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白玉老虎 백옥로호 はくぎょくろうこ

どっちに転んでも その2

・在日には関係ない

投票日になって急な話だが、都知事選くだらんな、というのが筆者の率直な感想である。先日の韓国総選挙なみに酷ェ選挙だなと思う。特にアホウだと思うのが、一部の界隈で現職小池百合子の最大の対抗馬が蓮舫という事になっており、蓮舫さえ当選すれば東京都の未来はバラ色みてェな事が言われている事であろう。それも従来の立憲民主党支持者層(もちろん蓮舫自身は今回の都知事選では形式的に離党しているが)ならまだしも、これまで立民党(と野党協力している共産党も)に批判的な事を言っていた一部代案メディアやそれに近い一部ジャーナリスト達までもが「蓮舫推し」の隊列に加わっているのはどうした事か。

はっきり言うが、筆者のような在日朝鮮人の立場から言わせてもらうと、小池も蓮舫もどっちに転んでもおんなじよ、というのが正直な感想だ。我々の側の重要な争点として朝鮮学校の補助金停止というのがある。石原時代から停止された補助金支給が今の小池都政までずっと続いてきたのだが、じゃあ蓮舫が当選したら補助金支給が再開されるの?と言う話なのだ(もちろんこれは蓮舫に限らず、石丸信二ら他の候補者についても言えるのだが)。はっきり言って蓮舫が当選しても朝鮮学校への補助金支給が再開される望みはゼロであろう。そもそも朝鮮学校無償化除外で今の差別・弾圧政策を急進化させたのは立民党の前身である民主党政権であり、その流れを汲む蓮舫がそんな事するはずがない。もちろん産経系のメディアでは蓮舫が当選したらすぐにでも補助金支給が始まるかのようなプロパガンダをして攻撃しているが、これもよく読めば蓮舫周辺の人間達(日共の吉良佳子や元文部官僚の前川喜平ら)が勝手に言っているだけで、蓮舫当人は「経緯を丁寧に検証して決断していきたい」と曖昧な玉虫色の答弁に留まっている。これはやはり今回選挙の争点になっている神宮外苑再開発に対する蓮舫のスタンスとも同じだ。「住民投票」だ、と。「補助金支給を再開します」とか「開発中止します」とは絶対に言わない。飽くまで「検証して決断」「住民投票」というレベルなのだ。で、結局は「検証の結果、あるいは住民投票の結果、やっぱ駄目でした」となるのは目に見えている。民主党政権が結局八ツ場ダム建設を中止出来なかった(しなかった)のと同じ事になろう。住民投票なんて最悪の手法だと思うけどね。もし開発推進側が勝てば「民意を得られた」で堂々と開発のお墨付きを与えてしまう事になるし、逆に開発反対派の住民が勝っても「この投票に法的拘束力はない」と言われておしまいなのだから。結局は開発が行われる。原発でも改憲でもそうだが、今の日本で絶対にやってはいけないのが住民投票や国民投票の類なのだ。どんな投票結果が出ても、原発推進派や改憲派を利する結果にしかならない。この手の住民・国民投票が好きな連中(イコール今回の蓮舫支持者層)というのは昔の巻町原発住民投票の成功体験に依然として呪縛されているのだと思う。あの時とは時代状況も社会状況も全く違うというのに!

よって、今回の都知事選は我々在日朝鮮人の人権・生活とは何の関係もない。それどころか蓮舫が第二の小池百合子や石原慎太郎にならないという保証はどこにもありはしないのだ。いや、ひょっとして蓮舫が当選したら関東大震災の追悼行事に追悼文を送るぐらいの事はするかもしれない。しかしながらそうなったとして、だから何だよという話でしかないであろう。それ以外の差別抑圧政策は何一つ撤回しないまま、「ごまかし」としての追悼文の紙切れ一枚送られたってねェ。それ以前に蓮舫がそもそも小池に勝てるほどの候補なのか、という話なのだが。

それよりも呆れるのは、前述した蓮舫応援団と化している一部代案メディアやそれに近い一部ジャーナリスト達だ。その代表がアジア記者クラブと井上静氏ではないか。この両者はこれまで鋭い論考を発表してきて筆者も大いに参考にさせてもらったが、たまに酷い時は徹底して馬鹿な事を言う欠点がある。この両者に対しては過去別の機会に何度か苦言を呈した事があるが、今回も指摘させていただく。
まずアジア記者クラブ。変な蓮舫狂信者のツイートを堂々と好意的リツイートしていた。



蓮舫やそのバックにいる立民党の野田や枝野の事をアジア記者クラブだってずいぶん批判してきたはずなのに、これは一体何なのか。今まで言ってきた事は嘘だったのか。かと思うと、投票直前の今になって急にそれを否定するようなリツイートをし始めた。





アジア記者クラブ、ブレ過ぎ! 何なんだよこれは…。ウクライナや香港の時はあれだけいい情報発信をしてたのに、都知事選では急にアホみたいになってる。

井上静氏もおかしくねェか? この人以前は蓮舫に批判的だったのだが、ここに来て急に蓮舫を支持するかのような事を言い始めている。


https://x.com/ruhiginoue/status/1486162932035887106
井上靜 Joe Inoue@ruhiginoue
おそらく、菅直人も枝野幸男も鳩山由紀夫も蓮舫も塩村あやかも…自ら何も考えず流行に乗っていれば有利だとしか思ってないポピュリストでしょうね。
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午前11:23 · 2022年1月26日



https://x.com/ruhiginoue/status/1809072566310744542
井上靜 Joe Inoue@ruhiginoue
夏の参院選に立候補した時の蓮舫は、猛暑の中で威勢が良く生き生きしていたから、政策などと無関係に勝つだろうなと確信したし、実際に当選した。この都知事選でも同じどころかもっと猛暑の中でさらに元気にやっているから、この調子で行けばまた勝つんじゃないかな。
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引用
蓮舫RENHO@renho_sha·6月21日
東京には夢がある。

東京はもっともっと良くなる。もっと良くする。蓮舫と次の東京へ。ぜひ、見てくださいね。
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埋め込み動画
午後0:51 · 2024年7月5日



その言い訳が日共のそれと同じというのも…。もうちょっと考えてくれよ。どっちがポピュリストなんだか。

アジア記者クラブにせよ井上氏にせよ、この人達は以前の都知事選、つまり細川だの宇都宮だのの時とおんなじ事を自分らがやっている事に気付いてないのではないか。アジア記者クラブや井上氏が今後、岩波書店や週刊金曜日や明石書店みたいにならない事を祈っているが…。まァ、気を付けて欲しい。

