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白玉老虎 백옥로호 はくぎょくろうこ

【翻訳記事】ハン・ソル氏のフェイスブック2024年6月20日付記事より「歴史の変曲点になる朝鮮-ロシア首脳会談、どのような視点で見るべきか」

今回は韓国で首都防衛司令部参謀長と陸軍軍事研究所所長を歴任したハン・ソル(한설)氏が自身のフェイスブック上で6月20日に発表した記事を翻訳して御紹介したい。テーマはもちろん先日のプーチン訪朝と朝露首脳会談である。
このハン・ソル氏という韓国の変わり者の元将校については、別の機会に何度か記事を訳して御紹介した事がある。この人は韓国と旧ソ連が修交した頃であったと思うが、両国の軍事交流でしばらくソ連・ロシアに研修か留学のような形で向こうへ行っていた事があり、その機会にソ連・ロシアの軍事思想や軍事体系といったものを大いに学んだという。韓国の軍事関係者の中でもロシアの軍事に最も精通している人物と言って過言ではない。だからこそ、この人は2022年に勃発したウクライナ事態の本質を鋭く見抜く事が出来たのであろう。
「ウクライナには全く勝ち目はない」
「これはロシアとウクライナの戦争ではなく、ロシアと欧米NATO帝国主義の戦争である」
「ウクライナ事態を契機にアメリカの世界覇権は崩壊する」
「第三世界グローバルサウス諸国はかつてソ連に民族解放戦争で大恩を受けた。故にこれらの国々はロシアを支持する」
「グローバルサウスは資源国の集団であり、これらの台頭によって今後は技術ではなく資源を持った国が強くなる」
上記はウクライナ事態勃発後にハン氏が語った事のおおまかな内容だが、周知のように現実はことごとくそのようになった。もちろんこうした内容は日本や韓国を含む西側主流メディアで垂れ流されてきた報道内容とは180度違う。結果いずれが正しかったかは明白であろう(もちろん氏のこれまでの発言が全て正しかった訳ではない。たまに変な事を言う事もあるので注意が必要だが)。西側主流メディアというのは一体どこの平行世界の話をしてきたのやら。韓国もウクライナ事態でロシアを制裁する側に回り、結果食糧やエネルギーの価格が暴騰して多くの人々が困窮するようになったのは日本と変わらない。
こうした国を挙げて韓国を「ウクライナ加油・暴露膺懲」に向かわせた張本人は前大統領文在寅とその与党民主党政権であった。それを今の尹錫悦政権がそのまま継承・拡大させて今に至っている。韓国という国はアメポチにして西側帝国主義の手先であり、韓国の保守二大政党いずれもそうした点では全く違いがないという事を多くの日本人は知らない(在日にもそういうの多いが)。親韓派・嫌韓派問わずである。日本同様に韓国でもウクライナ事態を客観的・現実主義的に見る事が出来る論者がメディアからことごとくパージされ、それが今の惨状を招いた大きな原因の一つであった。ハンギョレなんて本当に酷かったからね。この間のハンギョレはあたかもウクライナのネオナチと一体化したような有様であった。朴露子なんて輩を何でありがたがる奴が多いのか理解出来ない。朴露子なんてとてもじゃないが、ただのロシア系ユダヤ人ではなかろう。巧妙に偽装したタチの悪いシオニスト(=ナチス)にしか見えないんだが。ハンギョレ新聞の論調はとっくの昔に「韓国を守ってもらう為には駐韓米軍様に「コスト」を支払うのは当然」みたいなレベルまでイっちゃってる(そう、例のあの国際部長だった、今は論説委員の奴だよ!)という事を、もっと多くの人が気付いて良い頃である。もちろん今回のプーチン訪朝と朝露首脳会談にハンギョレは発狂レベルで反発してました。もう極右紙の朝鮮日報と何も違わんよ…。

このように韓国でウクライナ事態について最もまともな事を言っていた論客の一人であるハン・ソル氏だが、今回は朝鮮半島問題に関心のある方なら最もホットな、と言うより激熱なテーマ「プーチン訪朝と朝露首脳会談」に語ってもらおう。まさにこれは世界情勢・東アジア・朝鮮半島大激震の出来事と言って良い。これによって西側の対朝制裁が事実上終わったという事を、筆者も先日述べさせていただいたが、それをより深く掘り下げてくれたのが今回のハン・ソル氏の記事である。今回朝露両国が結んだ事実上の同盟と言うべき「包括的な戦略的同伴者関係に関する条約」によって全く新しい時代が開かれた訳だが、それが朝鮮共和国にとってどれだけ大きな路線変更であったかを歴史的に述べてくれた。昨年末の党全員会議以降朝鮮共和国は南との関係を断絶した事に続き、これまた先代金正日時代以来の大幅な大激変だ。今後NATOとの衝突が予想されるウクライナ戦争との関わりで言えば、核を持った朝鮮共和国がロシアの背後で戦争を抑止する強力な存在になるという事でもある。「北朝鮮がロシアに砲弾提供」などという馬鹿げたデマ話のレベルではない。この「砲弾提供」というフェイクニュースには平壌日記の伊藤孝司氏までもが既成事実化して語ってしまっていた。伊藤氏は朝鮮報道について日本では極めて稀な良識的報道をしてきた方だけに、これはさすがにいただけない。弘法も筆の誤りという事はあろうが、伊藤氏には今後十分注意していただきたいと思う。
筆者は当初、朝露間で何かしらの協定や条約が結ばれてもその内容を公開しない可能性があると思っていたが、ふたを開けてみたら早々に堂々と公開していた。西側に見せ付けてやろうという、そういう強固な意志が垣間見える。それだけの破格な内容であるという事だ。実際の内容は以下労働新聞のサイトを参照していただきたい。


朝鮮民主主義人民共和国とロシア共和国間の包括的な戦略的同伴者関係に関する条約
朝鮮語原文
http://www.kcna.kp/kp/article/q/848b072d48dcc965d89ce5f716e78e71.kcmsf


今回の記事の最後に述べられている
「韓国のマスコミと知識人達が朝鮮をあたかも韓国のように常に「保護される国家」と考えるのは、その間生きてきた過程と経験が世の中をまともに見られないよう妨害しているからである。現在韓国のマスコミと知識人達は被保護国というフィルターをかけた目で朝鮮とロシアの関係を見ているのだ。その為マスコミといわゆる専門家達が客観的な状況判断を出来ないのである」
という結論はまさに日本のいわゆる「自称北朝鮮専門家」にもそのまま当てはまる。この「自称北朝鮮専門家」には日本人も在日もいるのだが、こいつら本当にどーしよーもない。アジアプレスはいうまでもなく、辺真一とかの総連転向者出身なんか本当に馬鹿丸出し。本当にこいつら馬鹿どもはお笑いネタとして見てて飽きんわ。

論より証拠。まずは実際にハン・ソル氏の記事をお読みいただこう。
翻訳は筆者・李玉堂が行った。原文記事URLは以下になる。

https://www.facebook.com/seol.han.1253/posts/pfbid0FD9dFYNweKoU8vPMwToHGJbg4uRJ7UiFbLQ1KPEJ4e5FKq9DLnwRZ11rradqqiXkl


