってしまった。と言うか、こうしたバグがあるからこそ連中はそれに目をつぶって法案を通したと考えられる。だってこの選挙制度さえあれば、国民の力と民主党の保守二大政党で半永久的に第一党と第二党の座を独占出来るのだから! いやまさかね、この21世紀2010年代末に「衛星政党」なんちゅうのが韓国で復活するとは思わなかったよ。だって韓国で「衛星政党」なんちゅうのは朴正煕や全斗煥の時代に「我が国は独裁体制じゃない」という対外的アリバイ作りの為にわざわざこしらえたダミー政党だったんだよ。それがまさか今の時代に復活するとは…。韓国という国を「長い民主化闘争で国民が民主主義を勝ち取った素晴らしい国」みたいに考えている日本人や在日が多い。親韓派はそうであるし、嫌韓派であっても基本的には「韓国民主主義」そのものを否定することはまずなかろう。だがそれは大いなる幻想に過ぎない。実際の韓国は素晴らしい民主主義国家どころか、朴正煕・全斗煥の70年代80年代独裁政権のレベルにまで退化したのだ。しかもこの選挙法改悪を成立させた議員達というのは、党派を問わずかつて独裁政権の時代に大学で民主化闘争をやった世代(というだけでなく、実際の運動経験者多数)なのだから。かつて独裁政権に反対してた奴らが、今や国会議員になって朴正煕や全斗煥とおんなじ「衛星政党政治」をやり出したのだから。
サイテー以下に成り果てた選挙制度のせいで、韓国の政治がますます酷くなる事だけは間違いない。今回の選挙結果でどの政党が勝とうとも、韓国社会が持たざる労働者人民にとって悪くなる一方なのは100パー折り紙付きである。


・오합지졸 烏合之衆 a rabble うごうのしゅう

現行韓国選挙制度が及ぼした悪影響の一つとして、市民社会や一部の真面目だった弱小政党を腐敗させたというのがある。とりわけ民主党は比例衛星政党の候補として市民・社会運動団体の人間を引き入れるという事をやり始めた。前回2020年の時の代表例が正義記憶財団の尹美香であろう。今回の選挙では民主労総の元委員長だの民弁(民主社会の為の弁護士会)の事務次長だのが、さらには朴槿恵政権に潰された旧統合進歩党の流れを汲む進歩党もまた比例候補を民主党の衛星政党に合流させて立候補している。
前回選挙で筆者が最も失望した候補が尹美香だったのだが、この女は選挙に出た途端日本に妥協的で右傾投降主義な事ばかり言い出した。「自分は反日じゃない」「日韓共に平和な社会を作って双生の政治を」「文在寅政権の対日政策と自分達(挺隊協・正義記憶財団)はそう違わない」みたいな事を口走っていたのだから。文在寅政権は日韓慰安婦合意の破棄はおろか選挙公約だった再交渉すら早々に放棄したのに、自分らはそれと同じだと? 挙げ句の果てには「自分らは衛星政党じゃない」だよ? 何考えてんの? 挺身隊や性奴隷にされた女達の無念を晴らすのではなかったのか。日本国家に法的責任と賠償を求めるのではなかったのか。帝国主義侵略に反対するのではなかったのか。民族主義ではなかったのか。その為には「日本を絶対に許さない」という一線だけは絶対に譲歩してはならないはずだ。かつて朝鮮民主主義人民共和国に呉振宇という軍の高官がいた。日帝時代に金日成の満州抗日パルチザン部隊で戦った革命家だったが、この人は自分の妹が日本軍につかまって従軍慰安婦にされたという悲運にみまわれた人でもある。呉振宇は生涯日本を深く恨み「私は日本の奴らを絶対に許さない」と語っていた。さすがに民族解放闘争で日本軍相手に生きるか死ぬかの戦いをやった人達は違うと思うが、対する尹美香はどうなのか。日本と双生? それも国会議員の椅子を目の前にして、日本に投降するような口を利く? こんな腐敗堕落した奴がどこにいるのか。尹美香と正義記憶財団は今でも日本のネット右翼から「反日」だなんだと攻撃されるが、実際には全く違う。今の尹美香は日本のネット右翼に攻撃される価値すらないクズだ。
今回の選挙で民主党の衛星政党から出た候補も尹美香に負けず劣らず酷いもので、民弁の事務次長である李周禧という弁護士がその一例だ。この李周禧弁護士という女性は学生時代にバリバリの民族解放派で、反米運動で積極的に活動し、弁護士になった後も国家保安法反対運動をやっていたという。旧民主労働党から立候補した事もあった。こうした経歴を見ると実にあっぱれと言いたくなるのだが、しかし…。この女は今回の選挙で民主党の衛星政党から立候補してしまった。民主党ってアメリカべったりの政党だよ? あれだけ大量の議席がありながら、国家保安法を全く廃止しようとせず、それどころか「廃止は時期尚早」とか言ってた政党だよ? そんな政党から立候補とか、あんたこれまでの活動は嘘だったのか。さらに言うと、李周禧弁護士が事務次長まで務める民弁は「衛星政党は違憲」というのが公式的立場なのである。そこまでして議員になりたいのか。何とあさましい。かつて反米闘争や国家保安法撤廃の闘士だった女が、今やただの「国会議員になろう系弁護士」に成り果てた。本来ならば李周禧は懲戒ものであろう。だが肝心の民弁の態度もフラフラしていて、会長自身が民主党にベッタリな上に「李弁護士が衛星政党の設立に参加した訳ではない」と苦しい言い訳ばかりである。韓国の選挙制度改悪によって、民弁もまた日本の東京弁護士会などと同じ堕落道をたどったようだ。
今回の選挙で李周禧以外にも過去に学生運動で反米活動や親北傾向があったとされる候補は何人もおり、中にはそれを朝鮮日報などの保守極右メディアにバッシングされて候補辞退した者もいた。今回の選挙の隠れた争点は「反米狩り・従北狩り」であったと言えるであろう。だがそうした候補についてはある意味さほど心配しなくていい。民主党の衛星政党や祖国革新党などから立候補するという事は、李周禧同様その者達が「反米」をやめたという事なのだから。日本敗戦によって「反米」からアメポチに大転向した倭王裕仁や岸信介や賀屋興宣みたいに。もちろん李周禧らかつての韓国運動圏と裕仁ら日帝の領袖どもでは「民族自決・民族解放としての反米」「帝国主義勢力同士の縄張り争いとしての反米」という大きな違いがあったが、いずれも「ボコボコにいわされてアメポチに大転向」という結果が全く同じであった。こういう奴らほど新しい御主人様、すなわちアメリカ様に絶対的忠誠を尽くすものである。李周禧ら韓国の旧運動圏出身者どもは要するに「左の岸信介(笑)」な訳であり、こいつらが当選したらどんな政策や法案に賛成するか、今からある意味で非常に楽しみだ。少なくとも韓米相互防衛条約や駐韓米軍に絶対反対しないのは目に見えていよう。
酷い選挙制度が韓国の市民社会の腐敗を一気に加速させたと思う。かつて真面目な活動家だったのが、みんな議員の椅子に目がくらんで烏合の衆に成り果てた。