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どっちに転んでも

・清末オーバーラップ

今多くの中国人達はアメリカを見てお笑いネタにしている。それは今のアメリカがかつての清王朝末期にそっくりだからという。「三世の春」と呼ばれる最盛期にはそれまでの旧王朝のどれよりもはるかに強大な政治力・経済力・軍事力・文化力を築きながらも、19世紀に入って政治が腐敗・堕落し、そこへ追い打ちかけるように欧米日帝国主義国家達の侵略まで受け、ついには辛亥革命で崩壊した大清帝国。その清末と今のアメリカがあまりにそっくり過ぎて、多くの中国人が笑っているのだ。

まずは麻薬の蔓延と財政赤字。清朝末期にイギリスは中国にアヘンを持ち込み、これが大流行して大変な事になった。誰もが知るアヘン戦争の時代である。今のアメリカでは? 大麻の規制緩和が行われる方針な上に、フェンタニルという鎮痛剤が麻薬代わりに大流行して、全土にヤク中があふれかえっているという。清末にはこのアヘン貿易のせいで大量の銀が海外へ流出して経済がボロボロになったが、今のアメリカでは? アメリカでは麻薬以上に民生が完全に無視され、世界中のあらゆる地域で紛争を起こして、財政赤字が天文学的なレベルに達している。違いがあるとしたら、清では銀という現物資産が流出したが、アメリカではドルという紙切れが大量に刷られて赤字を膨らませているという点であろう。そのドル崩壊も今やカウントダウンの段階に入った…。

お次は軍需関係の腐敗。清の最末期は西太后の独裁体制で、この女が国家財産を個人的な贅沢に放蕩し、特に割を食ったのが軍事関係であった。欧米日帝国主義の侵略にさらされて大変な国難だというのに、西太后のゼータクのせいで軍事予算がなくなり、まともな兵器をそろえられなかった。日清戦争の時、清軍の砲弾の中には火薬ではなく砂や油かすが入っていたという。アメリカは? いわゆる軍産複合体の腐敗は広く天下に知られている所であろう。アメリカの軍需産業のボッタクリは普通じゃないよ。そこらのホームセンターで1本数円か数十円で売られているようなネジが、アメリカの軍需企業から国防総省には数千円で納品されるのだという。知らない人は驚くかもしれないが、これはアメリカの軍産複合体では日常茶飯事である。しかもあれだけ天文学的な軍事予算を使いながら肝心の兵器の性能は大した事がなく、アメリカ製兵器で武装したウクライナ軍がロシア軍にボコボコにされているのは周知の通り。朝鮮共和国・中国・ロシア・イランがとっくの昔に開発に成功した極超音速ミサイルを、アメリカはいつまで経っても作れず失敗ばかり。アメリカが誇る空母船団なんて時代遅れの遺物になって久しく、イエメンの政府軍アンサール・アラー(いわゆるフーシ派)のドローンやミサイル攻撃に手も足も出ない。軍産複合体の腐敗が頂点に達し、あらゆる面でボロボロになっているのが米軍の現住所である。

垂簾聴政というのも不思議に共通している。かつて清末には穆宗・同治帝という5歳で即位した幼帝がおり、当然このような子供に政治は出来ない。そこで東太后・西太后という二人の太后が玉座の後ろに簾を垂らして座し、政治を見た。すなわち「垂簾聴政」である。今のアメリカは? 今の米大統領であるジョー・バイデンは81歳というアメリカ史上最高齢の大統領であり、それもかなりの恍惚状態である。自分の政権の閣僚の名前を忘れたり演説の途中で自分が何しゃべってたか急に忘れるなんてしょっちゅうで、誰もいない空間に急に手を伸ばして握手しようとしたり(空気と握手する男バイデン)、ロシアのプーチンとは40年前から知り合いだとか意味不明な事をマスコミで公言していた。それでいて女の体だけはとにかく大好きで、女と見れば公衆の面前であろうと幼女から熟女まで年齢問わずセクハラする。当然このような(色)ボケ老人に政治は出来ない。そこで副大統領カマラ・ハリスに下院議長ナンシー・ペロシという二人の女性が大統領の席の後ろに陣取って政治を見た。この認知症ジジイがうまく演説出来たらよくやったと拍手してやり、そうでない時はフォローを入れる。すなわち事実上の「垂簾聴政」だ。違いがあるとしたら、清末の時は二人の女性に補佐されるのが幼い皇帝だったのに対し、今のアメリカでは認知症の老人だという点であろう。




↑ 清末の垂簾聴政(某ドラマ番組より)と今のアメリカの垂簾聴政。そっくりじゃねェか(笑)!


こうした事から、当然老人政治(Gerontocracy)という問題点が浮かび上がってくる。清末はよく知られているように西太后が72歳で死ぬまで独裁政治が続き、その失政によって清はボロボロになった。今のアメリカは? 次の大統領選挙はまたしてもバイデン(81)とトランプ(77)の争いになる公算が高いものの、この両人いずれもかなりの高齢である。若い代案というのがないのだ。西太后時代の清は皇帝がみな幼いか、成人して開明な皇帝であっても飼い殺しにされて権限を振るえない状態にされていた。今のアメリカの場合はそもそも若い指導者候補が世に出ない。どこの国でもそうだが、こういうのは末期症状と言って良いであろう。

次のアメリカ大統領選挙でバイデンとトランプのどちらが勝つか? はっきり言って、どっちに転んでもおんなじよ、というのが筆者の感想である。ウクライナ戦争から始まったアメリカ世界覇権の崩壊はもはや誰にも止められない。誰の政権であろうとも挽回は不可能だ。バイデンもトランプも大のイスラエルびいきであったし、イランとの敵対政策も同じ。トランプが再選したら朝鮮共和国との関係がまた改善するのではないかという話もあるが、それもあり得まい。あの時(平昌デタント)とは情勢がまるで違うし、朝鮮はアメリカと関係改善しようとして何度も裏切られてきた。「アメリカは千載一遇のチャンスを逃した」(ハノイ決裂後の崔善姫談話)訳であり、もうそんなアメリカと関係を持つよりBRICS陣営との交流の方がはるかに実益が大きいよ。先日の朝露条約締結を見ても分かるように、朝鮮共和国はもう完全にアメリカとの関係改善を放棄してしまったのだから。「南との統一の放棄」「アメリカとの関係改善の放棄」の二つが金正恩時代における最大の外交路線転換であろう。「平昌デタント」の失敗が大きな教訓となったのではないか。
ただしシカゴ大学のミアシャイマーが最近またしても気がかりな予測をしている。もしトランプが再選したらアメリカはNATOを脱退するだろう、というものだ。ウクライナ事態やイランの核武装を的中させてきたミアシャイマーの「予言」だけに、非常に興味深い。アメリカがいなければNATOなんて何の存在意義もなく、存続も出来ない集団だ。「NATOを終わらせる米大統領になるかもしれない」という一点に限って言えばトランプに軍配が上がるか。もっともプーチンが言ったようにロシア(及びアメリカと対立している国々の立場)からすれば、次期米大統領はバイデンの方がどちらかと言えば望ましいと言える。バイデンの方がトランプより無能で、敵としてはやり易い相手だからだ。一長一短、プラマイ収支を考えると、やはりどっちでもいいやという結論になってしまうか。

