忍者ブログ

白玉老虎 백옥로호 はくぎょくろうこ

ゆさぶり

朝鮮民主主義人民共和国にとって米日韓3国というのはもう「いらない存在」であり、これらと対話して関係改善してみた所で得る物は何もない。
安全保障? すでに朝鮮共和国は核保有国で、しかも米本土を打撃出来る大陸間弾道弾まで完成させた。
経済協力? ロシア・中国さらにはBRICSやグローバルサウスとの経済協力が今後活性化する。朝鮮が受けている経済制裁で最も深刻なのはアメリカによる制裁(国連の制裁もあるが、これは安保理常任理事国にとっては屁のようなもの。ロシアと中国がどれだけ裏で朝鮮と密貿易している事か!)だが、ウクライナ事態によるアメリカの覇権崩壊と世界秩序の逆転でBRICSやグローバルサウスが台頭した事により、これからはほぼ有名無実化していく。
このような状況で朝鮮が無理に日本と関係改善せねばならない理由がどこにあるというのか?

日本(韓国もだが)の政府当局者にとって朝鮮共和国とは旧ソ連東欧の社会主義政権と同じであり、いずれこれらと同様に自ら崩壊して(さもなければ西側陣営が実力行使して潰して)なくなるものであると強く固く信じられている(もちろんそんな「北朝鮮崩壊論」などくだらない希望的観測に過ぎないのだが)。そんな「遠からずなくなる(滅ぼす)予定の国」相手に国交正常化したり植民地支配の賠償なんかしようと日本の当局者が思うはずがない。小泉純一郎と田中均の狙いがまさにそうだったのだが、「北朝鮮との対話・関係改善」などというのは甘言による罠以外の何者でもないのだから。
岸田の「大胆に現状を変える」なるセリフ、これまでの歴代日本首脳の「前提条件なしで首脳会談」といった類のセリフと根本的な違いがあるとはとても思えない。こんなものがなぜショッキングな特大ニュースであるかのように取り上げられるのか?
仮に岸田が平壌まで行って金正恩と首脳会談して、何をやり取りするの? 
核放棄? 朝鮮側が応じる訳ねェだろ。100パーあり得ねェ。
拉致問題? 拉致問題は解決済みというのが朝鮮共和国の公式的立場だが。
国交正常化? 「遠からずなくなる国(と日本の当局者達は思っている)」と国交結んでどうすんの?
制裁解除? これはもっとあり得ねェ。経済制裁とは事実上の宣戦布告というか武力を伴わない戦争。それを解除するというのは日本が「戦争」で負けを認めるって事だぜ。「土下座外交」「売国奴」「亡国奴」の大合唱をマスコミからそこらの右翼まで一斉に騒ぎ立てるであろう。岸田内閣即刻吹っ飛びます。
植民地支配の賠償? これに至ってはもっともっと絶対的にあり得んわ! 「日本は欧米からアジアの植民地を解放した」「日本は植民地時代にいい事をしてやった」これが戦後日本の変わらぬ一貫した「国是」「歴史認識」なのだから。そんな日本が、それも旧植民地の中でも最も軽蔑して見下してきた「北朝鮮」に賠償なんかする訳ねェだろが! 勘違いしてる者が多いが、あの日朝平壌宣言に書かれていたのは日韓協定と同じ「経済協力方式」で、断じて「賠償・補償」ではなかった。その「日韓協定方式」の経済協力すら渋って嫌がり、さんざん約束を破ってきたのが日本だよ。制裁解除とおんなじで、こんな日本という国で賠償であれ経済協力方式であれ「日本が北朝鮮にゼニをやる」ような事をしたら、それこそ岸田の自殺行為になるよ。全マスコミ・全国民を挙げて「日本人を拉致して悪びれもしない国にゼニをやるなんて」「岸田は日本を北朝鮮に売った」「岸田は稀代の売国奴」とかさんざん言われて、内閣総辞職どころか岸田自身の政治生命そのものが終わる。

思い出してごらんよ。金丸訪朝団と朝日三党共同宣言の時ですら、あれだけ金丸信は叩かれたんだぜ。少なくとも「関係改善」「北朝鮮を利する(ように見える)」といった事を日本の政権が出来る訳ない。仮に日本が朝鮮と首脳会談するとしても結局は「小泉方式」すなわち、交渉・対話の結果が「日本こそ一方的被害者で、北朝鮮だけが一方的悪者」というオチに仕向ける以外に、日本側にとって全く選択肢はないのだから。それ以外はあり得ない。ましてや今の朝日関係は金丸訪朝団の時とは比較にならないほど険悪な状態ではないか。
国際情勢についてもあの時とは違う。金丸訪朝団の時は朝鮮共和国を含む東側が衰退して西側が勢いを得た時代で、ソ連とも関係が悪化していた朝鮮がその打開策・代案として日本との関係改善を希望していた。が、ポストウクライナ事態の今は西側が没落して朝鮮共和国を含む第三世界グローバルサウスが日の出の勢いの時代であり、朝鮮が日本とわざわざ関係改善してやる必要性など何もないのだ。

朝日対話など火中の栗どころかピンが外れてどこ行ったか分からない手榴弾のようなもので、こんなヤバ過ぎる事を岸田政権が本気でやれるはずがない。過去の歴代政権が言い古してきた「金正恩委員長と向き合う」という慣用句と化した言葉をいつも通り軽く繰り返しただけの事であろう。朝鮮側にしても日本と真面目に対話したって何の利益もない。それでも今の情勢を考えれば、米日韓同盟にゆさぶりをかける意味はある。先日の能登地震に対する金正恩から日本へのお見舞いのメッセージにせよ今回の金与正談話にせよ、そういう日本への「ちょっかい」と見るのが順当な所ではあるまいか。

小泉訪朝と平壌宣言、それにストックホルム合意。全部朝鮮側が日本側に騙された。この期に及んでまだ朝鮮共和国が日本との関係改善や国交正常化・経済協力なんぞに未練を持っているとしたら、それはとてつもなくバカという結果だけが残る。今回の件は朝鮮が米日韓の足並みを乱す為に行った日本へのちょっかいか、あるいは朝鮮外交が同じ失敗を何度も繰り返すバカであるか、どちらかと読めよう。筆者は前者であると見ているが。

一介の在日朝鮮人として言わせてもらうなら、仮に朝日首脳会談が実現して金正恩と日帝岸田(笑)が対話した所で、我々在日朝鮮人の生活と人権には何のメリットもプラスもない。日本みてェにこんな悪くて汚ェ国が、朝鮮との約束なんか守るはずないんだから。奴ら日帝にとって在日なんぞ虫ケラ以下なのだから。植民地支配の反省・謝罪・補償なんかするはずないんだから。

今一度はっきり明言しておく。
日帝植民地支配の清算というのは、いかなる形であれ朝鮮半島の国家が日本帝国を屈服させるという事である。「正しい理解と心の触れあいに基づいた、新しい友好の関係」「両民族の本来の友好」「日本が正しい道に戻る」為になどあり得ない。他人の国を奪った盗国の賊はただ撃つのみ。
朝鮮半島の統一とは「38度線を鴨緑江・豆満江まで押し上げる(by 沢田廉三)」のではなく、「38度線を朝鮮海峡まで押し下げる」形で実現されなければならない。

拍手[6回]

PR

それって大使の感想ですよね?