祖国革新党? あれは言及する価値もないよ。政策見てみたら抽象的な話ばっかりで、具体策なんにもなし。あんな政策だったら日本の自民党や維新だって打ち出せるよ(笑)。こんなのをイチ推ししている「日韓連帯派」のバカでマヌケな日本人が現実に存在する…。


・要するに

この記事を書いている途中、ニュースで韓国の総選挙は汎野党で200議席に達しそうだという。連中の言っていた「尹錫悦審判」が現実になりそうな情勢だが、だからといってこれで韓国が良い社会になる可能性は限りなくゼロに近い。これだけ議席があれば尹錫悦を弾劾出来る可能性は十分にあり、それで新たに大統領選挙が行われれば、現状では民主党の李在明が次期大統領に当選する可能性が一番高いであろう。しかしながら李在明は日本で言われているイメージとは違い、物凄い右翼反共主義者で北の事も大嫌い、韓米同盟は宇宙よりも重いという親米派だから、要するに選挙後も韓国という国は何も変わらないという事だ。向こうの持たざる民、労働者や農民達はこれまで通り貧しい暮らしで、財閥・大企業・富裕層だけがこれまで通り肥え太る世の中が続く。朝鮮共和国との関係改善はおろか、ますます対立は激化する。
はっきり言うが、野党がこれだけ議席を確保しても、国家保安法は撤廃されないし、労働者や農民の生活環境改善の為の法律は何一つまともに成立しない。北南関係は改善しない。軍事費はさらにうなぎ上りに激増し、対米従属はますます酷くなる。それだけは保証出来る。
日本のマスコミでは「日韓関係はどうなるのか」みたいに早くも言われ始めているが、そんなのはほとんど問題ではない。問題は韓国と日本という犬コロが、どれだけアメリカ様に忠誠を誓って忠勤に励むかだろうが(笑)! この点に関して言えば今まで通り、いや、これまで以上に韓国はアメリカ様に滅私奉公する事になるであろう。ウクライナ支援や、来るべき台湾紛争への参戦準備など、韓国(尹錫悦が生き残るにせよ、政権交代するにせよ)は今回の岸田訪米に負けじとさらなるアメポチぶりを発揮することになる。

選挙で野党が勝っても世の中何も変わらない。今回の韓国の選挙でその事を嫌というほど思い知る事になるであろう。みなさん覚悟はよろしいか?

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