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【翻訳記事】ハン・ソル氏のフェイスブック2024年6月20日付記事より「歴史の変曲点になる朝鮮-ロシア首脳会談、どのような視点で見るべきか」

今回は韓国で首都防衛司令部参謀長と陸軍軍事研究所所長を歴任したハン・ソル(한설)氏が自身のフェイスブック上で6月20日に発表した記事を翻訳して御紹介したい。テーマはもちろん先日のプーチン訪朝と朝露首脳会談である。
このハン・ソル氏という韓国の変わり者の元将校については、別の機会に何度か記事を訳して御紹介した事がある。この人は韓国と旧ソ連が修交した頃であったと思うが、両国の軍事交流でしばらくソ連・ロシアに研修か留学のような形で向こうへ行っていた事があり、その機会にソ連・ロシアの軍事思想や軍事体系といったものを大いに学んだという。韓国の軍事関係者の中でもロシアの軍事に最も精通している人物と言って過言ではない。だからこそ、この人は2022年に勃発したウクライナ事態の本質を鋭く見抜く事が出来たのであろう。
「ウクライナには全く勝ち目はない」
「これはロシアとウクライナの戦争ではなく、ロシアと欧米NATO帝国主義の戦争である」
「ウクライナ事態を契機にアメリカの世界覇権は崩壊する」
「第三世界グローバルサウス諸国はかつてソ連に民族解放戦争で大恩を受けた。故にこれらの国々はロシアを支持する」
「グローバルサウスは資源国の集団であり、これらの台頭によって今後は技術ではなく資源を持った国が強くなる」
上記はウクライナ事態勃発後にハン氏が語った事のおおまかな内容だが、周知のように現実はことごとくそのようになった。もちろんこうした内容は日本や韓国を含む西側主流メディアで垂れ流されてきた報道内容とは180度違う。結果いずれが正しかったかは明白であろう(もちろん氏のこれまでの発言が全て正しかった訳ではない。たまに変な事を言う事もあるので注意が必要だが)。西側主流メディアというのは一体どこの平行世界の話をしてきたのやら。韓国もウクライナ事態でロシアを制裁する側に回り、結果食糧やエネルギーの価格が暴騰して多くの人々が困窮するようになったのは日本と変わらない。
こうした国を挙げて韓国を「ウクライナ加油・暴露膺懲」に向かわせた張本人は前大統領文在寅とその与党民主党政権であった。それを今の尹錫悦政権がそのまま継承・拡大させて今に至っている。韓国という国はアメポチにして西側帝国主義の手先であり、韓国の保守二大政党いずれもそうした点では全く違いがないという事を多くの日本人は知らない(在日にもそういうの多いが)。親韓派・嫌韓派問わずである。日本同様に韓国でもウクライナ事態を客観的・現実主義的に見る事が出来る論者がメディアからことごとくパージされ、それが今の惨状を招いた大きな原因の一つであった。ハンギョレなんて本当に酷かったからね。この間のハンギョレはあたかもウクライナのネオナチと一体化したような有様であった。朴露子なんて輩を何でありがたがる奴が多いのか理解出来ない。朴露子なんてとてもじゃないが、ただのロシア系ユダヤ人ではなかろう。巧妙に偽装したタチの悪いシオニスト(=ナチス)にしか見えないんだが。ハンギョレ新聞の論調はとっくの昔に「韓国を守ってもらう為には駐韓米軍様に「コスト」を支払うのは当然」みたいなレベルまでイっちゃってる(そう、例のあの国際部長だった、今は論説委員の奴だよ!)という事を、もっと多くの人が気付いて良い頃である。もちろん今回のプーチン訪朝と朝露首脳会談にハンギョレは発狂レベルで反発してました。もう極右紙の朝鮮日報と何も違わんよ…。

このように韓国でウクライナ事態について最もまともな事を言っていた論客の一人であるハン・ソル氏だが、今回は朝鮮半島問題に関心のある方なら最もホットな、と言うより激熱なテーマ「プーチン訪朝と朝露首脳会談」に語ってもらおう。まさにこれは世界情勢・東アジア・朝鮮半島大激震の出来事と言って良い。これによって西側の対朝制裁が事実上終わったという事を、筆者も先日述べさせていただいたが、それをより深く掘り下げてくれたのが今回のハン・ソル氏の記事である。今回朝露両国が結んだ事実上の同盟と言うべき「包括的な戦略的同伴者関係に関する条約」によって全く新しい時代が開かれた訳だが、それが朝鮮共和国にとってどれだけ大きな路線変更であったかを歴史的に述べてくれた。昨年末の党全員会議以降朝鮮共和国は南との関係を断絶した事に続き、これまた先代金正日時代以来の大幅な大激変だ。今後NATOとの衝突が予想されるウクライナ戦争との関わりで言えば、核を持った朝鮮共和国がロシアの背後で戦争を抑止する強力な存在になるという事でもある。「北朝鮮がロシアに砲弾提供」などという馬鹿げたデマ話のレベルではない。この「砲弾提供」というフェイクニュースには平壌日記の伊藤孝司氏までもが既成事実化して語ってしまっていた。伊藤氏は朝鮮報道について日本では極めて稀な良識的報道をしてきた方だけに、これはさすがにいただけない。弘法も筆の誤りという事はあろうが、伊藤氏には今後十分注意していただきたいと思う。
筆者は当初、朝露間で何かしらの協定や条約が結ばれてもその内容を公開しない可能性があると思っていたが、ふたを開けてみたら早々に堂々と公開していた。西側に見せ付けてやろうという、そういう強固な意志が垣間見える。それだけの破格な内容であるという事だ。実際の内容は以下労働新聞のサイトを参照していただきたい。


朝鮮民主主義人民共和国とロシア共和国間の包括的な戦略的同伴者関係に関する条約
朝鮮語原文
http://www.kcna.kp/kp/article/q/848b072d48dcc965d89ce5f716e78e71.kcmsf


今回の記事の最後に述べられている
「韓国のマスコミと知識人達が朝鮮をあたかも韓国のように常に「保護される国家」と考えるのは、その間生きてきた過程と経験が世の中をまともに見られないよう妨害しているからである。現在韓国のマスコミと知識人達は被保護国というフィルターをかけた目で朝鮮とロシアの関係を見ているのだ。その為マスコミといわゆる専門家達が客観的な状況判断を出来ないのである」
という結論はまさに日本のいわゆる「自称北朝鮮専門家」にもそのまま当てはまる。この「自称北朝鮮専門家」には日本人も在日もいるのだが、こいつら本当にどーしよーもない。アジアプレスはいうまでもなく、辺真一とかの総連転向者出身なんか本当に馬鹿丸出し。本当にこいつら馬鹿どもはお笑いネタとして見てて飽きんわ。