何と言うか、つくづく日本では朝鮮半島の事を分かる者がおらんのだな、という事を痛感させられる出来事がまた一つあった。
先日、韓国では駐韓ロシア大使の交代があり、新しく1月4日から赴任してきた人物はゲオルギー・ジノヴィエフ(露Георгий Вениаминович Зиновьев 英Georgy Zinovyev)という。このジノヴィエフ新大使があるロシアメディアの取材に答えて言った発言が一部SNS上で拡散されている。


https://twitter.com/tobimono2/status/1748215196034953321
tobimono2@tobimono2
駐韓ロシア大使「韓国は特別軍事作戦でのロシアの敗北を望んでいない」

駐韓ロシア大使ジノヴィエフ氏は、ソウルで行われたロシアメディアとの会合で、「韓国は西側諸国の多くの悪者達とは異なり、ロシアの敗北を望んでいない。韓国は「非友好的な国の中で最も友好的な国」のひとつだ」という。

午後2:25 • 2024年1月19日



https://twitter.com/ANurikov7/status/1748281034947563780
Hanuman@ANurikov7
韓国は親北中露の前政権の左派勢力が盤石だから。与野党共にほばスラヴァウクライニィ一色の日本とは異なる。
さらに表示
引用
tobimono2@tobimono2•4時間
駐韓ロシア大使「韓国は特別軍事作戦でのロシアの敗北を望んでいない」

駐韓ロシア大使ジノヴィエフ氏は、ソウルで行われたロシアメディアとの会合で、「韓国は西側諸国の多くの悪者達とは異なり、ロシアの敗北を望んでいない。韓国は「非友好的な国の中で最も友好的な国」のひとつだ」という。

午後6:47 • 2024年1月19日



https://twitter.com/miya397156651/status/1748322572780081617
miya@miya397156651
駐韓ロシア大使:
韓国は特別軍事作戦でのロシアの敗北を望んでいない
駐韓ロシア大使ジノヴィエフは、ソウルで行われたロシアメディアとの会合で、韓国は西側諸国の多くの悪者達とは異なりロシアの敗北を望んでいない。
韓国は非友好的な国の中で最も友好的な国のひとつだという。

午後9:32 • 2024年1月19日



これらツイートはジノヴィエフ駐韓大使による「韓国は他の西側諸国と違ってロシアの敗北を望んでいない。韓国は非友好的な国の中で最も友好的な国のひとつ」という発言を特筆大書し、いかに韓国が西側陣営の中で「マシ」な国であるか、日本なんかとは違うんだ、という事を訴えて拡散している。おそらく上記ツイートをした人々(おそらく全員日本人であると考えられる)は今のアメリカを筆頭とする西側NATO陣営に批判的な人達であり、ウクライナ事態の原因と本質(NATOの東進、2014年のマイダンクーデターによるウクライナのナチス化。ドンバスの虐殺など)もちゃんと分かっているのだと思う。同時に日本という国の政治や外交についても批判的であり、その為の批判材料として韓国を持ち上げている。「韓国ではスラヴァウクライニィ一色じゃないんだ」と。日本政治を批判する為に「韓国民主主義はこんなに素晴らしいんだ。韓国の政治はこんなに先進的なんだ」と主張したがる親韓派の例のアレな論法だ。
ここで重大な疑問がある。ウクライナ事態勃発後に韓国がアメリカ様のお言い付けに忠実にしたがって、ロシア制裁に同調したのは厳然たる事実だ。日本もそれをやって非友好国リストに入り、自民党から共産党まで多くの国会議員がロシア出入禁止になったのは既報の通り。この最初の対露制裁が文在寅政権最末期の出来事であり、それから次の尹錫悦政権になってから徐々に制裁品目が増え、昨年(2023年)末12月26日には建設用重機、バッテリー、工作機械、航空機部品など「軍事転用が可能な品目」が原則輸出禁止になるというかなり踏み込んだ制裁内容になった。これにはロシア側も強く反発しており、翌27日には「対応措置を執る。これは必ずしも対称的ではなく、韓国はこれに驚いてはならない(マリア・ザハロワ外務省報道官)」とまで警告している。要するに倍返しするよ、と言っている訳だ。より大きな報復措置をすると。このザハロワ報道官の対韓報復発言とジノヴィエフ駐韓大使の発言はあまりに矛盾するではないか。「本省」の報道官があれだけ勇ましく韓国への報復をまくし立てる一方で、韓国に赴任した大使は「韓国は特別軍事作戦でのロシアの敗北を望んでいない。韓国は非友好的な国の中で最も友好的な国のひとつ」と、やけに温和で友好的だ。これは一体どういう事なのか? 

謎を解く鍵は当のジノヴィエフへのインタビューそのものの中にあった。先述のツイート達が引用していたRIAノーボスチの記事を翻訳サイトDeepLで訳すと以下のようになる。


https://ria.ru/20240119/spetsoperatsiya-1922238495.html
ジノヴィエフ大使:韓国は特別作戦でのロシアの敗北を望んでいない

1月19日、ソウル発-RIAノーボスチ。駐韓ロシア大使のゲオルギー・ジノヴィエフ氏は、ソウルで行われたロシアメディアとの会合で、「韓国は、西側諸国の多くのロシア支持者とは異なり、ロシアが特別作戦で敗北することを望んでいない。

同大使によれば、韓国は「非友好的な国の中で最も友好的な国」のひとつであり、それは現在進行中のウクライナでの特別軍事作戦に関連した立場にも表れているという。

「しかし同時に、西側諸国やアジア地域における我々の論敵と、大韓民国におけるものの見方には大きな違いがある。私の考えでは、大韓民国はロシアが敗北することを望んでおらず、ロシアが不安定化することを望んでおらず、政権交代を切望しておらず、ロシアが西側の傀儡やバナナ共和国になることを切望していない」とジノビエフは考えている

彼によれば、ロシアが朝鮮半島の強力で友好的な隣国であり続けるために、世界の主要国としての地位を維持することは、韓国全体にとって好ましいことである。そしてこれは、韓国とロシア連邦の互いに対する立場を決定する基本的な要因のひとつである、と彼は強調した。

「西側諸国のかつてのパートナーたちとは違って、ここでは、人々は現実の生活との接点を失っておらず、ロシアの敗北は予見できるものではなく、正反対のことが起こるということをよく理解しているからだろう。そして、道徳的にも、政治的にも、経済的にも、このような事態の進展に備える必要があることを理解している」と大使は付け加えた。

韓国はウクライナ危機の中、ロシアに対する主要な国際制裁に加わったが、同時にキエフに殺傷能力のある武器を供給することは不可能であるという公式の立場を堅持し続けている。ソウルはウクライナに対し、医療品や軍事品、地雷除去装置、救急車などの人道支援を行っている。ソウルはまた、来年3億ドルをウクライナに寄付し、さらに2025年から経済開発協力基金(EDCF)を通じて20億ドルの低利政府融資を行うことを約束している。