ハン・ソル
24-6-20 歴史の変曲点になる朝鮮-ロシア首脳会談、どのような視点で見るべきか
6月19日はアメリカが覇権を喪失する過程で決定的な日として記録されねばならないだろう。多くの人は朝鮮が中国やロシアと関係を強化し、彼らが同盟水準の国家になるという事を当然な話と考えるかもしれない。しかし冷戦終息後に朝鮮がその間生存の為に努力してきた過程を少しでも振り返ってみれば、朝鮮が完全に路線を変更した事を知る事が出来る。
金正恩の今回の路線は過去の金正日の路線と完全に正反対の道を行くものだという点で変曲点の意味を持っている。金正日は冷戦終結後、朝鮮が活路を求める唯一の方法はアメリカとの関係改善であると判断した。韓国人達はもう覚えてもいないだろうが、1994年アメリカとの核合意当時に朝鮮はアメリカとの関係改善でようやく生きられるだろうと期待した事があった。だがアメリカはジュネーブ核合意を事実上破棄して軽水炉提供を拒否しながら、朝鮮は苦難の道を歩まねばならなかった。
万一アメリカがジュネーブ核合意をそのまま維持していたら、朝鮮の核兵器を当時の水準に留めておきながら、朝鮮をアメリカと近しい国家にする事が出来ただろう。朝鮮が中国やロシアとこうした関係を作り出す事は出来なかっただろう。
ジュネーブ核合意が事実上無為に帰した以後にも、朝鮮はアメリカとの関係改善で自分達の陥った現状を打開するという路線をそのまま維持していた。苦労して築かれた朝米間核合意も2005年バンコ・デルタ・アジア(BDA)事件で霧散した。これまで韓国とアメリカの当局とマスコミ達は朝鮮とアメリカの核合意過程で朝鮮が合意に違反したと主張するが、その前後関係を少しでも確かめてみればむしろアメリカが合意を守らなかった事を知る事が出来る。朝鮮はアメリカとの合意というのが無意味であると認識していた。金正恩がトランプとシンガポール及びハノイ協議を試みたのは、路線変化の為の最後の試みであっただろう。
朝鮮がアメリカとの関係改善を放棄して新しい道をロシアから求める事にしたのは、大きく二つの為だといえる。
第一は、ウクライナ戦争の勃発だ。朝鮮はウクライナ戦争勃発以後、アメリカが国際政治を掌握する力が弱まっているという事を確実に把握したものと見られる。朝鮮はウクライナ戦争以後に国際政治秩序が変化する以外ないという事を認識して、これから国際政治はアメリカの思い通りに動いていくのは難しいだろうと判断したのだ。
第二は、韓国に対する再判断である。朝鮮にとって韓国は二つの意味を持っていると言える。一つはアメリカとの関係改善の為の仲裁者と媒介者としての意味であり、二つ目は同じ民族として朝鮮が立ち上がるのに切実な助けを得られる相手という事だ。
仲裁者と媒介者というのは独自的な活動領域があってこそ可能である。金正恩登場以降、最後にアメリカとの関係改善の為の韓国の役割を期待したが、特に機能を発揮できなかった。それは韓国がアメリカにあまり偏重し過ぎて、まともな仲裁者及び媒介者としての役割が出来なかった為だ。二つ目の朝鮮が韓国から助けを得られるだろうという最小限の期待を引っ込めてしまったのは、文在寅政権が見せてくれた偽善的な態度と、尹錫悦が見せてくれた朝鮮に対する憎悪心に満ちた敵対的態度の為だろう。
諸般の環境的要件が悪化してきているが、朝鮮とロシアがこのように緊密な関係に発展する事になったのは、ロシアが韓国との関係を完全に再検討した為に可能になった事だと言える。万一尹錫悦政権がウクライナ戦争に対して留保的な態度を執っていたら、今のように朝鮮とロシアが同盟水準の関係に発展する事を防げたかもしれない。ロシアとしても韓国と経済的な関係を維持する事で得られる利益を放棄する理由がないからだ。
ロシアもウクライナ戦争以後の状況を考慮しても、韓国と敵対的な関係への転換を推進しなかった可能性が高い。しかしロシアがそうした悩みをしないようにしたのが尹錫悦である。尹錫悦は一方的にロシアを批難して、ポーランドに兵器を輸出し、ウクライナに相当量の大砲砲弾を輸出する事でロシアを刺激した。ロシアはその間韓国に対して大変自制した姿を見せたものの、結果的に韓国との関係で得られる利点を放棄し、朝鮮との関係改善と拡大を試みたのだ。こうして見ると、今回の朝鮮とロシアの同盟関係樹立は尹錫悦の功労だと言える。
アメリカが最小限の戦略的思考をする能力があったなら、今回のように朝鮮とロシアが同盟関係に出られないよう防がねばならなかっただろう。バイデン政権と尹錫悦政権は十分にそうした能力と要件があったにも関わらず、こうした現状を放置した。朝鮮とロシアのこうした関係発展は、韓国にとってはもちろん機会ではなく挑戦である。これから韓国は朝鮮とロシアの関係強化による安保状況悪化に相当な費用を支払わねばならないだろう。
ロシアが朝鮮とこのように関係を発展させていったのは、以前の文でも言ったように、東アジア地域における中国の「弱いつながり」を補強するという意味と共に、今後ウクライナ戦争へ本格的に突入した時に背後をしっかりと補強するという意味も持っていると思う。ロシアはウクライナ戦争を今と違って全面的に遂行する為の事前準備の一環として、自身の弱点になり得る東北アジア地域を補強するという話だ。
朝鮮とロシアが互いに相互保護条約を結んだとしたら、韓国のマスコミと知識人達はロシアが朝鮮に軍事的支援をするものとばかり考える傾向がある。だが韓国とアメリカが朝鮮半島を戦争状況に追いやる事で、ロシアは自身の後方が危険になる状況を防ぐ必要があると判断しているという点も考慮せねばならないだろう。ロシアと朝鮮の軍事関係は韓国とアメリカの軍事関係のように一方的ではない。
今回の朝鮮とロシアの関係強化を非常に単純に整理するならば、朝鮮が安保的保障を提供してロシアが経済的利益を提供するものと把握出来るだろう。韓国のマスコミと知識人達が朝鮮をあたかも韓国のように常に「保護される国家」と考えるのは、その間生きてきた過程と経験が世の中をまともに見られないよう妨害しているからである。現在韓国のマスコミと知識人達は被保護国というフィルターをかけた目で朝鮮とロシアの関係を見ているのだ。その為マスコミといわゆる専門家達が客観的な状況判断を出来ないのである。


(終)

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西側の対朝鮮制裁終わりました

今日明日(2024年6月18・19日)にかけてロシアのプーチン大統領が朝鮮民主主義人民共和国を訪問中だ。当然金正恩国務委員長との首脳会談もある。
今現在日本のマスコミでは取り上げられていないようだが、今回のプーチン訪朝における大きなテーマの一つが「西側による対朝制裁の無力化」にあるのは間違いない。いや、実際にはそれ以外にも重要な案件が山ほどあるのだが、ここではそれにしぼって解説したい。労働新聞6月18日付記事「로씨야와 조선민주주의인민공화국:년대를 이어가는 친선과 협조의 전통 ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:年代を受け継いでいく親善と協調の伝統」というプーチン自身による寄稿文が発表された。以下リンク先参照。


http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?MTVAMjAyNC0wNi0xOC1OMDAyQA==
로씨야와 조선민주주의인민공화국:년대를 이어가는 친선과 협조의 전통
로씨야련방 대통령 웨.뿌찐
2024.6.18. 《로동신문》 1면


一応日本語訳文も朝鮮中央通信のサイトで公表されている(以下リンク先参照)が、こちらはかなりの抄訳となっていていくつかの肝心な内容が入ってなかったりする。

http://www.kcna.kp/jp/article/q/904d568863da758180e721aee779e890.kcmsf
ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:年代をつないでいく友好と協力の伝統

なぜこんな半端な訳文を掲載したのか分からないが、編集側の手抜かりというより意図的な抄訳の可能性もあるのではないか。日本側を馬鹿にして、なるべく知らせないようにという。なので、朝鮮語の出来る方で今回のプーチン寄稿文の内容を正確に把握したい場合は、労働新聞の朝鮮語原文記事を御覧いただきたい。今は機械翻訳の性能も大分良くなったので、朝鮮語の心得のない方でも重要な部分の内容をある程度読み取る事は可能であろう。

ここで注目したいのは、原文記事終わりの方にある以下の記述である


【原文】
로씨야는 어제도 래일도 교활하고 위험하며 침략적인 원쑤와의 대결에서, 자주와 독창성, 발전의 길을 자체로 선택하려는 권리를 지키는 투쟁에서 조선민주주의인민공화국과 영웅적인 조선인민을 지지하였으며 앞으로도 변함없이 지지할것입니다.

또한 우리는 국제관계를 더욱 민주주의적이고 안정적인 관계로 만들기 위하여 밀접하게 협조할 용의가 있습니다.

이를 위하여 우리는 서방의 통제를 받지 않는 무역 및 호상결제체계를 발전시키고 일방적인 비합법적제한조치들을 공동으로 반대해나갈것입니다.