論より証拠。まずは実際にハン・ソル氏の記事をお読みいただこう。
翻訳は筆者・李玉堂が行った。原文記事URLは以下になる。

https://www.facebook.com/seol.han.1253/posts/pfbid0FD9dFYNweKoU8vPMwToHGJbg4uRJ7UiFbLQ1KPEJ4e5FKq9DLnwRZ11rradqqiXkl


ハン・ソル
24-6-20 歴史の変曲点になる朝鮮-ロシア首脳会談、どのような視点で見るべきか
6月19日はアメリカが覇権を喪失する過程で決定的な日として記録されねばならないだろう。多くの人は朝鮮が中国やロシアと関係を強化し、彼らが同盟水準の国家になるという事を当然な話と考えるかもしれない。しかし冷戦終息後に朝鮮がその間生存の為に努力してきた過程を少しでも振り返ってみれば、朝鮮が完全に路線を変更した事を知る事が出来る。
金正恩の今回の路線は過去の金正日の路線と完全に正反対の道を行くものだという点で変曲点の意味を持っている。金正日は冷戦終結後、朝鮮が活路を求める唯一の方法はアメリカとの関係改善であると判断した。韓国人達はもう覚えてもいないだろうが、1994年アメリカとの核合意当時に朝鮮はアメリカとの関係改善でようやく生きられるだろうと期待した事があった。だがアメリカはジュネーブ核合意を事実上破棄して軽水炉提供を拒否しながら、朝鮮は苦難の道を歩まねばならなかった。
万一アメリカがジュネーブ核合意をそのまま維持していたら、朝鮮の核兵器を当時の水準に留めておきながら、朝鮮をアメリカと近しい国家にする事が出来ただろう。朝鮮が中国やロシアとこうした関係を作り出す事は出来なかっただろう。
ジュネーブ核合意が事実上無為に帰した以後にも、朝鮮はアメリカとの関係改善で自分達の陥った現状を打開するという路線をそのまま維持していた。苦労して築かれた朝米間核合意も2005年バンコ・デルタ・アジア(BDA)事件で霧散した。これまで韓国とアメリカの当局とマスコミ達は朝鮮とアメリカの核合意過程で朝鮮が合意に違反したと主張するが、その前後関係を少しでも確かめてみればむしろアメリカが合意を守らなかった事を知る事が出来る。朝鮮はアメリカとの合意というのが無意味であると認識していた。金正恩がトランプとシンガポール及びハノイ協議を試みたのは、路線変化の為の最後の試みであっただろう。
朝鮮がアメリカとの関係改善を放棄して新しい道をロシアから求める事にしたのは、大きく二つの為だといえる。
第一は、ウクライナ戦争の勃発だ。朝鮮はウクライナ戦争勃発以後、アメリカが国際政治を掌握する力が弱まっているという事を確実に把握したものと見られる。朝鮮はウクライナ戦争以後に国際政治秩序が変化する以外ないという事を認識して、これから国際政治はアメリカの思い通りに動いていくのは難しいだろうと判断したのだ。
第二は、韓国に対する再判断である。朝鮮にとって韓国は二つの意味を持っていると言える。一つはアメリカとの関係改善の為の仲裁者と媒介者としての意味であり、二つ目は同じ民族として朝鮮が立ち上がるのに切実な助けを得られる相手という事だ。
仲裁者と媒介者というのは独自的な活動領域があってこそ可能である。金正恩登場以降、最後にアメリカとの関係改善の為の韓国の役割を期待したが、特に機能を発揮できなかった。それは韓国がアメリカにあまり偏重し過ぎて、まともな仲裁者及び媒介者としての役割が出来なかった為だ。二つ目の朝鮮が韓国から助けを得られるだろうという最小限の期待を引っ込めてしまったのは、文在寅政権が見せてくれた偽善的な態度と、尹錫悦が見せてくれた朝鮮に対する憎悪心に満ちた敵対的態度の為だろう。
諸般の環境的要件が悪化してきているが、朝鮮とロシアがこのように緊密な関係に発展する事になったのは、ロシアが韓国との関係を完全に再検討した為に可能になった事だと言える。万一尹錫悦政権がウクライナ戦争に対して留保的な態度を執っていたら、今のように朝鮮とロシアが同盟水準の関係に発展する事を防げたかもしれない。ロシアとしても韓国と経済的な関係を維持する事で得られる利益を放棄する理由がないからだ。
ロシアもウクライナ戦争以後の状況を考慮しても、韓国と敵対的な関係への転換を推進しなかった可能性が高い。しかしロシアがそうした悩みをしないようにしたのが尹錫悦である。尹錫悦は一方的にロシアを批難して、ポーランドに兵器を輸出し、ウクライナに相当量の大砲砲弾を輸出する事でロシアを刺激した。ロシアはその間韓国に対して大変自制した姿を見せたものの、結果的に韓国との関係で得られる利点を放棄し、朝鮮との関係改善と拡大を試みたのだ。こうして見ると、今回の朝鮮とロシアの同盟関係樹立は尹錫悦の功労だと言える。
アメリカが最小限の戦略的思考をする能力があったなら、今回のように朝鮮とロシアが同盟関係に出られないよう防がねばならなかっただろう。バイデン政権と尹錫悦政権は十分にそうした能力と要件があったにも関わらず、こうした現状を放置した。朝鮮とロシアのこうした関係発展は、韓国にとってはもちろん機会ではなく挑戦である。これから韓国は朝鮮とロシアの関係強化による安保状況悪化に相当な費用を支払わねばならないだろう。
ロシアが朝鮮とこのように関係を発展させていったのは、以前の文でも言ったように、東アジア地域における中国の「弱いつながり」を補強するという意味と共に、今後ウクライナ戦争へ本格的に突入した時に背後をしっかりと補強するという意味も持っていると思う。ロシアはウクライナ戦争を今と違って全面的に遂行する為の事前準備の一環として、自身の弱点になり得る東北アジア地域を補強するという話だ。
朝鮮とロシアが互いに相互保護条約を結んだとしたら、韓国のマスコミと知識人達はロシアが朝鮮に軍事的支援をするものとばかり考える傾向がある。だが韓国とアメリカが朝鮮半島を戦争状況に追いやる事で、ロシアは自身の後方が危険になる状況を防ぐ必要があると判断しているという点も考慮せねばならないだろう。ロシアと朝鮮の軍事関係は韓国とアメリカの軍事関係のように一方的ではない。
今回の朝鮮とロシアの関係強化を非常に単純に整理するならば、朝鮮が安保的保障を提供してロシアが経済的利益を提供するものと把握出来るだろう。韓国のマスコミと知識人達が朝鮮をあたかも韓国のように常に「保護される国家」と考えるのは、その間生きてきた過程と経験が世の中をまともに見られないよう妨害しているからである。現在韓国のマスコミと知識人達は被保護国というフィルターをかけた目で朝鮮とロシアの関係を見ているのだ。その為マスコミといわゆる専門家達が客観的な状況判断を出来ないのである。