たかが翻訳ソフトといえども、技術の進歩は速い。かつて機械翻訳といえば意味不明な「宇宙語」になるといってほとんどギャグのように言われており、これをそのまま書籍化して倒産した出版社というのも実際に存在した。それが今では翻訳ソフトもかなりの精度になり、かなりまともに読めるようになったのだから便利なものである。それでも可能な限りはこうした機械翻訳は使いたくない(実際どんなに精度が上がっても、結局人間の翻訳には敵わない)が、何分にもロシア語の心得がない故、今回は多目に見ていただきたい。
さて、上記記事をよくお読みになれば分かるのだが、ジノヴィエフによる一連の「韓国は特別作戦でのロシアの敗北を望んでいない。韓国は非友好的な国の中で最も友好的な国」というのは飽くまでも「私(ジノヴィエフ)の考え」「ジノビエフは考えている」という事、つまりロシア政府外務省の公式見解ではなく、ジノヴィエフの個人的見解を述べたに過ぎないという事だ。つまり「それって大使の感想ですよね?」と。だから外務省本省のザハロワによる報復発言こそがロシア政府の公式見解であり、駐韓大使の個人的感想と食い違っていた訳である。
ここで考えなければならない事がある。「政府公式見解」と「大使の個人的感想」ではどちらが重いか? 言うまでもなく前者に決まっている。ロシア側は韓国側の制裁に怒っていて対抗措置を執るというのが公式見解であり、今の韓露関係を考えるにはこうした緊張関係をまずは前提とせねばならない。いわばジノヴィエフの発言は「新任大使が個人的に赴任国の政府と人民に送るリップサービス」でしかないという事だ。これを根拠にして「韓国は親北中露の前政権の左派勢力が盤石だから。与野党共にほばスラヴァウクライニィ一色の日本とは異なる」などと判断するのが、どれほど的外れでマヌケな事か! 

ロシアが韓国に対して今後行う報復措置については色々なやり方が考えられる。韓国との輸出入に様々な制約を課したり、軍事的示威行為をするといった直接的なやり方もあろうが、それよりも可能性が高いのは敵の敵を支援するという方式ではあるまいか。すなわち朝鮮民主主義人民共和国との関係強化である。先日これについて韓国の李海栄教授の記事を訳して御紹介したが、そこで述べられていたようにシベリア開発での協力やもっと高いレベルでの軍事・安保協力だ。先日朝鮮の崔善姫外相がモスクワを訪問し、近くプーチンの訪朝も決まった。そこで再び金正恩・プーチン首脳会談が行われ、朝露間で新たな安保協力関係が結ばれるのではないかという。すなわち旧ソ連時代のレベル(かそれ以上)にまで再び朝露同盟関係が強化されるのではないかという事だ。その方が韓国にとってははるかに大きなショックとなる。今の朝露関係は西側主流メディア(MSM mainstream media)で言われているような「兵器不足のロシアは惨めにも北朝鮮から砲弾を購入している」などというレベルではない。そもそもNATO加盟国全て合わせた7倍以上の兵器生産能力を持つロシアが外国からわざわざ高い金出して武器を買う必要性がなく、朝露関係は西側で言われているよりもはるかに高度な戦略的関係になっている。
朝鮮共和国も年末の党全員会議の発表にある通り、これまでの南との関係を完全に清算する事になった。次の最高人民会議では南を主敵とする憲法改正も行われるであろう。文在寅前政権は首脳会談までやりながら、北側と合意した事を何一つ守らず、開城工団も金剛山観光も再開せず、結局選挙の支持率アップと自分の実績作りに利用しただけであった。続く今の尹錫悦政権にいたっては「北は主敵」という敵対視政策で、軍事的緊張を高めるばかり。これでどうして対話が出来ると? そもそも韓国に「親北中露の左派勢力」など根本的に存在しないし、文在寅&民主党も親米・親日・反共・反北・ドイツ式吸収統一追及のウヨ勢力でしかない。「親北中露の左派勢力」なんちゅう脳内韓国像を口走っている者は何も分かっていないのだ。今や朝鮮共和国にとって、南やアメリカや日本との関係改善で得られる利よりも、中露ブリックス・グローバルサウス陣営との協調で得られる利の方がはるかに大きい。ストレートに言って、北にとってもう南やアメリカや日本は「いらない存在」なのだ。ウクライナ事態による国際秩序の大逆転は、アメリカの対朝制裁の実効性も事実上無効化させたと言える。

ロシアのゲオルギー・ジノヴィエフという外交官が韓国大使に任命されたというニュースを昨年12月に聞いて、筆者は若干意外な印象を受けた。まずジノヴィエフという人は、これまでの韓国による対露制裁やウクライナへの兵器迂回輸出について非常に厳しい事を言っていたからである。例えば

「アメリカが主導するロシア産原油価格上限制に韓国が同調したら、深刻な否定的結果に直面する事になるだろう。また、朝鮮共和国が要求した場合、原油と石油製品供給を再開する準備が出来ている」
2022年9月8日スプートニクのインタビュー

「韓国はウクライナを支援する西側路線に合流した。これは韓国とロシアの関係に否定的な影響を及ぼす」
「韓国がウクライナに直間接的に兵器や軍事装備を供給する無謀な決定を下さないよう、鋭意注意している」
2023年9月11日タス通信のインタビュー

といったように。
さらに言うと、ジノヴィエフはこのような「対韓強硬派」である一方で朝鮮共和国とのパイプが太い「親朝派・知朝派」としても知られる。朝鮮共和国の在外公館では金日成主席や金正日国防委員長の誕生日に様々な行事やパーティを行うのだが、駐露朝鮮大使館でそうした行事が行われるとジノヴィエフはほぼ毎年そこへ出席して演説や祝辞を述べていたという。そうした人物が南の大使に任命されたという事の意味をもっと良く考えるべきであろう。ジノヴィエフの「韓国は他の西側諸国と違ってロシアの敗北を望んでいない。韓国は非友好的な国の中で最も友好的な国のひとつ」というリップサービスを鬼の首取ったように拡散して喜んでいた日本人達は、果たして上記のようなジノヴィエフの履歴や外交官としての活動をどれだけ知っていたのか。ジノヴィエフのようなかなりの知朝派をわざわざ南への大使として送ったという事自体が、ロシア外交の深謀遠慮を示す出来事であろう。

日本政府に批判的な日本人が「日本と違って韓国だけは…韓国だけは違うはず…」という希望的感情を持つのもある意味で理解出来なくもない。この手の人達は依然としてかつての民主化運動に対する幻想というかドリームに取り付かれているのであろう。おまけに日本の自公連立政権があまりに酷いものの、自分達ではそれをどうする事も出来ない。そこで韓国という「隣の芝生」が青く見えてしまい、韓国民主主義は凄いんだ、韓国は日本と違ってロシアとの関係も悪くないんだ、スラヴァウクライニィ一色なんかじゃないんだ、という妄想にひたってしまう。現実の韓国による対露制裁はもちろん、ウクライナへの兵器迂回輸出がどんなもので、それがどれだけ現実にロシアを怒らせているか、そういう事を何も知らずに…。はっきり言ってこれは誇大妄想であり、精神的勝利法(by 魯迅)でしかない。
現実の韓国という国は日本と同じかそれ以上の「スラヴァウクライニィ一色」そのものであった。尹錫悦政権与党である国民の力はもちろん第一野党の民主党まで全てウクライナ支持一色である。これは現政権に始まった事ではなく文在寅前政権からの事だ。文在寅前政権の末期に対ウクライナ特別軍事作戦が始まっており、文在寅はすぐにアメリカと足並みを揃えて対露制裁に同調し、自分自身のSNSでもゼレンスキーに応援メッセージを送っている韓国国会でもゼレンスキーの画像演説が流されたが、それを推進したのは当時文在寅政権の与党である民主党であった。これが日本の親韓派が主張する「親北中露の前政権の左派勢力」とやらの実態である。
マスコミも保守派の朝鮮日報から進歩派のハンギョレまで「ウクライナ加油・暴露膺懲」一色で、ウクライナの味方をしない奴は人にあらずのような雰囲気が今に至るまで続いて来た。ウクライナ事態の正しい歴史的経過を述べる学者や論客なんて、この間大手メディアではほぼ100パー完全に排除されてきたのだから。日本でもそうだったが、これで一般人大衆がどうして事の真相に気付けるというのか。
市民運動・社会運動のいわゆる「市民社会」はもっと酷い。参与連帯、民主社会の為の弁護士会(民弁)、民主労総、緑色連合といった日本でも多少は知られている市民運動体含めて、向こうの「市民社会」はほぼ100パー「スラヴァウクライニィ」である。こうした連中が在韓ウクライナ人のネオナチと一緒になってロシア大使館へ抗議デモを行って来た。日本でも共産党がウクライナ国旗やウクライナの三叉槍紋章(ウクライナナチスのシンボルである!)を掲げてロシアへの抗議デモやっていたが、それと全く同じである。
こういう実情を日本人は何も知らない。ウクライナ事態の歴史的経過を知っているはずの者でさえ、韓国ではウクライナ問題がどのように受け止められているか、という事を全く知らないのだ。実際には韓国も日本と全く同じで、官民上げて挙国一致で「ウクライナ加油・暴露膺懲」「スラヴァウクライニィ」一色だというのに…。