또한 이와 함께 유라시아에서 평등하고 불가분리적인 안전구조를 건설해나갈것입니다.

【訳】
ロシアは、昨日も明日も狡猾で危険で侵略的な敵との対決において、自主と独創性・発展の道を自前で選択しようという権利を守る闘争において、朝鮮民主主義人民共和国と英雄的な朝鮮人民を支持してきたし、これからも変わりなく支持する事でしょう。

また我々は国際関係をより民主主義的で安定的な関係としていく為に、密接に協調する用意があります。

この為に我々は西側の統制を受けない貿易及び相互決済体系を発展させて、一方的な非合法的制限措置達を共同で反対していく事でしょう。

またこれと共にユーラシアにおいて平等で不可分的な安全構造を建設していく事でしょう。


日本や韓国といった西側のマスコミでは今回の訪朝について「朝露、外交的孤立を打開しようと接近。相互依存関係深化」「朝露間の武器移転憂慮」といった論調しか出て来ないのだが、こいつらどんだけ馬鹿で朝鮮半島の事を分かってないんだと言いたくなる。ウクライナ特別軍事作戦でネオナチ西側帝国主義をコテンパンにやっつけて、今やグローバルサウス諸国から最大の英雄みたいに崇められてるプーチンが「外交的孤立」とか物知らずにも程がある。朝鮮共和国の核にしても同様で、アメリカの脅威に晒されてきたアフリカや南米や西アジア(いわゆる中東)の国々からしたら、朝鮮の核はどのように見えるか? 「あっぱれ朝鮮。ザマーミロアメリカ」の一言につきよう。先日アフリカのニジェールでフランス軍が追い出されたが、その時地元民達の反仏デモでは朝鮮やロシアや中国の国旗を掲げていた人がかなりの数であったという。ヨルダン川西岸地域で行われたパレスチナ人のデモでは多くの人達が金正恩とプーチンの肖像画を掲げていた。日本や韓国のマスコミが必死になって情報統制してるこうした事実こそ見なければならない。そして「親パレスチナ」みたいなツラをしながら同時に「反北朝鮮・反ロシア」を主張する日本人や韓国人が山ほどいる(特に左派・進歩派・リベラルに)が、そういう奴らほど矛盾という概念を理解しないノータリンであると思う。流されやすいんだろうなと思っています。欧米日韓といった「アメリカ村」のみなさんは、今や自分らが地球上の片田舎の存在だという現実から目を逸らすのに必死だ。西側は精神的勝利に凄まじいエネルギーと費用を費やしている。
それはともかく、上記プーチン寄稿文において目を引くのが「我々は西側の統制を受けない貿易及び相互決済体系を発展させて、一方的な非合法的制限措置達を共同で反対していく事でしょう」という所だ。ロシアに対しても朝鮮に対してもそうだが、西側による金融制裁の根幹がSWIFTなど決済手段からの排除であった。そうした統制を受けない決済体系手段を築くというのだ。お分かりであろう。これから朝鮮共和国は食糧・資源・エネルギーその他ほとんどの領域で完全かつ自由に外国と取引出来るようになっていくという事だ。すなわち西側による対朝鮮制裁というのはおしまいであると、今回のプーチン訪朝はそれを世界に知らしめるセレモニーだったのである。

それだけではない。今回の訪朝団に随行したロシア側閣僚の豪華さも目を引く。外相・第一副首相・国防相・保健相・交通相・宇宙航空公社社長・鉄道庁長などなど。これだけの広い案件がこの機会に論議されるというのだ。特に経済開発に関して言えば朝鮮のBRICS(今はロシアが議長国である!)加盟問題や、中国も交えた三国協力がポイントであろう。おそらく日韓のマスコミではほぼ報じられないであろうが、今後の朝中露経済協力で目玉となるのが前に李海栄教授の記事で言及されていた「シベリア」に加え、新たに「豆満江」も加わるのは間違いない。それも今回の首脳会談で詰められるはずだ。この「豆満江開発」の件について日本では気付いてる者がほぼ誰もいないようで、日本の奴らにいらん知恵を与えるのも癪なので筆者からも細かい言及は手控えたい。重要なヒントとして言うならば、今回のプーチン訪朝は5月16-19日にあったプーチン訪中の件と連続した行動として見なければならないという事だ。これらの多岐にわたる包括的な戦略的協力協定が締結されてもおかしくなかろう(もちろんそうした協定が結ばれたとして、その内容を非公開にする可能性も高い)。たぶん岸田政権や日本外務省はこうした動きに何も気付いてないのではないか。でもそれで良いと思う。かつての小泉純一郎や田中均のような下手に狡賢い一部の日本人(がいたとして)に、いらん知恵を付けさせるのも厄介だ。何も知らないままに翻弄されて大やけどするのが日本帝国主義には相応しい。「豆満江」の件にしても、先日の中露首脳会談で両国の「領土問題」がどのようにウィンウィンな合意を見たかについても、日本の奴らは何も知らないままで、後でほえ面かくのが望ましいと思う。

対朝制裁はもう終わった。これもまた世界秩序がひっくり返った証拠である。でもほとんどの日本人・韓国人はそれに気付かないか、気付くのを拒否し続けるであろう。かつて南米日系人にいた「勝ち組」みたいに。

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韓国の選挙どーでもいい

・韓国の選挙は「超クソゲー」

しかし韓国の選挙は酷いものだなと思う。これは4年前に選挙制度が大きく改悪された事が大きい。今の韓国の総選挙は「小選挙区制比例準連動制」というやり方になっており、極端に端折って説明すると、選挙区で多く議席を取った政党は比例の割当が少なめになるという方式だ。これは保守二大政党(国民の力と民主党)以外の弱小政党にもある程度議席が確保出来るようにしようという事から始まったという。が、しかし…。

【保守二大政党向け韓国総選挙攻略法】
選挙区で議席が多いと比例の議席が減る? 心配する必要はない。以下のやり方で多数の議席確保が可能だ。
1)「衛星政党」を作る。もちろんそれが母体政党(国民の力または民主党)の「衛星政党」である事は有権者にちゃんと分かるよう周知させる。
2)その「衛星政党」は選挙区に候補者を立てず、比例にだけ候補者を立てる。
3)投開票。その「衛星政党」は二大政党の衛星政党なのでこれまで通りの得票を獲得し、選挙区の候補がゼロなので比例の議席をごっそりいただける。これで保守二大政党はこれまで通り選挙区でも比例でも議席の大半を獲得出来る。
4)選挙後に「衛星政党」を母体政党に吸収合併する。こうする事で現行の比例連動性でも保守二大政党が独占的に議席獲得可能。