(終)

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西側の対朝鮮制裁終わりました

今日明日(2024年6月18・19日)にかけてロシアのプーチン大統領が朝鮮民主主義人民共和国を訪問中だ。当然金正恩国務委員長との首脳会談もある。
今現在日本のマスコミでは取り上げられていないようだが、今回のプーチン訪朝における大きなテーマの一つが「西側による対朝制裁の無力化」にあるのは間違いない。いや、実際にはそれ以外にも重要な案件が山ほどあるのだが、ここではそれにしぼって解説したい。労働新聞6月18日付記事「로씨야와 조선민주주의인민공화국:년대를 이어가는 친선과 협조의 전통 ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:年代を受け継いでいく親善と協調の伝統」というプーチン自身による寄稿文が発表された。以下リンク先参照。


http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?MTVAMjAyNC0wNi0xOC1OMDAyQA==
로씨야와 조선민주주의인민공화국:년대를 이어가는 친선과 협조의 전통
로씨야련방 대통령 웨.뿌찐
2024.6.18. 《로동신문》 1면


一応日本語訳文も朝鮮中央通信のサイトで公表されている(以下リンク先参照)が、こちらはかなりの抄訳となっていていくつかの肝心な内容が入ってなかったりする。

http://www.kcna.kp/jp/article/q/904d568863da758180e721aee779e890.kcmsf
ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:年代をつないでいく友好と協力の伝統

なぜこんな半端な訳文を掲載したのか分からないが、編集側の手抜かりというより意図的な抄訳の可能性もあるのではないか。日本側を馬鹿にして、なるべく知らせないようにという。なので、朝鮮語の出来る方で今回のプーチン寄稿文の内容を正確に把握したい場合は、労働新聞の朝鮮語原文記事を御覧いただきたい。今は機械翻訳の性能も大分良くなったので、朝鮮語の心得のない方でも重要な部分の内容をある程度読み取る事は可能であろう。

ここで注目したいのは、原文記事終わりの方にある以下の記述である


【原文】
로씨야는 어제도 래일도 교활하고 위험하며 침략적인 원쑤와의 대결에서, 자주와 독창성, 발전의 길을 자체로 선택하려는 권리를 지키는 투쟁에서 조선민주주의인민공화국과 영웅적인 조선인민을 지지하였으며 앞으로도 변함없이 지지할것입니다.

또한 우리는 국제관계를 더욱 민주주의적이고 안정적인 관계로 만들기 위하여 밀접하게 협조할 용의가 있습니다.

이를 위하여 우리는 서방의 통제를 받지 않는 무역 및 호상결제체계를 발전시키고 일방적인 비합법적제한조치들을 공동으로 반대해나갈것입니다.

또한 이와 함께 유라시아에서 평등하고 불가분리적인 안전구조를 건설해나갈것입니다.

【訳】
ロシアは、昨日も明日も狡猾で危険で侵略的な敵との対決において、自主と独創性・発展の道を自前で選択しようという権利を守る闘争において、朝鮮民主主義人民共和国と英雄的な朝鮮人民を支持してきたし、これからも変わりなく支持する事でしょう。

また我々は国際関係をより民主主義的で安定的な関係としていく為に、密接に協調する用意があります。

この為に我々は西側の統制を受けない貿易及び相互決済体系を発展させて、一方的な非合法的制限措置達を共同で反対していく事でしょう。

またこれと共にユーラシアにおいて平等で不可分的な安全構造を建設していく事でしょう。


日本や韓国といった西側のマスコミでは今回の訪朝について「朝露、外交的孤立を打開しようと接近。相互依存関係深化」「朝露間の武器移転憂慮」といった論調しか出て来ないのだが、こいつらどんだけ馬鹿で朝鮮半島の事を分かってないんだと言いたくなる。ウクライナ特別軍事作戦でネオナチ西側帝国主義をコテンパンにやっつけて、今やグローバルサウス諸国から最大の英雄みたいに崇められてるプーチンが「外交的孤立」とか物知らずにも程がある。朝鮮共和国の核にしても同様で、アメリカの脅威に晒されてきたアフリカや南米や西アジア(いわゆる中東)の国々からしたら、朝鮮の核はどのように見えるか? 「あっぱれ朝鮮。ザマーミロアメリカ」の一言につきよう。先日アフリカのニジェールでフランス軍が追い出されたが、その時地元民達の反仏デモでは朝鮮やロシアや中国の国旗を掲げていた人がかなりの数であったという。ヨルダン川西岸地域で行われたパレスチナ人のデモでは多くの人達が金正恩とプーチンの肖像画を掲げていた。日本や韓国のマスコミが必死になって情報統制してるこうした事実こそ見なければならない。そして「親パレスチナ」みたいなツラをしながら同時に「反北朝鮮・反ロシア」を主張する日本人や韓国人が山ほどいる(特に左派・進歩派・リベラルに)が、そういう奴らほど矛盾という概念を理解しないノータリンであると思う。流されやすいんだろうなと思っています。欧米日韓といった「アメリカ村」のみなさんは、今や自分らが地球上の片田舎の存在だという現実から目を逸らすのに必死だ。西側は精神的勝利に凄まじいエネルギーと費用を費やしている。
それはともかく、上記プーチン寄稿文において目を引くのが「我々は西側の統制を受けない貿易及び相互決済体系を発展させて、一方的な非合法的制限措置達を共同で反対していく事でしょう」という所だ。ロシアに対しても朝鮮に対してもそうだが、西側による金融制裁の根幹がSWIFTなど決済手段からの排除であった。そうした統制を受けない決済体系手段を築くというのだ。お分かりであろう。これから朝鮮共和国は食糧・資源・エネルギーその他ほとんどの領域で完全かつ自由に外国と取引出来るようになっていくという事だ。すなわち西側による対朝鮮制裁というのはおしまいであると、今回のプーチン訪朝はそれを世界に知らしめるセレモニーだったのである。