日本において朝鮮半島の事を論じるのがいかに難しい事か。それが出来る「有資格者」がいないか。今回の一件はそれを端的に示す出来事と言える。この間、香港やベネズエラやミャンマーのカラー革命暴動、それにウクライナ事態やパレスチナの事態について、西側主流メディアに惑わされる事なく事の真相を知って拡散してきたような個人や零細代案メディア達も、朝鮮半島の問題となると途端に無知蒙昧になって的外れな事ばかりしゃべっていた(遺憾ながらアジア記者クラブなんか典型的だった)。香港事態やウクライナ事態の真相が分かる人でも、朝鮮半島の事は分からない。

まあでもしょうがないよね。知識がないんだから。朝鮮半島近現代史に関する知識がほぼゼロか、とんでもなく古い本や資料のデータしか知らない。じゃあその不足した知見を補う為には何をどうやって調べりゃいいのか、という事からして分かってないんだから。はっきり言って今の日本人の朝鮮半島に対する知識見識というのは、それが北側に対するものであれ南側に対するものであれ、現実から40年か50年くらい遅れてるよ。中国に対しても現実の大発展した姿を知らず、昔の人民服に自転車で通勤してたイメージを抱いてる日本人が多いが、それに近い。
朝鮮半島についてまともな知識がほとんど何もないのに(善意であれ悪意であれ)口を挟みたがる人に対して、筆者は次の一言を言っておきたい。
「知らんねやったら黙っとけや!」
と。
嫌韓派のヘイト発言はもちろん論外としても、親韓派が善意で的外れな発言をするのも迷惑という点では変わりない。「韓国は長い間の民主化闘争で民主化を勝ち取った。だから日本とは違うはず」みたいなイメージで韓国を美化する事こそ、情勢を読み誤る第一歩である。どんなに「韓国民主主義」に幻想を抱こうとも、しょせん韓国は日本と「同じ陣営」というのが現実なのだから。反共・ファシズム・ナチズム・帝国主義・新自由主義のアメリカブロック西側陣営のケツっぺたに、日本と一緒にぶらさがって悪事に加担している東アジアの惨めな小国に過ぎない。韓国と日本が「仲良くしようぜ」すればするほど韓米日軍事協力体制は強化され、アジアの平和は破壊される。

善意か悪意かに関係なく、朝鮮半島について間違った情報を流される事は我々在日朝鮮人にとって迷惑千万だ。分からなければ余計な口を挟まずに黙っていればよい。「無知の知」「沈黙は金」は決して恥ではない。朝鮮半島について知ってる事よりも知らぬ事が多いならば、「無知の知」「沈黙は金」を通していただきたい。

残念にも…皆さんあまりにも朝鮮半島の歴史とそれを取り巻く情勢への理解が浅い。だからわたくし忠告するのです。

拍手[7回]

エセ韓国専門家の見分け方

「韓国は反日国家だ」
「韓国は約束を守らぬ国」
いわゆる嫌韓派がよく使う言い草だ。元駐韓日本大使だった武藤正敏辺りがこういう事を頻繁に言う。もちろんこうした言い草は全部嘘であり、韓国ほど酷い親日国家はアジアでも他に例がないし、植民地支配責任一切無答責の日韓協定を依然として律儀に守り続ける実に「義理堅い」国家だ。日韓慰安婦合意だって結局そのまま存置されている。かつての宗主国様にこれほど忖度する卑屈な奴隷根性国家がどこにあろうか! 現実の韓国若年層には歴史を知らない・学ばないバカが日本と同じくらい大量に育っていて、そいつらは日本のアニメや漫画やゲームや映画に熱狂している(と同時にこいつらは決まって「独裁国家の北や中国やロシアを許すな。アメリカばんざい!」と絶叫する)。韓国の大手新聞は右の朝鮮日報から左のハンギョレまで全て「平和主義者で、安倍をはじめとする日本のタカ派勢力を牽制して下さっている明仁ヘーカ万々歳」みたいに主張しており、南朝鮮はまだ日本の植民地同然なのだなと唖然とさせられる有様だ。
こうした嘘を流して差別を煽る武藤正敏らこの手の嫌韓右翼というのはデマゴーグであり、韓国の専門家でも何でもない事がお分かりいただけよう。
こういうのが「右の自称韓国専門家」だ。右派の「韓国専門家」というのは100%エセばかりと見て差し支えない。

では、「左」の方はどうなのだ? 民族差別に反対する(という事になっている)親韓派の左派・リベラルは韓国について広い知識・学識を持ち、素晴らしい見識を持っている…などという事は全くない。こちらも全くもって壊滅状態だ。簡単な見分け方がある。以下のような事を言っている奴がいたら、そいつは何も知らないバカか、あるいは知ってて嘘ついてるペテン師だ。

「韓国の国民は血を流して戦い、民主主義を勝ち取った」
「韓国は素晴らしい民主主義国家。今や日本よりも政治が成熟している」
「韓国は今や経済でも日本の先を行っている」
「日本も韓国もアメリカの属国だ。しかしそれでも韓国はアメリカから自立しようとしている」
「韓国市民達は朴槿恵の悪事を許さず、100万人キャンドルデモで朴政権を倒し、南北融和をリードする文在寅政権を誕生させた」
「こうした革命的な韓国民主主義の底力を嫌韓派日本人といえども学ぶべき」