…こんな馬鹿な選挙制度を考え出したのはどこのどいつだと言いたくなるが、2020年以降の韓国の総選挙は本当にこれだけデタラメなやり方なのである。欠陥制度そのもの。弱小政党にももっと議席が取れるようにという事から始まった出て来た制度らしいが、実際にはさらなる二大政党への議席独占を生むだけの結果に終わった。韓国の現行選挙制度をビデオゲームで例えれば、まさに「超クソゲー」そのもの。ろくに難易度調整やデバッグをせず市場に出してしまった挙げ句、とんでもないバグの裏技が発覚して無茶苦茶な攻略が可能になった、そんなゲームと言ってよいであろう。これがビデオゲームであれば作ったメーカーが不評を買ってそれで終わりだが、一国の国会議員を決める選挙となればそうはいかない。実際に韓国の政治はこの制度のおかげでとんでもなく酷い事になってしまった。
日本の政治が特に酷くなったのは、衆議院が小選挙区になってからだというのは多くの人達が認める所であろう。これで自民一強が固定化し、野党が選挙区で勝つのが難しくなった。選挙費用も低く抑えられると言いながら実際には余計に金がかかるようになり、死票も激増した。西欧型自由選挙において、選挙制度の改悪というのはこれほどまでに深刻な政治の悪化をもたらす。韓国も以前は日本の衆議院と同じ小選挙区比例代表並立制で、これのおかげで国民の力と民主党の保守二大政党体制が固着して様々な弊害があった所へ、追い打ちかけるようにもっと酷い準連動制が始まってしまった。選挙区だけでなく比例の議席の大半も保守二大政党がかっさらうので、ますます弱小政党の食い込む隙間がなくなってしまったのである。これで過半数をはるかに上回る議席を獲得した当時文在寅政権の与党民主党は、民生や労働関連の法律をことごとく握りつぶすか骨抜きにし、逆に財閥や大企業に有利な法案はバンバン通していった。ほとんどの日本人はこうした実情を知らないであろうが、あの頃は本当に酷かったよ。もちろん国民の力が後に(少数)与党になっても同じ事をしていたのは言うまでもないが。
連中はこの選挙法案を審議していた時にこうした欠陥に気付かなかったのか? そんな事はない。準連動制のこうしたバグというか欠陥は当時から多くの学者やジャーナリストが指摘していたのだが、ことごとく無視されて法案は通ってしまった。と言うか、こうしたバグがあるからこそ連中はそれに目をつぶって法案を通したと考えられる。だってこの選挙制度さえあれば、国民の力と民主党の保守二大政党で半永久的に第一党と第二党の座を独占出来るのだから! いやまさかね、この21世紀2010年代末に「衛星政党」なんちゅうのが韓国で復活するとは思わなかったよ。だって韓国で「衛星政党」なんちゅうのは朴正煕や全斗煥の時代に「我が国は独裁体制じゃない」という対外的アリバイ作りの為にわざわざこしらえたダミー政党だったんだよ。それがまさか今の時代に復活するとは…。韓国という国を「長い民主化闘争で国民が民主主義を勝ち取った素晴らしい国」みたいに考えている日本人や在日が多い。親韓派はそうであるし、嫌韓派であっても基本的には「韓国民主主義」そのものを否定することはまずなかろう。だがそれは大いなる幻想に過ぎない。実際の韓国は素晴らしい民主主義国家どころか、朴正煕・全斗煥の70年代80年代独裁政権のレベルにまで退化したのだ。しかもこの選挙法改悪を成立させた議員達というのは、党派を問わずかつて独裁政権の時代に大学で民主化闘争をやった世代(というだけでなく、実際の運動経験者多数)なのだから。かつて独裁政権に反対してた奴らが、今や国会議員になって朴正煕や全斗煥とおんなじ「衛星政党政治」をやり出したのだから。
サイテー以下に成り果てた選挙制度のせいで、韓国の政治がますます酷くなる事だけは間違いない。今回の選挙結果でどの政党が勝とうとも、韓国社会が持たざる労働者人民にとって悪くなる一方なのは100パー折り紙付きである。


・오합지졸 烏合之衆 a rabble うごうのしゅう

現行韓国選挙制度が及ぼした悪影響の一つとして、市民社会や一部の真面目だった弱小政党を腐敗させたというのがある。とりわけ民主党は比例衛星政党の候補として市民・社会運動団体の人間を引き入れるという事をやり始めた。前回2020年の時の代表例が正義記憶財団の尹美香であろう。今回の選挙では民主労総の元委員長だの民弁(民主社会の為の弁護士会)の事務次長だのが、さらには朴槿恵政権に潰された旧統合進歩党の流れを汲む進歩党もまた比例候補を民主党の衛星政党に合流させて立候補している。
前回選挙で筆者が最も失望した候補が尹美香だったのだが、この女は選挙に出た途端日本に妥協的で右傾投降主義な事ばかり言い出した。「自分は反日じゃない」「日韓共に平和な社会を作って双生の政治を」「文在寅政権の対日政策と自分達(挺隊協・正義記憶財団)はそう違わない」みたいな事を口走っていたのだから。文在寅政権は日韓慰安婦合意の破棄はおろか選挙公約だった再交渉すら早々に放棄したのに、自分らはそれと同じだと? 挙げ句の果てには「自分らは衛星政党じゃない」だよ? 何考えてんの? 挺身隊や性奴隷にされた女達の無念を晴らすのではなかったのか。日本国家に法的責任と賠償を求めるのではなかったのか。帝国主義侵略に反対するのではなかったのか。民族主義ではなかったのか。その為には「日本を絶対に許さない」という一線だけは絶対に譲歩してはならないはずだ。かつて朝鮮民主主義人民共和国に呉振宇という軍の高官がいた。日帝時代に金日成の満州抗日パルチザン部隊で戦った革命家だったが、この人は自分の妹が日本軍につかまって従軍慰安婦にされたという悲運にみまわれた人でもある。呉振宇は生涯日本を深く恨み「私は日本の奴らを絶対に許さない」と語っていた。さすがに民族解放闘争で日本軍相手に生きるか死ぬかの戦いをやった人達は違うと思うが、対する尹美香はどうなのか。日本と双生? それも国会議員の椅子を目の前にして、日本に投降するような口を利く? こんな腐敗堕落した奴がどこにいるのか。尹美香と正義記憶財団は今でも日本のネット右翼から「反日」だなんだと攻撃されるが、実際には全く違う。今の尹美香は日本のネット右翼に攻撃される価値すらないクズだ。
今回の選挙で民主党の衛星政党から出た候補も尹美香に負けず劣らず酷いもので、民弁の事務次長である李周禧という弁護士がその一例だ。この李周禧弁護士という女性は学生時代にバリバリの民族解放派で、反米運動で積極的に活動し、弁護士になった後も国家保安法反対運動をやっていたという。旧民主労働党から立候補した事もあった。こうした経歴を見ると実にあっぱれと言いたくなるのだが、しかし…。この女は今回の選挙で民主党の衛星政党から立候補してしまった。民主党ってアメリカべったりの政党だよ? あれだけ大量の議席がありながら、国家保安法を全く廃止しようとせず、それどころか「廃止は時期尚早」とか言ってた政党だよ? そんな政党から立候補とか、あんたこれまでの活動は嘘だったのか。さらに言うと、李周禧弁護士が事務次長まで務める民弁は「衛星政党は違憲」というのが公式的立場なのである。そこまでして議員になりたいのか。何とあさましい。かつて反米闘争や国家保安法撤廃の闘士だった女が、今やただの「国会議員になろう系弁護士」に成り果てた。本来ならば李周禧は懲戒ものであろう。だが肝心の民弁の態度もフラフラしていて、会長自身が民主党にベッタリな上に「李弁護士が衛星政党の設立に参加した訳ではない」と苦しい言い訳ばかりである。韓国の選挙制度改悪によって、民弁もまた日本の東京弁護士会などと同じ堕落道をたどったようだ。
今回の選挙で李周禧以外にも過去に学生運動で反米活動や親北傾向があったとされる候補は何人もおり、中にはそれを朝鮮日報などの保守極右メディアにバッシングされて候補辞退した者もいた。今回の選挙の隠れた争点は「反米狩り・従北狩り」であったと言えるであろう。だがそうした候補についてはある意味さほど心配しなくていい。民主党の衛星政党や祖国革新党などから立候補するという事は、李周禧同様その者達が「反米」をやめたという事なのだから。日本敗戦によって「反米」からアメポチに大転向した倭王裕仁や岸信介や賀屋興宣みたいに。もちろん李周禧らかつての韓国運動圏と裕仁ら日帝の領袖どもでは「民族自決・民族解放としての反米」「帝国主義勢力同士の縄張り争いとしての反米」という大きな違いがあったが、いずれも「ボコボコにいわされてアメポチに大転向」という結果が全く同じであった。こういう奴らほど新しい御主人様、すなわちアメリカ様に絶対的忠誠を尽くすものである。李周禧ら韓国の旧運動圏出身者どもは要するに「左の岸信介(笑)」な訳であり、こいつらが当選したらどんな政策や法案に賛成するか、今からある意味で非常に楽しみだ。少なくとも韓米相互防衛条約や駐韓米軍に絶対反対しないのは目に見えていよう。
酷い選挙制度が韓国の市民社会の腐敗を一気に加速させたと思う。かつて真面目な活動家だったのが、みんな議員の椅子に目がくらんで烏合の衆に成り果てた。

祖国革新党? あれは言及する価値もないよ。政策見てみたら抽象的な話ばっかりで、具体策なんにもなし。あんな政策だったら日本の自民党や維新だって打ち出せるよ(笑)。こんなのをイチ推ししている「日韓連帯派」のバカでマヌケな日本人が現実に存在する…。