それだけではない。今回の訪朝団に随行したロシア側閣僚の豪華さも目を引く。外相・第一副首相・国防相・保健相・交通相・宇宙航空公社社長・鉄道庁長などなど。これだけの広い案件がこの機会に論議されるというのだ。特に経済開発に関して言えば朝鮮のBRICS(今はロシアが議長国である!)加盟問題や、中国も交えた三国協力がポイントであろう。おそらく日韓のマスコミではほぼ報じられないであろうが、今後の朝中露経済協力で目玉となるのが前に李海栄教授の記事で言及されていた「シベリア」に加え、新たに「豆満江」も加わるのは間違いない。それも今回の首脳会談で詰められるはずだ。この「豆満江開発」の件について日本では気付いてる者がほぼ誰もいないようで、日本の奴らにいらん知恵を与えるのも癪なので筆者からも細かい言及は手控えたい。重要なヒントとして言うならば、今回のプーチン訪朝は5月16-19日にあったプーチン訪中の件と連続した行動として見なければならないという事だ。これらの多岐にわたる包括的な戦略的協力協定が締結されてもおかしくなかろう(もちろんそうした協定が結ばれたとして、その内容を非公開にする可能性も高い)。たぶん岸田政権や日本外務省はこうした動きに何も気付いてないのではないか。でもそれで良いと思う。かつての小泉純一郎や田中均のような下手に狡賢い一部の日本人(がいたとして)に、いらん知恵を付けさせるのも厄介だ。何も知らないままに翻弄されて大やけどするのが日本帝国主義には相応しい。「豆満江」の件にしても、先日の中露首脳会談で両国の「領土問題」がどのようにウィンウィンな合意を見たかについても、日本の奴らは何も知らないままで、後でほえ面かくのが望ましいと思う。

対朝制裁はもう終わった。これもまた世界秩序がひっくり返った証拠である。でもほとんどの日本人・韓国人はそれに気付かないか、気付くのを拒否し続けるであろう。かつて南米日系人にいた「勝ち組」みたいに。

拍手[12回]

佐高信という絶望~日本国憲法を欧米日帝国主義に奉仕させた男

筆者は佐高信という評論家の存在を大分長い間忘れていた。この男は2000年代初め頃までは「左派的・反権力的」なスタンスで多少気の利いた事を言っていたのだが、その後は日本の右傾化、とりわけ例の「佐藤優現象」の熱心な旗振り役になって害悪をさんざん垂れ流すようになる(後に佐藤とは喧嘩別れして決裂し、今は係争中とも)。佐藤優だけでなく、佐高はそれ以外にも悪徳弁護士の中坊公平や「小泉規制改革」を利権にした男ことオリックス宮内義彦、過労死上等王ことワタミ渡邉美樹などの問題人物達をさんざん持ち上げた挙げ句、後になって見苦しい言い訳をするという事を何度も繰り返してきた。金子勝のようなクソ学者ともベタベタの間柄である。とにかく佐高信という人間は「タレント文化人筆刀両断」とかエラソーに言う割には、恐ろしく人を見る目がない。

さらに言うと、佐高は日帝の朝鮮植民地支配に批判的なそぶりをしながら、実際には朝鮮半島の歴史や情勢について恐ろしく無知でもあった。佐高は朝鮮人・韓国人と会って話す際に必ず「自分はマラソン選手の孫基禎を知っている」というような事を言う。日帝時代のマラソン選手でオリンピックで金メダルを取りながらも「日章旗抹消事件」で選手生命を断たれた、あの人物である。その孫基禎を知っている、つまりそれだけ自分は朝鮮半島の歴史を知ってて、朝鮮人・韓国人にも理解があるんだぞという事をアピールしたいのであろう。だが佐高が朝鮮半島について知っているのは本当に孫基禎の事だけで、それ以外の歴史や情勢についてはほとんど何も知らなかった。後に「福沢諭吉は朝鮮の独立運動を助けた」とか言った時には、もうこいつは完全に駄目なんだなと、さすがに筆者も諦めがついたよ。おまけに金時鐘や梁英姫や辛淑玉とベタベタな関係である事から分かるように、酷い反北朝鮮派でもある。対談本で金時鐘がどれだけデタラメな事をしゃべっても、佐高はそれに対してツッコミ一つ入れられない水準だったのだから。ある程度朝鮮半島の近現代史や在日朝鮮人運動史を知ってる者なら、金時鐘の言ってる事にツッコミ入れるどころか、この親日派皇国ジジイをぶん殴ってやりたい衝動に駆られる程なのに。この場合は朝鮮半島について全く無知な佐高を、金や梁や辛が利用している構図と考えられるが。まあ金と梁と辛も朝鮮人のくせして、祖国の事をロクに勉強してないデマゴーグ商売人なんだけど。

そんな佐高の事をひさしぶりに思い出して検索してみると、ウクライナ事態以降のこの男は予想通り反ロシア・反プーチンウクライナ信者(ウク信)になっていた。分かり易過ぎる。しかも2022年の特別軍事作戦に至った歴史的経過を全く分かってない! マイダンクーデターがアメリカに支援されたカラー革命であり、それによってネオナチが政権中枢を掌握した事や、そのネオナチ勢力によるロシア系住民に対する虐殺や迫害についても全く知らない! そのネオナチ暴徒を「強権的なヤヌコヴィッチ政権に対する学生や市民」とか断言してる時点で、佐高がどれだけウクライナの情勢や歴史を知らないか良く分かる。佐高はおそらく第2次大戦時のナチス協力者にして大量虐殺犯であるステパン・バンデラの事も知らないのであろう。見事なまでの西側大本営脳! 少しは国際情勢勉強しろ馬鹿、としか言いようがない。おまけに原発に批判的なふりする一方で、熱心な原発推進派である寺島実郎と平気で仲良く対談したりしてる。3.11の後にも関わらずだよ? ウクライナ事態についても佐高が寺島と一緒にデタラメな事をさんざん吹聴してた事は記録しておかねばならない。制裁でロシアの経済はグラグラになるみたいな事をこの両人は言っていたが、結果はどうであったのか(笑)。佐高はこれでまで自分の事を「経済評論家」とか名乗ってたんだぜ(笑)。こんなんでよく長谷川慶太郎や堺屋太一の事を批判出来たものだ。何かしらの投資や財テクを考えている者は、間違っても佐高信や寺島実郎の話を参考にしてはならない。投資したゼニ全部パーになって破産しちまうよ。佐高信はどこで間違えたのか

他にも佐高の駄目さ加減が分かるエピソードは山ほどあって、石橋湛山をやたらと持ち上げるのもそうであろう。「徒党を組まず、大衆に媚びず、大衆を無視しない政治家・石橋湛山。民権派リベラルの真髄を体現し、権力政治に抗した良心の軌跡を追う。いま、日本の政治は混迷のかぎり、将来への危惧は、日ましに高まるばかり。あらためて良日本主義のすすめを説いた“志”をさぐる」とか何とか言って湛山が植民地や満州国に反対した事をヨイショする。ところが実際の石橋湛山は1940年代になって日帝の中国侵略と言論弾圧が激しくなると、それまで否定的だった植民地や満州国の事を肯定するようになった。佐高信はこの「湛山最大の黒歴史」をなかった事扱いして、絶対に指摘しない。ただひたすら湛山を神のごとく持ち上げるばかりである。インチキ過ぎやしないか。