文在寅政権はコロナの時期に軍事費を削減して民生に充てた

…全部ウソ! こうした言い草を日本の左派・リベラルの親韓派は好むが、これらほど韓国の歴史と現実からかけ離れた大嘘はないであろう。韓国は世間一般に言われてるほど民主的な国では全くない。西側諸国では珍しくもない、腐った資本主義国家の一つというだけだ。今の韓国というのはアメリカやイギリスと同じ保守二大政党体制であり、結局大資本の代理人どもしか選択肢がなく、それを西欧型自由選挙で選ばされる事を「民主主義」とは笑止である。しかも依然として国家保安法という日帝敗戦前の「治安維持法」が生きており、マルクス・レーニン主義政党は今でも違法だ。大分右傾化したとはいえ、共産党が合法である日本の方がまだナンボか「民主的」とすら言えよう。韓国は貿易で食ってる国だが、もう何年も前から貿易が不振で大変な状態である。そこへ尹錫悦政権が登場し、最大の貿易相手である中国に敵視政策をやってさらに赤字を激増させた。「新時代のアジア経済は韓国が先頭を走る」などという事は、現状のままでは絶対にあり得ない。それも全て「何でもアメリカいいなり政策」が生んだ喜劇である。韓国はもう何年も何代も前から対米従属が酷くなる一方であった。韓国がアメリカから自立しようとしてるとか、一体どこの平行世界の話なのか。文在寅のどこらへんが「南北融和」というのか? 首脳会談も結局は国内の支持率の為にやったパフォーマンス以上のものではなく、北側と合意した事を何一つ実行しなかった。朝鮮共和国と金正恩は完全に騙され振り回されたのであり、それが連絡事務所の爆破や昨年末の党中央委員会第8期第9次全員会議の発表(この発表には歴史的に重要な内容が多く含まれているのだが、今ひとつ日本ではそれが認識されていない。これについても後日別の記事で論じたい)へとつながったのである。最終的には朴槿恵すら赦免したではないか。文在寅政権ほどそれまで軍事費を増やした政権はなく、李明博や朴槿恵よりも軍事費増加率が凄まじかった。「文在寅政権が軍事費を削減して民生に充てた」などという事実は全くない。それを尹錫悦がさらに激増させて現在に至っている。

上記のような主に左派・リベラル系の親韓派が言ってる事もまた、現実と全く違うデマである。したがって、こうした主張をする者もまたデマゴーグであるか、単なる物知らずだ。左の側にもエセ韓国専門家は山のようにいる。

このようにインチキな「韓国専門家」というのは右派にも左派にもゴマンといるのが日本の現実だ。要するに日本には韓国の専門家というのは事実上存在しない。というか、日本人は韓国という国の実情に誰も興味がなく、調べもしないという事なのだ。韓国の事なんて調べる労力も惜しい、自分の想念の産物である「脳内韓国」で十分だと。
・右派の脳内韓国
「韓国は許し難い反日国家」
・左派の脳内韓国
「韓国は素晴らしい民主主義国家」
どちらも凄まじい妄想の極致だ。
まあ、こういう事を言ってる連中はみなニセモノであり、それを心得ていればエセ韓国専門家(右派左派問わず)は簡単に見分けられるという事、心のどこか片隅にでも留めておいていただければと思う。

ここで一つ疑問が湧く。北側についてはどうなのだ? 「北朝鮮専門家」と称する連中はどうなのか? これもまた酷い惨状なのは言うまでもない。そして南側の専門家と称する連中と同様に、そのニセモノを見分ける方法も存在する。それも大変簡単な方法が! だがそれらの話はまたこの次に…。

拍手[6回]

死ぬのが遅過ぎた 너무 늦게 죽었다 中編

徐京植のアメリカ大統領に対する認識がこのように酷かった一方で、韓国の大統領についてはどうだったのか。それが最も良く表れたのが2017年の文在寅当選であろう。この時も凄絶な事言ってたからね。


文在寅が大統領に当選した頃、徐京植は
これで南北の緊張が緩和される。文在寅と共に民主党が政権を取った韓国だけが唯一の希望だ。その成果は全世界レベルの普遍性を持っている」って感じで
喜んでいました。
バイデンやジョンソン並みに、なんてバカなんだろうなって思いました。


文在寅は選挙の時に
自分はアメリカから最も信頼される大統領になる。自分は金正恩に最も恐れられる大統領になる
と訴えて大統領に当選しました。
この発言を見ただけで文在寅がとんでもないアメポチであり、北南関係を改善するつもりが1ミリもない上に、金正恩と朝鮮共和国を心底軽蔑して馬鹿にしている事が分かる訳です。
文在寅に北南関係改善だとか朝鮮半島の平和だとか絶対に達成出来ない事、小学生でも分かります(実際にそうなった)。でもそれを徐京植という人は理解出来ませんでした。
徐京植ってなんてアホウなんだろうなって思いました。


同時にドイツの戦後処理についても徐京植は
ドイツはナチズムと断絶した。戦犯を自発的に処罰し、被害者に謝罪・補償した」って感じで
大絶賛してました。
でも現実の戦後ドイツ(ここでは西ドイツ及びそれが東ドイツを吸収統一した現在の統一ドイツを指す)は敗戦後から今に至るまでネオナチや極右勢力が生き残り、それらが軍や警察にもすごく根を張ってる訳です。ナチスの諜報機関高官ロケット開発の科学者はアメリカにスカウトされて生き残りましたし、「補償」と言われているものだって日韓協定の経済協力方式みたいなものでした。だからドイツ統一なんていうのは
「ナチスが生き残った西ドイツが、ナチスを清算した東ドイツを吸収した」
ものであり
「ネオナチ・極右勢力にとっては祝福」
「ヒットラーの亡霊の復活」
以外の何者でもなかったです。
ウクライナ事態が起こった後、ドイツではロシアの文化財を焚書するというナチス時代そのままの事まで起こりました。
有名なヴァイツゼッカーの演説もドイツ国家とドイツ人の責任や謝罪を明確に認めておらず、「明仁ヘーカのありがたいお言葉」並みに曖昧でのらりくらり無責任な内容です。
ドイツ統一の日に西ドイツ各地の大学ではネオナチのスキンヘッド集団が外国人留学生を襲撃に来る危険があった事から、それらを防ぐバリケードを築くなど厳戒態勢でした。
国連で反ナチスの決議案が出ると、ドイツ(含む旧枢軸国)は2022年以降これに反対するようになりました。ナチズムに反対するな、と。ウクライナ事態以後、ドイツのナチス回帰は誰の目にも明らかなほど露骨になりました。つまり徐京植が生きていた頃からです。
結局ドイツ(旧東ドイツ除く)は全然ナチズムと断絶なんかしてない訳です。でも徐京植という人はそうした歴史を何も知りませんでした。
徐京植ってなんてムジレンイ(무지랭이 朝鮮語で「無知で愚かな奴」の意)なんだろうなって思いました。


徐京植は文在寅に対して
12.28合意(日韓慰安婦合意)をそのまま進めるのは良くない」って感じで注文を付けました。
でも文在寅は慰安婦合意を破棄するどころか公約に掲げた「再交渉」すらせずにほったらかして存置させた訳です。要するに「そのまま進め」た訳です。でもその事について後で文在寅に苦言を呈するような事は一切ありませんでした。
徐京植ってなんて権力者(文在寅)に甘くて、弱者(日本軍性奴隷被害者)にキツイんだろうなって思いました。


徐京植は文在寅&民主党政権の誕生について
韓国人は激しく闘い素晴らしいものを成し遂げた」って感じで
喜んでいました。
ゼレンスキーやネタニヤフ並みに、なんてバカなんだろうなって思いました。