・要するに

この記事を書いている途中、ニュースで韓国の総選挙は汎野党で200議席に達しそうだという。連中の言っていた「尹錫悦審判」が現実になりそうな情勢だが、だからといってこれで韓国が良い社会になる可能性は限りなくゼロに近い。これだけ議席があれば尹錫悦を弾劾出来る可能性は十分にあり、それで新たに大統領選挙が行われれば、現状では民主党の李在明が次期大統領に当選する可能性が一番高いであろう。しかしながら李在明は日本で言われているイメージとは違い、物凄い右翼反共主義者で北の事も大嫌い、韓米同盟は宇宙よりも重いという親米派だから、要するに選挙後も韓国という国は何も変わらないという事だ。向こうの持たざる民、労働者や農民達はこれまで通り貧しい暮らしで、財閥・大企業・富裕層だけがこれまで通り肥え太る世の中が続く。朝鮮共和国との関係改善はおろか、ますます対立は激化する。
はっきり言うが、野党がこれだけ議席を確保しても、国家保安法は撤廃されないし、労働者や農民の生活環境改善の為の法律は何一つまともに成立しない。北南関係は改善しない。軍事費はさらにうなぎ上りに激増し、対米従属はますます酷くなる。それだけは保証出来る。
日本のマスコミでは「日韓関係はどうなるのか」みたいに早くも言われ始めているが、そんなのはほとんど問題ではない。問題は韓国と日本という犬コロが、どれだけアメリカ様に忠誠を誓って忠勤に励むかだろうが(笑)! この点に関して言えば今まで通り、いや、これまで以上に韓国はアメリカ様に滅私奉公する事になるであろう。ウクライナ支援や、来るべき台湾紛争への参戦準備など、韓国(尹錫悦が生き残るにせよ、政権交代するにせよ)は今回の岸田訪米に負けじとさらなるアメポチぶりを発揮することになる。

選挙で野党が勝っても世の中何も変わらない。今回の韓国の選挙でその事を嫌というほど思い知る事になるであろう。みなさん覚悟はよろしいか?

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あわてているかと思ったら何も考えていなかった(前編)

先日こんな学習会があったそうな。


https://peace-korea.peatix.com/
3月 2
【会場参加あり】南北平和共存は可能なのか 朝鮮半島のいまを読み解く市民セミナー

(土) 14:00 | オンライン | By コリアNGOセンター
カテゴリー
社会貢献/地域活性ジャーナリズム人権NGOまちづくり国際協力
イベント詳細

 昨年からメディアで報道されているように朝鮮半島の対立、緊張が深刻さを増しています。朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は昨年末の朝鮮労働党中央委員会第8次第9回全員会議拡大会議で「北南関係は、これ以上は同族関係・同質関係ではない、敵対的な二つの国家関係、交戦国関係として完全に固着した」とし、1月15日には最高人民会議の場で韓国を「第一の敵国、不変の主敵」と規定、南北交流、統一政策をになう政府機関の廃止、憲法改正まで表明しています。これに対して尹錫悦政権は「北朝鮮が挑発してくるなら、我々はそれを数倍にして報復するだろう」、「戦争か平和かを脅迫する従来の偽装平和戦術はもはや通用しない」対抗的姿勢を強めています。
 こうした朝鮮半島の緊張激化は「見えない38度線」に縛れてきた在日コリアン社会にも深刻な影響を与えることにもなりかねません。
 いま私たちは朝鮮半島情勢をどのようにとらえるのか、韓国で活躍する在日コリアンジャーナリスト・徐台教さんをお招きし共に考えます。多数のご参加をお待ちしています。
 
【日 時】 2024年3月2日(土) 午後2時開始
【場 所】 KCC会館(在日大韓基督教会館)大阪市生野区中川西2丁目6-10(MAP)
【主催】  特定非営利活動法人コリアNGOセンター http://korea-ngo.org     
【参加費】 1,000円
【開催方式】対面・オンライン(ZOOM)の併用
     (対面100名・オンライン100名可)
【参加申込】peatix(ピーティックス)
      ※当日会場受付有り
【内容】
 1)講演「いま朝鮮半島をどう見るか」
    講師:徐台教(ソ・テギョ)さん
 2)報告
    郭辰雄(カク・チヌン/コリアNGOセンター代表理事)

<講師プロフィール>
ジャーナリスト。『コリア・フォーカス』編集長。群馬県生まれの在日3世。在韓22年。小学校は朝鮮学校、中高は日本の公立校、大学は韓国で卒業。その後、人権NGO代表や日本メディアの記者として朝鮮半島問題に関わり、15年韓国に「永住帰国」すると同時に独立。主な取材対象は南北関係、朝鮮半島問題、韓国政治、日韓外交、歴史問題など。17年からヤフー個人ニュース(現エキスパートニュース)に300本弱の記事を配信し、過去にNHK、TBS-BS、日テレBSなどのテレビ番組や、TBSラジオ『荻上チキ・Session』やJ-WAVE『JAM THE WORLD』などのラジオ番組に出演。他に『週刊エコノミスト』や『東洋経済オンライン』、『論座』、『世界』などに記事を寄稿。23年からはニュースレター『新・アリランの歌』も発行中。24年夏に南北関係の取材をまとめた初の書籍が日本で刊行予定。


この学習会の講師役である徐台教という記者と、主催側であるコリアNGOセンターについては以前別の機会に批判した事がある。が、改めてこの両者について評価を下すなら、とんでもない食わせ者にして欧米の手先・ウヨ・反共・反北デマゴーグという事につきる。それほど我々在日社会でも札付き・鼻つまみ者の政治的ゴロツキだ。あ、それとこの両者は恐ろしいほどに頭が悪いというか、朝鮮半島の歴史や政治はもちろん国際情勢についてもまともに勉強してない無知な輩どもでもある。デマゴーグ稼業には正しい知識や歴史観など無用。むしろ邪魔でしかないであろうから。