先ほど佐高は日帝の朝鮮植民地支配に批判的と言ったが、それも本当の所はかなり怪しい。朝鮮侵略イデオローグだった福沢諭吉をやたらに神格化しているからである。佐高が福沢を持ち上げるのは当人が慶応大学出身という学閥のせいだという。慶応では福沢諭吉以外の人間を「先生」と呼んではいけない不文律があり、福沢信者である事を半ば強制される。佐高もまたその例外ではなかった。この学閥問題はそれ以外にも佐高の言論活動に大きな影響を及ぼしていて「佐高は日経の社長は批判出来るが、産経の社長は批判出来ない」とかつてよく言われていたが、これは当時の産経新聞社長・住田良能が同じ慶応出身だったからである。この住田社長というのはそれでなくても右翼だった産経新聞をさらに極右紙に変えた立役者と言われており、新しい歴史教科書をつくる会の連載を始めたのも住田であった。そんなのとベタベタの関係? やっぱ佐高って駄目だよ。ケジメがなさすぎる。

大体、佐高は弁護士の内田雅敏ともベタベタの関係で、内田が悪名高い「花岡・西松和解」で強制連行被害者を騙した時もそれに好意的だったのだから。おまけに内田が当時の西松建設社長や最高裁判事と実は裏で内通していたという事実を後に堂々と誇らしげに公言しており、佐高には強制連行の歴史やその被害者に対して悪びれる様子がカケラもなかった。もっとも内田雅敏弁護士が被告企業や裁判所と内通していたという事実自体は腹立たしくも重要な証言であり、佐高がこのように「口を滑らせた」事にはある意味で感謝すべきかもしれないが。

このように、かつて噂の真相誌上アンケートで人気ナンバーワン執筆者に選ばれた事もある「反権力評論家」の醜悪で無様な晩年とその実態を見ていると本当に不快感しかないのだが、その中でも特に筆者が腹立たしく思うのが、アフガニスタンの中村哲を引き合いに出して「軍隊は有害無益」とかなんとか言う事だ。佐高はあの高世仁と一緒に「中村哲という希望~日本国憲法を執行した男」なんちゅう本まで出していたのだから。言うまでもなくこの高世は有名な反北朝鮮ジャーナリスト(デマゴーグ)であり、北朝鮮報道で垂れ流してきたデタラメは数知れない。ちなみに佐高はこれ以外に辺見庸とも近しい関係であり、辺見もまたバリバリの反北朝鮮・反中国・反ロシア派である。類友なのであろうが、佐高の周りには朝鮮共和国・中国・ロシアという「日本の三大仮想敵国」への敵意をみなぎらせた輩がとにかく多い。しかもみんな揃って自称「護憲派・平和主義者・軍拡反対派」なのだから、タチが悪過ぎる。

佐高や高世のような輩が中村哲やアフガニスタンの事を引き合いに出して「軍隊は無責任で国民を守らない」という事ほど、汚らしいやり口はないと思う。2021年8月30日(米軍撤退)以前のアフガニスタンがどういう状態であったのか? 米軍がずっと占領支配していて、住民をテロリストの仲間呼ばわりして殺したり拷問するのは当たり前、首都の傀儡政権は腐敗と汚職の限りを尽くしていた。アフガニスタンをあんなにしたのはアメリカ帝国主義ではないか。この最大の元凶たる米帝軍隊をどうやったら追い出せるのか? 結局は武力による抵抗運動しかなく、実際にそうなった。あの時アメリカがあわくって逃げ出す無様な姿を世界中の人間が目撃している。かつてベトナムから命からがら逃げ出したのとそっくりなあの光景を。反戦平和運動が当時のアフガニスタンについて言うべきは「米軍は出て行け」「タリバンとアフガン人民の闘争を断固支持する」でなければならなかった。それが「軍隊は有害無益」だって? 何言ってんの、こいつら? 誰に向かってそんな口を利いているの? 仮に米軍に対してだけ「軍隊は有害無益」と言うなら分かる。ところが佐高や高世は相手を特定せず「軍隊は有害無益」と言うばかりである。これは米軍(と傀儡政権)に対してもタリバンやアフガン人民に対しても等しく「軍隊は有害無益」と言っているようにしか聞こえない。米軍に虐殺されてるアフガン人民の側にまで「武装解除」を要求する佐高信や高世仁といった「護憲派」って一体何? こいつらの言う「軍隊は有害無益」なる標語、米帝側もアフガン人民側も等しく批難している訳で、結局はアメリカ帝国主義を応援する結果にしかなってない。それを正当化してごまかす為に「中村哲さんは井戸を掘り、暮らしを立て直して平和を築こうとした」と中村哲の事を都合良く持ち出して正義の味方ヅラする。中村哲を一番冒涜して、自分らに都合良く利用する事しか考えていないのは、佐高や高世らの方ではないのか。
ちなみにキツイ事を言うようだが、中村哲のやり方だけではアフガニスタンを解放する事は出来なかったという事も認識しておかねばならない。中村の活動自体は評価に値するし、本人も現地住民に深い愛情を持って接していたと考えられるが、飽くまで外国の人道支援助っ人である。アフガニスタンという国を解放した最大の力はタリバンとアフガン人民の武装闘争なのだ。つまり中村やペシャワール会の活動というのはどこまで行っても補助的なポジションというか対症療法でしかなく、米軍を追い出さねばアフガンに真の平和と解放は訪れないし、アメリカの占領状態のままでは中村らの活動も最終的には徒労に終わる。中村哲という人を過大評価し過ぎる事は、当のアフガニスタン人民にとって逆効果であろう。佐高や高世らのように抽象的な「軍隊は有害無益」という標語でアフガニスタン人民の反帝民族解放闘争を卑下・否定・黙殺してアメリカ帝国主義の肩を持ち、それをごまかす為に中村哲を都合良く利用するのがどれだけ邪悪で余計なお世話である事か! そして言うまでもなく、「日本国憲法」などアフガニスタンの平和と民族解放と人民生活再建に何の関係もないし、何の役にも立たなかったという事だ! 佐高や高世らが中村哲とペシャワール会の活動を自分らの主義主張に都合良く勝手に引っ張り出し、自分らのシノギにして食い物にする。これは日本のテレビ局がよくやる「日本しゅごい番組」の亜流でしかない。
ちなみにこの「侵略者側の暴力も抵抗運動側の暴力も等しく叩く」という手口を日本でやりだしたパイオニアは、おそらく柳宗悦辺りではないかと思う。柳も3.1独立運動について日本軍警だけでなく、朝鮮人側が自衛・抵抗する為にやむなく振るった暴力も「等しく」批難していた。今の佐高信や高世仁と同じである。柳にせよ佐高にせよ高世にせよ、これはオリエンタリズムそのものだ。