文在寅の属する韓国の民主党って元々は日帝時代の親日財閥当主が作った政党です。左派でも進歩派でも民族主義でもありません。ただの右翼・反共・親米政党です。思想的根幹の部分では今の韓国の与党である「国民の力」とその前身である李承晩の自由党と基本的に同じです。そして民主党は非常に機会主義的で漁夫の利を狙うのが大好きです。朴槿恵政権が退陣するきっかけになったいわゆる「100万人キャンドルデモ」の時もそうでしたし、李承晩政権が退陣するきっかけになった「4.19」の時もそうでした。
1960年4月19日に李承晩の不正選挙に抗議して大規模なデモが起こりましたが、当時尹潽善(旧派)と張勉(新派)をリーダーとする民主党の政治家達は4.19とその少し前から発生していた抗議デモにほとんど参加もせず(個人の資格で2・3人が参加した程度)、洟も引っ掛けませんでした。ところが4.19デモに警官隊が発砲して死者が出て、怒った民衆によってさらにデモが全国へ拡大した事で情勢が変わり、李承晩政権も時間の問題と言われるようになるや、彼らは急に手の平を返してデモに出て来るようになります。それもまるで自分達こそ反李承晩の旗頭で真の愛国者みてェなツラをしてです。そうして彼ら尹潽善&張勉の民主党はほとんど何の苦労もせずに「漁夫の利」「棚ボタ」で、李承晩退陣後に政権を取りました。
朴槿恵が退陣するきっかけになったのは2016年10月29日に始まった一連の100万人キャンドルデモだと言われていますが、その数ヶ月前から朴槿恵政権に抗議する農民や労働者のデモはずっと続いていました。朴槿恵政権はそうしたデモに対して警官隊を動員して武力鎮圧を繰り返してきた訳です。そして文在寅はじめとする民主党は、またしても4.19の時と同じようにそうした農民・労働者のデモに誰一人参加もせず、応援のメッセージ一つ贈らず相手にしませんでした。ところが警官隊の暴力でデモに参加してた農民に死者が出て、追い打ち掛けるように崔順実事件が起こって朴槿恵の酷ェ汚職が露見した事で情勢が変わり、朴槿恵政権も時間の問題と言われるようになるや、彼らは急に手の平を返してその後の100万人デモに出て来るようになります。それもまるで自分達こそ反朴槿恵の旗頭で真の愛国者みてェなツラをしてです。そうして彼ら文在寅の民主党はほとんど何の苦労もせずに「漁夫の利」「棚ボタ」で、朴槿恵退陣後に政権を取りました。
文在寅政権(昔の張勉政権もだが)の誕生って、別に市民革命でも「素晴らしいものを成し遂げた」訳でも何でもありません。民衆が血を流して戦った成果を文在寅と民主党が漁夫の利で横取りしただけです。だからこんな政権が貧しい持たざる人民の為の社会変革なんて出来るはずない訳です。北南関係改善も予想通り失敗して余計に酷くなりましたし、非正規職の改善も進まなければ、軍事費ばかり激増して民生を圧迫しました。それでいてコロナの時期にはあの猛毒ワクチン接種ばかり増やした訳です。あの「キャンドル革命」の経過をちゃんと分かっていれば、文在寅民主党政権の行く末がどうなるか誰でも十分予想出来る展開です。でも徐京植はそういう事を何も知らずに「韓国の未来はバラ色」って感じで喜んでました。
徐京植ってなんてマヌケなんだろうなって思いました。


…とまあこんな感じで、文在寅が大統領に当選してその後の徐京植の酷さも御覧の通りである。元より文在寅なんてのは昔からとことん冷戦思考な右翼反共主義者であり、もちろん北の事も大嫌いだというのは、韓国の政治をある程度研究した者であれば周知の事実であった。韓国ではこういうバリバリの右翼というのが、旧独裁政権側だけでなく民主派の方にも山のようにいる。知らない人が聞いたら驚くかもしれないが。だから文在寅のような右翼弁護士が若い頃民主化運動に関わり、国家保安法に反対していたというのも韓国では「良くある話」ではあった。もちろん文在寅は後に大統領という大権が射程距離に入るや、それまでの「国家保安法反対」という主張をあっさり投げ捨ててしまったのだが。この辺の話を知らずに、大統領になった後も文在寅が国家保安法に反対しているかのようなデタラメを吹聴する物知らずが日本にも大量にいて(代表例がかつて反原発運動家だった広瀬隆)、筆者はずいぶんと呆れたものである。
徐京植はそんな文在寅を一貫して美化礼賛し続けてきた。それも
「韓国の成果は全世界に普遍性を持つ」
「文在寅政権の南北対話への意志は希望的」
「本当によかった。一筋の希望の光」
とかまさに歯の浮くようなおべんちゃらだ。ああ、気持ちが悪い! 昔李承晩の周囲には胡麻スリ茶坊主が山のようにいて、李承晩が屁をこいた際に「閣下、気分爽快でありましょう」と言った李益興、李承晩から「下問」されると涙を流して感激しちゃったという「落涙長官」申性模なんかが代表格だった。徐京植の文在寅に対するおべんちゃらも全く同じ! 文在寅と民主党の本性を知りもせずに、ああいう事を言っていた徐京植はもはや犯罪的ですらある。文在寅に対する徐京植の態度も終始一貫して無知と情報弱者ぶりに包まれていた。
ひょっとしたら徐京植は文在寅に取り入って、いい「ピョスル(벼슬 朝鮮語で官職やポストの意)」が欲しかったのかもしれない。文在寅が当選したあの当時、そういうスケベ心丸出しで文在寅の事を褒めちぎった韓国の「進歩派」知識人やジャーナリストも相当な数に上った。もちろん当時文在寅に論功行賞でいいポストがもらえた御用学者や御用記者は何人かいた(代表例が法学者の曺国やハンギョレ幹部の呉泰奎)が、それは当人と昔からかなり深いコネのある連中ばかりで、そうでないぽっと出の連中はほぼ100パー洟も引っ掛けられなかったのである。徐京植も無駄な事をしたものだ。
こうした文在寅に対する徐京植のおべんちゃらは惨めとしかいいようのないもので、乞食一歩手前の浅ましさすら感じさせる。それも全て当人の無知蒙昧と情弱に起因するものであった。だがこの徐京植の「無知と情弱」が結局は本人の寿命を縮める事になったのかもしれない。その点は可哀そうと言えば可哀そうではあるが。

(続く)

拍手[8回]

死ぬのが遅過ぎた 너무 늦게 죽었다 前編

※2023年12月25日 記事の続きを追記しました。が、結構長くなってしまったので、複数回に分けて掲載する事にします。


あの男が死んだ。徐京植。
で、その徐京植の訃報に接した筆者が真っ先に思った事を表現したのが以下の図になります。



だってそうじゃない? はともかくとして、この人の晩年の諸発言酷すぎたじゃないの。最晩年における徐京植の事を簡単に言い表すと「アメポチ(アメリカのイヌ)」と「情弱(情報弱者)」の二つに尽きる。前者について言えば、共和党ではなく民主党寄りのね。後者については後で解説するが、最晩年の徐京植というのは本当に呆れるほどの情弱オヤジだった。まあだからこそ、今や韓国を代表する親米メディア(それもやはり民主党寄り)であるハンギョレで連載してたんだろうけど。もし徐京植がアメリカ帝国主義(共和党も民主党も関係なく)の事を激烈に批判するような事を書いてしまったら? あるいはアメリカと対立するいわゆる「反米国家(朝鮮共和国、中国、ロシア、ベラルーシ、キューバ、ベネズエラ、イランなど)」達の肩を持つような事を書いてしまったら? その時はハンギョレ編集部から冷酷に次の一言を言い渡されるであろう。
You、明日から書かなくていいよ」
と。