「「北朝鮮帰国者」の記憶を記録する会」というグループがある。要するに「昔北朝鮮へ帰国した在日は、向こうで強制収容所へ送られたり貧乏な暮らしをしてこんなに酷い目に遭うたんやあああああッ! その記録を残さなあかんのやあああああッ! あんな独裁国家を許したらあかんのやあああああッ!」という反北朝鮮の看板を掲げた狂信的極右ファシスト集団だ。それもそのはずで、この会の所在地はアジアプレスと同じビルにあり、さらに呼びかけ人の中に同社大阪代表である石丸次郎の名前がある事から、「記録する会」というのは事実上アジアプレスと一体もしくはダミー団体と見るのが適切であろう。そう、世界最悪の北朝鮮フェイクニュース発信元として馬鹿にされているあのアジアプレスだ。そしてこの「記録する会」の呼びかけ人と賛同人のメンツにはコリアNGOセンターの幹部役員達が3人も加わっている。代表理事を務める林範夫と郭辰雄の二人に、理事の洪敬義だ。こういうバリバリの反北朝鮮団体に、それも幹部3人が呼びかけ人と賛同人に雁首揃えている時点で、コリアNGOセンターというのが政治的にどういう性質の集団か一目瞭然なのではないか。少なくとも朝鮮半島本国に存在する北南両国を対等・公平・平等に扱っている人間集団でない事だけは100パー間違いない。ちなみに「記録する会」の呼びかけ人と賛同人のメンツにはこれら以外にも山ほど問題人物がおり、中でも統一協会とベタベタの関係である田月仙南京大虐殺も強制連行もなかったと主張するゴリゴリの極右歴史修正主義者である三浦小太郎といった、中々に凄絶なメンツがいるのは注目に値する。田月仙なんかがいる時点で「記録する会(と同時に「本体」であるアジアプレスも)」は統一協会とも深い関係なのではないかと疑わせるに十分であるし、三浦のような極右ウェノム왜놈と同じ団体で籍と席を同じくしている在日は従軍慰安婦や強制連行被害者を冒涜する事甚だしい。
こんな激烈反北派・反共主義者・日本人極右植民地主義者のオトモダチ(笑)のNGOが「ワンコリア」とか、馬鹿じゃねェのかという話であろう。コリアNGOセンターがやってたワンコリアフェスティバルなるイベントも儲け主義の事実上商業イベントだと言われて、市民運動の世界ではものすごく評判が悪かった。特にショバ代が高くて、貧乏な善意の市民運動グループが出展しようとしてそのショバ代の高さに仰天してあきらめたという話が多い。あんな主催側の本音(ウヨ・反共・反北・米国追従・親日派・南主導の吸収統一)と建前(朝鮮半島の平和・南北和解・差別反対)の落差が酷過ぎるイベント、出ない方が正解だが。
この郭辰雄や林範夫や洪敬義(総連転向者)といった連中の仕切ってるコリアNGOセンター、とにかく表に掲げてるきれいなタテマエと、連中の腹の中にあるクソ汚い裏のホンネがあまりに違い過ぎて呆れ返る。あんなに酷い二重人格体質というか、ジキルとハイド並みに表の顔と裏の顔が違う集団も珍しいのではないか。
朝鮮共和国に対しては何かあると「人権問題があああああッ!」「核実験糾弾ッッッッッ!」「「人工衛星」と称する飛翔体の発射に抗議するッッッッッ!」「石丸次郎大先生をお呼びして北朝鮮問題を語ってもらうんやあああああッ!」と発狂して、反北朝鮮声明やら学習会やらを開催する。それでいて右翼が総連本部を銃撃したりすると「これは在日に対するテロじゃあああああッ! 日本政府は厳正に対応したれやあああああッ!」などと正義の味方ヅラするが、おまえらだってさんざん核実験や人工衛星発射の時に朝鮮を糾弾したろうが。コリアNGOセンターも民団やアジアプレスなどと同じで、結果的に総連銃撃事件を煽った勢力に他ならない。右翼や日本政府を批判する前に、まずは同胞や祖国の片方(連中は殊勝にも、南も北もどちらも自分らの祖国だと表向きは言っている)に刃を向けたてめえらの言動を反省しろという話なのだ。それ以前におまえらあれだけさんざん反北活動に勤しんできたくせに、心にもない事をよく言えるなと思う。ホンネでは総連が銃撃された事を喜んでいるとしか思えない。
そしてコリアNGOセンターの最も醜悪なのは、このように朝鮮に対しては事ある毎にボロクソ言うくせに、アメリカや韓国や日本が軍事的な悪行をどれだけ働いてもほとんど何も言わない事であろう。朝鮮の核実験や人工衛星にはあれだけ発狂して「朝鮮半島の緊張を高めるッッッッッ! 抗議するッッッッッ!」などと言ってたくせに、韓米(日)軍事訓練については何も言わない。コリアNGOセンターが発表してきた声明文一覧を見ても、韓米(日)軍事訓練に対する抗議声明はただの一つもなかった。駐韓米軍兵士がどれだけ乱暴狼藉働いても一切無視。自然と生態系をメチャクチャに大破壊して住民を暴力的に弾圧して済州島に海軍基地が作られた現代の4.3事件とまで言われてるのに!)時にも、コリアNGOセンターは抗議声明一つ出さなかった。平沢(평택 ピョンテッ)に元から住む農民達を大挙追い出して、そこに480万平米という広大な米軍基地を、それも11兆ウォンも出してアメリカ様の御為に拡大した事にもダンマリだった。THAAD(高高度ミサイル防衛システム)の建設にも全く反対しなかったし、それに反対して警官隊の暴力にさらされた地元民(この為にTHAAD配備地である星州は「韓国の辺野古」と言われている!)についても一切言及がなかった。韓国がウクライナへ第三国を迂回して砲弾などの殺傷兵器を送った事にも、一切批判めいた事を言わなかった。そして最大の諸悪の根源である韓米相互防衛条約(韓米相防)と韓米同盟に対しても、もちろん一言半句も批判や抗議はなし。朝鮮の核やミサイルは「朝鮮半島の緊張を高める」のに対し、米日韓による軍事訓練や軍事基地やミサイルや韓米相防条約には全くそんな心配はいらないらしい。実に都合の良い連中だ。このようにコリアNGOセンターはアメリカ帝国主義を一切批判せず、そればかりか連中はそのアメポチぶりを隠すどころか堂々と誇示しているくらいである。

恐れ多くもアメリカ独立記念日に米国領事館に招待されたッッッッッ! それもNPO関係では我々だけなのだッッッッッ!
恐れ多くも米国務省担当者閣下様が我がコリアNGOセンターに御訪問下さったんやあああああッ!
オバマ大統領閣下様の退任直前に、恐れ多くも我がセンターも招待いただいたのだッッッッッ! 在日外国人としてこのレセプションに招待されたのはうちが初めてなのだッッッッッ!
我がセンターの代表と事務局長が、恐れ多くもアメリカ総領事公邸での記念イベントに招待されたんやあああああッ!
恐れ多くも大阪・神戸米国総領事館の政治経済担当領事閣下様が、我がコリアNGOセンターに御訪問下さったッッッッッ! 今後とも我々は在日米国公館の取り組みに協力していくのであるッッッッッ!
我がセンターは、恐れ多くも大阪・神戸米国総領事館の感謝祭に御招待いただいたんやでえええええッ! キャンプデービッド合意バンザイイイイイイッ! 米国務省様は恐れ多くも、在日コリアンにも関心を持って下さっとるんやあああああッ!

…何なのこいつら。アメリカ様からレセプションに招待されただの、領事館のお偉いさんの誰彼が自分とこを訪ねて下さっただの、挙げ句にはこんな所へ招待された在日外国人やNPOは自分らだけだのと大喜びして尻尾振ってるよ。そして米領事館の取り組みにも積極的に協力するというスタンス…。アメリカ様が在日の事を気に掛けて下さってると舞い上がり、クーバス総領事閣下様(笑)と一緒に写真撮って満面の笑みを浮かべる郭辰雄! 


↑ わしのバックには、恐れ多くもアメリカ様がついとるんやでえええええッ!

アジアプレス石丸次郎と一緒になって朝鮮共和国への「歴史戦」を仕掛ける一方、アメリカ様へは徹底して屈従し、奴隷根性丸出しの超大喜び! 絵に描いたような親米・反共・反北ファシスト! こういう奴らを我々は近年世界中あちこちで見かけた事がある。香港暴徒の親玉である周庭や黄之鋒ら、あるいはウクライナのネオナチなど、アメリカに育てられたカラー革命ギャングどもになんてそっくりなのかと思う。コリアNGOセンターというのは完全にアメリカから「餌付け」されてるとしか思えない。連中の言う「祖国」というのは大韓民国でもない。朝鮮民主主義人民共和国でもない。意外にも日本国でもない。連中が脳内に思い浮かべる「魂の祖国(笑)」とはUSA帝国ただ一つなのだ。「媚米コリアンNGOセンター」に名前変えろよ、おまえら…。朝鮮半島で何か事件や話題があると、郭辰雄がやたらと朝日新聞からコメント求められてしゃべっているのも、「そういう事」なのであろう。朝日新聞って今やすっかり米CIAの出先機関みたいになっちゃってる(NEDの肩書きを隠そうともせず誇示している牧野愛博が最たる例)から、アメリカ様の「傘下」つながりで連係しているのではないか。日本のアメポチ新聞と在日のアメポチNGOのカップリング! まさに日韓仲良くしようぜ! こんなに虫唾が走るほど模範的なアメポチども、見た事ねェ! 韓国の旧独裁政権と日本の保守政権並みの見事な日韓癒着! これでアメリカ様も大喜びだ!(笑)
ちなみにコリアNGOセンターは例の徐京植ともベタベタの関係であった。すでにみなさん御存知のように最晩年の徐京植はものすごいアメポチに堕落・変節していて、コリアNGOセンターとはさぞかし気が合ったのだと思う。まさに「類友」だ!
軍事問題に限らず、韓国で労働者が過酷な労働条件に抗議してストをやったり焼身自殺したり、挙げ句は企業側から「ストによる損害賠償請求」を起こされて自殺者が出ても、コリアNGOセンターはそうした問題には一切批判めいた事を言わなかった。ストをやった労働者に企業側が莫大な損害賠償請求訴訟するのが許されて、しかも裁判所が企業側を勝たせるだなんて、そこまで労働者の人権を平然と踏みにじる事が許されてる国は、世界中探しても韓国ぐらいしかない。農産物の自由化で韓国の農民は酷い事になってるけど、それはどうしたの? 国家保安法は? 徴兵制は? 朴槿恵政権以降、韓国籍の在外同胞までもが韓国での滞在期間次第では徴兵されるという事になったけど、それには賛成なのか? 「北朝鮮の人権」「北朝鮮帰国者の運命」にはあれだけうるさく騒ぎ立てるくせに、何なのこいつら? 南も北もどちらも自分らの祖国じゃなかったのかよ?(笑) 
このように郭辰雄や林範夫や洪敬義らが取り仕切るコリアNGOセンターの本性(ハイド性)というのは徹底して「ウヨ・反共・反北・米国西側帝国主義陣営追従・日本の極右やネオコンとは「同志的関係 by 朴裕河」・南主導の吸収統一・財閥の悪行や資本主義の根本矛盾を一切批判しない」点にあり、表に掲げる一見するときれいな仮面(ジキル性)「朝鮮半島の平和・南北和解・差別反対・北も南も同じ自分らの祖国」といかにかけ離れている事か。そのあまりの落差には本当に吐き気がする。郭辰雄らは事ある毎に「韓国民主主義バンザイ! キャンドル革命バンザイ!」みたいな事を言って自分らが「韓国の民主勢力推し」である事を強調するが、それはこうした西北青年会と比べても何一つ違わない薄汚い右翼反共主義・反北主義的本性をごまかす為の厚化粧・ええ格好しいに過ぎない。もちろん韓国の民主党や祖国革新党(笑)や参与連帯などに代表されるいわゆる「民主勢力」もその実態はもの凄い右翼で、新自由主義と親米・反共・反北主義で利益を得る集団であり、コリアNGOセンターと近しくても全く矛盾はない訳だが。
韓国の「旧独裁政権派」も「民主派」も本質的な違いなどない! どっちもとんでもないアメポチ右翼だよ!