佐高信という絶望~日本国憲法を欧米日帝国主義に奉仕させた男

こういう言い方がぴったりであろう。
抽象的・漠然とした「軍隊は有害無益」なる言葉ほど有害なものはない。世界中を見てみるといい。アフリカはサハラ砂漠以南のサヘル地域では旧宗主国のフランスに対する抵抗運動が激化し、マリ・ニジェール・ブルキナファソといった国々では次々に左派民族主義的な軍人達によるクーデターでフランス軍が追い出された。これらの国々では武力によって民族解放が成し遂げられたのである。これらの国々に対して「軍隊は有害無益」とか言ってみろという話なのだ。もちろんそんな事を現地で言ったら「フランス帝国主義のイヌめ」とばかりに袋叩きにされるだけであろうが。「軍隊は無責任で国民を守らない」どころか、これらの国々では軍隊こそが人民を解放して守ったのだ。佐高や高世のような「日本の護憲派」の最悪な所はまさに「最初から人を殺して侵略・略奪する事を目的とした帝国主義の軍隊・武力」と「侵略者を追い払い、自国・自民族を解放する事を目的とした軍隊・武力」を区別しない所にあろう。結果、帝国主義に利する。
かつて日本帝国主義が侵略した国々、朝鮮半島も中国もベトナムも全て武力によって解放された。それ以外にどんな方法があったというのか。実際に佐高ら日本の護憲派やリベラルは、日帝侵略被害国の武力による解放という史実を徹底して黒歴史扱いする。この点では安倍晋三やつくる会のような右翼勢力と何の違いもない。朝鮮人民革命軍・中国共産党軍・ベトナム解放軍・ソ連赤軍など日帝からアジアを真に解放したこれら勢力を、日本人の多くは右翼左翼問わず徹底して歴史から抹消する事に務めてきた。歴史修正主義・歴史修正作業というのは右翼だけの専売特許ではない。左の側からの歴史修正主義というのも厳然と存在する。この手の連中が「日本を罪しない、罰しない」という、朝鮮民族の側から見て独立運動史上最悪の汚点でしかない3.1独立宣言を「いまこそ学びたい非暴力の精神」とやたらに持ち上げる理由も、こうした背景を考えれば容易に理解出来よう。その行き着く先が憲法9条を帝国主義の補助に捻じ曲げて悪用した、抽象的な「軍隊は有害無益」論だ。佐高ら日本の左派・リベラルがウクライナ事態でロシアの事をボロクソ攻撃するのは、これの典型例である。

ロシアの対ウクライナ特別軍事作戦、あれはウクライナのネオナチ人種主義勢力に虐殺されてきた東部4州の住民を解放する戦争だ。筆者のような一介の朝鮮人の目には、日本軍を撃退して朝鮮半島を解放したソ連赤軍(と抗日パルチザン)と大いに姿がダブる。あるいはベトナム戦争で北ベトナムに援軍を送った朝鮮共和国の「抗米援越」戦争にも。2014年のマイダンクーデター以降のウクライナは完全に欧米帝国主義NATOの傀儡政権であり、ロシア攻撃の為にでっち上げられた現代版満州国そのものであった。サヘル地域はじめとするアフリカはもちろん、西アジア(いわゆる中東)や南米など欧米帝国主義の侵略被害に遭ってきた国の人々はそうした本質を見抜いており、故にそうしたグローバルサウスの国々はこぞってロシアを支持したのである。ロシアがウクライナネオナチ政権とそのバックの米NATOをコテンパンにやっつけて、グローバルサウス諸国の人民達はどれだけ勇気付けられ感動し、実際に決起した事か。それが今やアメリカ一極覇権の国際秩序そのものをひっくり返したのである。ロシアとプーチンこそ現代における植民地解放に最も寄与したと言って良い。逆に佐高信は欧米日帝国主義に奉仕し、植民地解放妨害に最も協力した日本人の一人ではないか。まさに日帝本国人そのもの!


最後にもう一つ指摘しておきたいのは魯迅についてである。佐高信は自身が魯迅支持者であり、彼から大いに影響を受けた、彼の作品や思想は素晴らしいみたいな事を言うが、こいつどのツラ下げてそんな事を言ってるのかと思う。
魯迅が強く批判した事の一つが二股や機会主義であった。これは「二重観念」という言い方も出来よう。当時魯迅が生きた時代の中国で言えば、外国の文物を学びながら同時に「守旧思想」である孔子を特別に崇拝したりする事だ。あるいは政治革新の当為性を説きながら同時に王政復古を主張したりする。こうした言ってる事やってる事の矛盾というか二律背反、要するにどっちつかずで革命側と朝廷側のどちらが優勢になっても保身だけはしたいという二股・機会主義、こうした「二重観念」を魯迅は最も嫌い、批判した。
佐高信はどうなの? 魯迅を「師」と崇めているはずの佐高の言動は? 

佐高は表向き天皇制に対して批判的な事を言う。が、一方で母校慶応大学の福沢諭吉神格化、すなわち「慶応のミニ天皇制」については批判するどころか極めて従順である。

佐高は表向き原発に対して批判的である。が、一方で原発推進派の寺島実郎といつも仲良く対談したりしている。

佐高はこれまで田原総一郎を何度も批判していた。が、その割には何事もなかったかのように頻繁に田原と仲良く対談したりしている。

佐高は日本の軍拡に反対しているかのようなそぶりをしているが、その一方でロシアとプーチンを徹底して攻撃・悪魔化する言論活動で、結果的に日本の軍拡化を幇助している。「ロシアの脅威」も日本政府の軍拡化の口実なのだが。

佐高は「ガザに停戦を」とか何とか言ってパレスチナの味方のような振りをしている。が、一方でウクライナ加油のウク信でもある。ウクライナとイスラエルはどっちもアメリカの傀儡であるナチズム・ファシズムのジェノサイド国家であり、そのどちらか片方が善でもう片方が悪などというのは論理的にあり得ないのだが。流されやすいんだろうなと思っています

佐高は安倍晋三や日本に対しては「あの戦争(第2次大戦)は負けてよかった」と言うくせに、ゼレンスキーとウクライナ、あるいはバイデンとアメリカに対しては「あの戦争(ウクライナ戦争やイスラエルの蛮行)は負けてよい」とは言わない。絶対に! ウクライナ戦争が太平洋戦争以上に無謀で大義のない戦争なのは明らかだというのに!

かつて新しい歴史教科書をつくる会が関東大震災時の虐殺から朝鮮人をかばった警察署長の事を都合良く取り上げて「日本しゅごい」とばかりに政治利用するのを、佐高は批判した事がある。が、他ならぬ佐高自身が後にアフガニスタンにおける中村哲の活動を都合良く勝手に取り上げ、「日本(国憲法)しゅごい」とばかりに政治利用して飯のタネにしていた。


佐高の言動は「二重観念」だらけである。佐高信は魯迅主義者としても完全に終わっているばかりか、魯迅の名を口にするのもおこがましい。佐高のごとき輩が魯迅を追従する事自体が「二重観念」そのものである。

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