本当の事を言うと徐京植の言ってる事が変になったのはかなり前からで、20世紀入ってから日帝の戦争責任・植民地支配責任や在日朝鮮人の民族問題について1990年代とは違ってかなり腰砕けな事を言うようになる。ただ、当時はそれでもまだ「最低限のライン」は守っていたようで、朴裕河の事なんかもちゃんと批判するだけの見識は一応あった。それが決定的におかしくなったのは、筆者の見た範囲で言うと特に2011年の東日本大震災&福島原発事故(つまり3.11)の後からボケた事を言う率が目に見えて高くなったと思う。変な宗教に凝ったり学生達の抵抗運動に水をさすような事を言い始めた、晩年の金芝河を連想させる。それがさらに堕ちるとこまで堕ちたのが2010年代後半、具体的に言うと2016年にアメリカでトランプが、2017年に韓国で文在寅がそれぞれ大統領に当選した辺りではあるまいか。その後は誰もが知る香港のカラー革命暴動、ミャンマーの政変、そしてウクライナ事態といった世界史屈指の大事件が相次ぐ中で、徐京植もどんどんどんどんアメポチぶりと情弱ぶりを悪化させて、どーしよーもねェ世迷言を連発するようになった。

まず徐京植の「民主党系アメポチ」ぶりを如実に現す例なのが、2016年と2020年の米大統領選挙の時であったろう。この人この時から「民主党の大統領はオッケーだけど、共和党の大統領は絶対嫌」というスタンスを露骨に見せていた。アメリカなんて共和党と民主党のどっちが政権握っても侵略戦争・新自由主義・ウォール街の不正ばっかりで、駄目に決まってんだろ…。何でそんな三尺童子でも分かるような事を、いい年齢のジジイが分かんないのかね? 

https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/26595.html
[寄稿]悪夢の時代
登録:2017-02-22 17:29 修正:2017-04-21 07:09

パブロピカソの「ゲルニカ」=の資料写真//ハンギョレ新聞社

 昨年から何回かにわたって、私はこの欄で、トランプ大統領誕生という「悪夢」の予兆を語った。それが今では「予兆」ではなく、現実になってしまった。日頃、何ごとにつけ悲観的に見る傾向の強い私だが、昨年11月の米大統領選開票まで、「まさか」「いくら何でも」という感覚を捨てきれなかった。人種差別主義者が、その本性を隠してではなく、もっとも下品な言葉で、露骨に本性をあらわしていたのである。それがマイナスになるどころか、むしろプラスとなって支持が集まった。「まさか」と思っていた私は、自らの「理性」や「常識」に裏切られた形である。


徐京植がトランプを嫌う事、親の仇のごとし。でもさあ…。トランプ以前の米大統領(及びその候補)に人種差別とか下品とか、そんな奴ナンボでもいたろ? ブッシュ親子(共和党)は? 下半身スキャンダルまみれの旦那の方のクリントン(民主党)は? そのカカアで「カダフィの奴をぶち殺したったでえええええッ!」のヒラリーは? それらとトランプにどれほどの差があるとでも? むしろ「人権派」みてェな涼しいツラして、裏で大量虐殺戦争する奴の方がよっぽど酷ェ。そういう点でオバマ(民主党)はトランプなんかよりはるかに酷い鬼畜だったと思うけどね。「黒人大統領オバマ」の時代に、白人の警官に面白半分に射殺される黒人が最も多かったという。徐京植ってそんな事も知らないの? 馬鹿なの? 死ぬの? どんだけ情弱なの?
で、トランプをボロクソこきおろす一方、その政敵バイデンは大絶賛だよ。その後にトランプに取って代わったこのバイデン(民主党)にいたっては公衆の面前でセクハラしまくりで、それも小学生くらいの小さな女の子相手にキスを迫ったり体をベタベタ触りまくったりと、とんでもねェロリコンセクハラエロジジイだった。これって超有名な話じゃねェか。まさにどこに出しても恥ずかしくない立派な民主党系アメポチ! バイデン当選時、徐京植は以下のような事を言っている。


http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/38433.html
[徐京植コラム]米国の「断末魔」は続く
登録:2020-11-27 18:19 修正:2020-11-28 11:38

 先日の米大統領選挙で民主党バイデン候補が現職のトランプ大統領を破ったことは久々に聞く朗報だった。だが、現在もなお、トランプは敗北を認めず、選挙結果を覆そうと悪あがきを続けている。それどころか、残りわずかな任期中に外交内政にわたってさまざまな既成事実を作ろうとしている。しかも、米国民の半数近くが、そんなトランプを支持しているのだ。こんな事態は、一種の悪い冗談として語られることはあったが、いま起きていることは、冗談ではなく現実だ。

 11月19日、イスラエルが占領中のゴラン高原とヨルダン川西岸のユダヤ人入植地をポンペイオ米国務長官が訪問した。ゴラン高原では「ここはイスラエルの土地である」と述べ、エルサレム近郊の入植地では「今後は入植地産の輸出品を『イスラエル産』とみなす」と宣言した。これなどは、駆け込みで既成事実を重ねようとする露骨な企てそのものだ。当然、パレスチナ自治政府とシリア政府は激しく反発している。


凄ェよな。あのバイデンが当選した事が「久々に聞く朗報」なんだってさ! 
…呆れてものが言えんわ。今現在のイスラエルの蛮行とそこに武器送って幇助してるバイデンを見れば、徐京植の言ってる事がどれだけマヌケか良く分かる。トランプも酷かったけど、バイデンのやってる事も決して負けてない。そんなバイデンの当選を「朗報」…。終わってるよ、この人。
イスラエル・パレスチナ問題だけではない。バイデンは件のウクライナにおいてもさんざん悪い事をやってきた。2014年にウクライナでクーデターを起こしてネオナチの天下に変えたのは、まさに当時オバマ政権副大統領だったジョー・バイデン当人ではないか。その後(それ以前も?)バイデン家はウクライナに巨大な利権を確保し、ドラ息子のハンター・バイデンがウクライナのエネルギー会社重役になって利権を貪った事は有名な話だ。あの古森義久(笑)でさえ知ってるような事実を「かつて韓国独裁政権に立ち向かった(という事になっている)」徐京植は知らないというのだから、凄ェよな。しかもハンタードラ息子はそこで変なクスリをやったり、児童買春やったりとメチャクチャである。ウクライナにはアメリカの生物化学兵器研究所がいくつも建てられたが、これもバイデンの大きな利権ではなかったか。ウクライナ問題を語るならこうした事柄は避けて通れない。でもそれらを平然と避けて通ったのが、我らが徐京植元教授である。いや、避けるどころじゃねェ。むしろバイデンを礼賛し、「(ロシアを攻撃・圧迫する為の)NATOの満州国」ことウクライナを無垢で無謬で絶対的な被害者であるかのように歪曲して伝えていた。ウクライナにおけるネオナチの存在や、それらによるロシア系住民虐殺の話も一切出て来ない。徐京植はこれまで度々安倍晋三はじめとする日本極右勢力の歴史修正作業を批判していたが、ここ数年のウクライナの歴史や情勢すら歪曲したあんたがどうして安倍を批判出来るのか? まあ知らなかったのだろうが、だとしたら徐京植は我々の予想をはるかに超えたアホウの情弱という結果だけが残る。どっちにしても駄目だろ。

徐京植のアメポチぶりを象徴するもう一つの事例は、アメリカと対立しているいわゆる「反米国家」をやたらと「非道な暴力」とかなんとか言ってこきおろす事であろう。


http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/39535.html
[徐京植コラム]隠退記―多様性を受け入れる「寛容」と、日本と世界のいま
登録:2021-03-26 11:37 修正:2021-03-27 08:07