徐台教も酷い無知な上に嘘が多い。こんな輩を「朝鮮半島の専門家」と思い込んでいたりその発言を好意的にリツイート・引用する者は、朝鮮半島の事を何も知らない連中であろう。騙され易すぎる。
徐台教は今から6年前に、ヒューマンライツウォッチ(HRW)が垂れ流した「北朝鮮では性犯罪やセクハラが蔓延している」なるデマ話をSNS上で必死に拡散していた前科の持ち主だ。朝鮮共和国がどれだけ性犯罪に厳しい国か知らんのか、こいつは? 向こうでは婦女暴行は軽くて10年以上の懲役が相場で、状況によっては死刑か無期も珍しくない。被害者が未成年の場合は100パー間違いなく死刑だよ。こういう事を知っていれば、HRWと徐台教の言ってる事がどれだけデタラメかよく分かる。例の脱北外交官・太永浩が必死になって南へ逃げて来たのも「未成年者レイプ」という仕出かした犯罪を考えれば、ある意味では納得出来よう。国に送還されたら間違いなく縛り首だからね。まあもっとも本当の話をすると、朝鮮共和国は社会全般で女が強く、下手な男にレイプされるほどひ弱な女がそんなに多くないという実情もあるが。向こうの女性達の多くは1990年代後半の飢饉「苦難の行軍」を生き残ったんだぜ? 軍に入って鍛えられた女性も多いよ? 徐台教やHRWが主張するみてェに向こうでセクハラ男があふれていたら、逆に反撃されてぶちのめされるよ。南や日本とは違うんだ。これだけで徐台教がどれほど朝鮮共和国の事を知らないムジレンイ(무지랭이 朝鮮語で「無知で愚かな奴」の意)かよく分かる。もちろんHRWは欧米帝国主義の手先であり、これまでにもNATOのユーゴスラビア空爆幇助、ニカラグアのサンディニスタ政権打倒の為の誹謗中傷、イラク侵略正当化、リビア侵略正当化などといった戦争犯罪応援団として第三世界グローバルサウス諸国に対して悪逆の限りを尽くしてきた。イラク戦争前夜にHRWの代表だったケネス・ロスという男は「サダムを起訴せよ」などという、ブッシュやラムズフェルドよりも過激な事を言って侵略戦争を煽っていた事を忘れてはならない。もちろんHRWは朝鮮共和国の体制転覆活動にも極めて熱心であり、その中心活動を担っているのが日本支部長の土井香苗だ。徐台教はこんな団体の「イヌ」になって尻尾を振っていたのである。
さらに徐台教は上から目線と言うか想像白人目線と言うか、自分が欧米帝国主義の白人にでもなったかのようにグローバルサウスを卑下する根性の持ち主だ。ベネズエラでカラー革命暴動が起こって一時マドゥロ政権が危うかった時、この男はマドゥロ政権に対する攻撃に加担していたのである。以下のツイートがそうで、徐台教は知人の記者が書いたという「ベネズエラの貧困」「反政府派(要するに親米売国奴派)に希望を抱く市民」をクローズアップしたとんでもない記事を「丁寧に取材したのが伝わる内容」として強烈に推していた。



https://twitter.com/DaegyoSeo/status/1111564373208645632
徐台教(ソ・テギョ)‏ @DaegyoSeo
以前何度か一緒に取材したことのある、李真煕さんのベネズエラルポ。丁寧に取材したのが伝わる内容でオススメです。
ルポ・混乱のベネズエラ | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
2:42 - 2019年3月29日


https://imidas.jp/jijikaitai/d-40-142-19-03-g770
 ルポ・混乱のベネズエラ
「変化」を待ち望む人びとの声
2019/03/29
李真煕( ジャーナリスト)


徐台教が推している李真煕によるこの記事、実際にリンク先を読んでいただければ分かるが、内容を要約すると以下のようになる。

「マドゥロ政権派の政治家までも貧困にあえぐ」
「マドゥロ大統領に都合悪い質問をした記者が長時間拘束」
「記者を弾圧しているマドゥロ政権の下で、物乞いがあふれているのだッッッッッ!」
「壊れゆくベネズエラ社会ッッッッッ!」
「マドゥロ政権下で希望を失ったベネズエラ国民が次々と国外へ脱出しとるんやあああああッ!」
「(自称)暫定大統領グアイド国会議長に希望を見る若者達ッッッッッ!」
「ベネズエラでは過去20年間(つまりチャベスやマドゥロの時代)、政権が経済基盤を破壊するような状況が続いたッッッッッ! 人権を侵害し、土地と企業を私物化して、国を分断したのだッッッッッ!」
「誰が何と言おうと、グアイド暫定大統領こそは90年代以降、国民が一つになって支持できる初めての野党指導者なのだッッッッッ!」

…挙げ句の果てには「多くの人びとが「変化」を待ち望んでいる」なる言葉で記事を締めくくる。ここで李真煕の言う「変化」とやらが「(自称)暫定大統領」ことケツ出しグアイド(笑)への政権交代を指している事は言うまでもない。呆れてものが言えんわ。当時ベネズエラで反米自主のマドゥロが再選を決めた。それが気に入らないアメリカは、自分らの言いなりである国会議長のグアイドを勝手に「暫定大統領」だと「承認」し、過酷な経済制裁をさらに強化し、ベネズエラ国内にこっそり育ててきたグアイド達カラー革命暴徒(香港の時と同じ)を暴れさせた。「人道支援物資を送る」と称して親米カラー革命暴徒に武器を送り込もうとし、阻止された事まである。もしアメリカの目論見通りに政権交代してあんなケツ出し変態野郎(笑)のグアイドが大統領になっていたら、それこそ本当に恐ろしい結果が待っていたであろう。石油などの資源は全てアメリカに奪われ、無償教育・無償医療といった福祉も全部パー。ハイチやリビアと同じような事になっていたかもしれない。そのようになれ、というのが上記李真煕の記事であり、そんなとんでもない記事を絶賛推奨していたのが徐台教であった。李も徐も恐ろしいまでのアメポチであり、てめェを欧米白人のように思い込んでいる想像白人そのもの! ちなみに李真煕はベネズエラだけではなく、香港暴動の時も同じようにカラー革命暴徒を「民主派」としてヨイショする記事を垂れ流していた事を付け加えておく。
徐台教の反北朝鮮・反ボリバル革命ぶりは上記の通りだが、他にもこの輩の主義主張は
香港民主化運動(カラー革命暴徒)推し
反ロシア・反プーチン
スラヴァウクライニィ!
ミャンマーの民主勢力(カラー革命暴徒)推し
3.1独立宣言推し
と、絵に描いたような欧米日帝国主義・植民地主義のサポーターである。とりわけ「日本を罪しない。罰しない」という妥協的な内容で独立運動史上最悪クラスの汚点である3.1独立宣言(己未独立宣言)を、「この独立宣言書はいつ読んでも良い」と大絶賛。歴史認識の貧困さも極まれりというレベルだ。この男が日帝時代に生きてたら、さぞかし天皇と日本帝国主義に忠誠を誓って同胞を売り飛ばし、大出世していたのではないか。まるで朴正煕みてェに(笑)。