ミャンマーの市民に対する軍の暴行場面のニュース映像を見て、反射的に思った。「ああ、これは光州だ」。負傷したデモ隊を救助しようとしていた救急車から、救急隊員3名が軍人たちに引きずり下ろされ、棍棒や銃床で激しく殴打されている場面である。あの救急隊員はどうなったのか、生命は大丈夫だったのか。その後のことはわからない。このような非道な暴力が、ミャンマーのみならず、香港、タイ、ベラルーシ、ロシアなどで日常的に繰り広げられている。暴力が「疫病のように」世界に蔓延している。これは何という時代なのか?


http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/41081.html
[徐京植コラム] 「人生の秋」を迎えている一人の在日同胞として
登録:2021-09-11 06:29 修正:2021-09-11 07:16

4日前の8月31日には、米軍のアフガニスタン撤退という大きな出来事があった。「9・11」からちょうど20年が経ったのだ。この20年間で数十万の人命とともに、実に多くのものが失われた。イラク戦争勃発から(エドワード・サイードの死からも)18年が経った。イラクという国家は「大量破壊兵器を隠している」「アルカイダとつながっている」という、のちに事実無根と判明した嫌疑によって米英連合軍はじめとする有志連合の攻撃を受け、事実上消滅した。その混乱の中から「イスラム国」などの武装組織が台頭し、シリアも破壊され無数の難民が流出した。この無益で暴力的な20年間の後に、今回の米軍アフガニスタン撤退にともなう大混乱によってさらに多くの人命が失われるだろう。

このことの他にも、ベラルーシ、ミャンマー、タイなど、世界各地で民主化を求める市民の平和的運動に対するあからさまな弾圧が続いている


上記記事達で徐京植の言う「ミャンマーのみならず、香港、タイ、ベラルーシ、ロシア」といった国々で近年起こった騒乱というのは、ことごとく欧米の工作によって仕組まれたカラー革命暴動であった。つまり欧米帝国主義が自分の気に入らない政権を転覆する為に、飼っていた現地の子飼いに金や武器を与えて騒がせる。香港なんて暴徒どものリーダー格だった周庭だの黄之鋒だのはみいんなアメリカNEDの操り人形だった。タイもベラルーシもロシアでもそう。ミャンマーのアウンサンスーチーなんてそれこそアメリカとイギリスの傀儡そのものであったし、その党であるNLDなんて李承晩並みの不正選挙をあの時やっていたではないか。さすがにこれは黙っていれなくなって軍側が抗議してもスーチーとNLD側は聞く耳持たず、それで結局軍側は政変を起こすにいたったのである。ミャンマーでは「民政移行後」も国家の危機においては大統領と軍統帥権者である総司令官らで構成される国防安保協議会が非常事態を宣言する事を法律上認められており(2008年憲法)、あれを「違法なクーデター」とみなす事は難しい。徐京植はそんな事も知らずにミャンマーの事をエラソーにああだこうだ言ってるのかと、上記記事を読んだ当時大いに呆れた記憶がある。いや、それどころか徐京植はそれ以前のミャンマーの苦難の歴史(イギリスと日本の植民地時代。植民地支配責任を一切果たさずに、ミャンマーに混乱だけを残して逃げたイギリスの悪どさ。ミャンマーの複雑な民族構成。独立英雄アウンサンの理想とその謎多き暗殺事件。独立後も続いた欧米による制裁と圧力とカラー革命工作。決して「民主主義政党」などではなかったNLDの起源。などなど…)を何も知らないのであろう。まさに情弱ジジイそのもの! 
とにかく徐京植という男は西側主流メディア(ハンギョレなど韓国の進歩派諸メディア含む)に載ってる内容でしか世間を知らない。ものを調べない。これでよく大学の教員が務まったものと驚くが、この人についていた学生達が心底可哀想と思う。昔韓国が独裁政権で度々民衆抗争が起こっていた時代、主流メディアだけで韓国の実情が分かりましたか? あの頃は危険を冒してそうした情報を調べ、拡散したのではなかったか。今の時代だって同じであり、冷戦崩壊後世界を一極支配してきたアメリカと西側に都合の悪い事は、日本や韓国含む西側諸国内ではよほど特別に意識して調べなければ分かりはしない。韓国が独裁時代だった時の事すら徐京植はもう忘れたと見える。情けない。
ベラルーシ含む旧ソ連圏のことについても徐京植は何も知らないに等しい。ベラルーシの事を単純に「民主化を求める市民を弾圧」とか言ってる時点で終わってる。旧ソ連圏の国々で最も民生がうまく行ってる国とその特徴がお分かりであろうか? それは「公共の財産を極力民営化しなかった国」だ。ロシア、ベラルーシ、ウズベキスタンがその代表と言える。天然ガスはじめとする資源を国有で守ってきたロシアは言うまでもなく、ベラルーシとウズベキスタンもほとんどの国有企業を民営化せず、市場も外国に開放しなかった。ついでに言うとロシアは軍需産業も全て国営である。だからこそウクライナ軍事作戦であれだけ大量の兵器を安く生産して、ウクライナと西側を圧倒出来た。ロシアはウクライナ事態後はむしろ経済好況であるし、ベラルーシとウズベキスタンは中産層が厚い。こうした本当の事を知ったら、国内の中産層がほぼ死滅した多くの日本人や韓国人はうらやましがるはずだ。韓国みたいに世界最悪の貧富格差と何でもアメリカ言いなりの国が素晴らしい「民主国家」で、格差が少なくて中産層の厚く自主独立的なベラルーシが「弾圧国家」だと? 意味が分からんわ。逆に民営化や市場開放に走った国はどこも貧富格差が拡大し、カラー革命などの政治工作も浸透して世情不安になる。その最たる国が誰もが知るウクライナであったし、グルジア(ジョージア?)やカザフスタンもそうだ。この事はウクライナ事態を理解する上でも重要なポイントであろう。徐京植はそうした知識を何一つ持ってない。

さらに付け加えると、「カラー革命」などと言うと陰謀論だとか反米をこじらせてるなどと反論する者が多いが、この手法はここ数年で編み出された歴史の浅い代物ではなく、欧米日帝国主義国家達が何100年も前から常用してきた「伝統的手法」だ。侵略先現地人に自分ら(帝国主義側)の言いなりになる傀儡を育てて、そいつに内乱を起こさせたり、国の植民地化にオッケーするハンコを押させたりする。ヨーロッパの白人がアフリカやアメリカ大陸を侵略した時に嫌というほど見られた光景だ。日帝が朝鮮半島を侵略した時も「カラー革命」の手法はフル稼働し、その代表が金玉均ら開化派のクーデターであり、独立協会であり、一進会であった。これらはみな日帝の援助を受けて朝鮮の植民地化に協力したのである。欧米の助けでウクライナの政権を握ったネオナチバンデラ主義者どもに何とそっくりである事か! 「カラー革命」という悪逆な帝国主義の手法は、このように我々朝鮮民族にも大昔から深い因縁を持っている。ミャンマーの出来事を徐京植は「ああ、これは光州だ」などと言っていたが、そうではない。あの「弾圧される自称民主派」は「現代ミャンマー版一進会」だったのである。それに気付かない徐京植の歴史認識の貧困さ、もはや救いがない。

(続く)

拍手[14回]

プロフィール

HN:
李玉堂(리옥당 リ・オッタン)
性別:
非公開

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

P R

フリーエリア