こういう絵に描いたようなアメポチ・帝国主義者・反共反北集団が「南北平和共存は可能なのか 朝鮮半島のいまを読み解く市民セミナー」なる学習会を開催した…。もう何と言うか、聞くまでもないんじゃないかと。顔ぶれ見ただけでほぼ予想つくよなというのが正直な所ではあるが、さて。
しかしそこで話された内容は意外にも我々の予想を違った意味で裏切る、肩透かしなものであった。
(続く)

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ゆさぶり

朝鮮民主主義人民共和国にとって米日韓3国というのはもう「いらない存在」であり、これらと対話して関係改善してみた所で得る物は何もない。
安全保障? すでに朝鮮共和国は核保有国で、しかも米本土を打撃出来る大陸間弾道弾まで完成させた。
経済協力? ロシア・中国さらにはBRICSやグローバルサウスとの経済協力が今後活性化する。朝鮮が受けている経済制裁で最も深刻なのはアメリカによる制裁(国連の制裁もあるが、これは安保理常任理事国にとっては屁のようなもの。ロシアと中国がどれだけ裏で朝鮮と密貿易している事か!)だが、ウクライナ事態によるアメリカの覇権崩壊と世界秩序の逆転でBRICSやグローバルサウスが台頭した事により、これからはほぼ有名無実化していく。
このような状況で朝鮮が無理に日本と関係改善せねばならない理由がどこにあるというのか?

日本(韓国もだが)の政府当局者にとって朝鮮共和国とは旧ソ連東欧の社会主義政権と同じであり、いずれこれらと同様に自ら崩壊して(さもなければ西側陣営が実力行使して潰して)なくなるものであると強く固く信じられている(もちろんそんな「北朝鮮崩壊論」などくだらない希望的観測に過ぎないのだが)。そんな「遠からずなくなる(滅ぼす)予定の国」相手に国交正常化したり植民地支配の賠償なんかしようと日本の当局者が思うはずがない。小泉純一郎と田中均の狙いがまさにそうだったのだが、「北朝鮮との対話・関係改善」などというのは甘言による罠以外の何者でもないのだから。
岸田の「大胆に現状を変える」なるセリフ、これまでの歴代日本首脳の「前提条件なしで首脳会談」といった類のセリフと根本的な違いがあるとはとても思えない。こんなものがなぜショッキングな特大ニュースであるかのように取り上げられるのか?
仮に岸田が平壌まで行って金正恩と首脳会談して、何をやり取りするの? 
核放棄? 朝鮮側が応じる訳ねェだろ。100パーあり得ねェ。
拉致問題? 拉致問題は解決済みというのが朝鮮共和国の公式的立場だが。
国交正常化? 「遠からずなくなる国(と日本の当局者達は思っている)」と国交結んでどうすんの?
制裁解除? これはもっとあり得ねェ。経済制裁とは事実上の宣戦布告というか武力を伴わない戦争。それを解除するというのは日本が「戦争」で負けを認めるって事だぜ。「土下座外交」「売国奴」「亡国奴」の大合唱をマスコミからそこらの右翼まで一斉に騒ぎ立てるであろう。岸田内閣即刻吹っ飛びます。
植民地支配の賠償? これに至ってはもっともっと絶対的にあり得んわ! 「日本は欧米からアジアの植民地を解放した」「日本は植民地時代にいい事をしてやった」これが戦後日本の変わらぬ一貫した「国是」「歴史認識」なのだから。そんな日本が、それも旧植民地の中でも最も軽蔑して見下してきた「北朝鮮」に賠償なんかする訳ねェだろが! 勘違いしてる者が多いが、あの日朝平壌宣言に書かれていたのは日韓協定と同じ「経済協力方式」で、断じて「賠償・補償」ではなかった。その「日韓協定方式」の経済協力すら渋って嫌がり、さんざん約束を破ってきたのが日本だよ。制裁解除とおんなじで、こんな日本という国で賠償であれ経済協力方式であれ「日本が北朝鮮にゼニをやる」ような事をしたら、それこそ岸田の自殺行為になるよ。全マスコミ・全国民を挙げて「日本人を拉致して悪びれもしない国にゼニをやるなんて」「岸田は日本を北朝鮮に売った」「岸田は稀代の売国奴」とかさんざん言われて、内閣総辞職どころか岸田自身の政治生命そのものが終わる。

思い出してごらんよ。金丸訪朝団と朝日三党共同宣言の時ですら、あれだけ金丸信は叩かれたんだぜ。少なくとも「関係改善」「北朝鮮を利する(ように見える)」といった事を日本の政権が出来る訳ない。仮に日本が朝鮮と首脳会談するとしても結局は「小泉方式」すなわち、交渉・対話の結果が「日本こそ一方的被害者で、北朝鮮だけが一方的悪者」というオチに仕向ける以外に、日本側にとって全く選択肢はないのだから。それ以外はあり得ない。ましてや今の朝日関係は金丸訪朝団の時とは比較にならないほど険悪な状態ではないか。
国際情勢についてもあの時とは違う。金丸訪朝団の時は朝鮮共和国を含む東側が衰退して西側が勢いを得た時代で、ソ連とも関係が悪化していた朝鮮がその打開策・代案として日本との関係改善を希望していた。が、ポストウクライナ事態の今は西側が没落して朝鮮共和国を含む第三世界グローバルサウスが日の出の勢いの時代であり、朝鮮が日本とわざわざ関係改善してやる必要性など何もないのだ。

朝日対話など火中の栗どころかピンが外れてどこ行ったか分からない手榴弾のようなもので、こんなヤバ過ぎる事を岸田政権が本気でやれるはずがない。過去の歴代政権が言い古してきた「金正恩委員長と向き合う」という慣用句と化した言葉をいつも通り軽く繰り返しただけの事であろう。朝鮮側にしても日本と真面目に対話したって何の利益もない。それでも今の情勢を考えれば、米日韓同盟にゆさぶりをかける意味はある。先日の能登地震に対する金正恩から日本へのお見舞いのメッセージにせよ今回の金与正談話にせよ、そういう日本への「ちょっかい」と見るのが順当な所ではあるまいか。

小泉訪朝と平壌宣言、それにストックホルム合意。全部朝鮮側が日本側に騙された。この期に及んでまだ朝鮮共和国が日本との関係改善や国交正常化・経済協力なんぞに未練を持っているとしたら、それはとてつもなくバカという結果だけが残る。今回の件は朝鮮が米日韓の足並みを乱す為に行った日本へのちょっかいか、あるいは朝鮮外交が同じ失敗を何度も繰り返すバカであるか、どちらかと読めよう。筆者は前者であると見ているが。

一介の在日朝鮮人として言わせてもらうなら、仮に朝日首脳会談が実現して金正恩と日帝岸田(笑)が対話した所で、我々在日朝鮮人の生活と人権には何のメリットもプラスもない。日本みてェにこんな悪くて汚ェ国が、朝鮮との約束なんか守るはずないんだから。奴ら日帝にとって在日なんぞ虫ケラ以下なのだから。植民地支配の反省・謝罪・補償なんかするはずないんだから。

今一度はっきり明言しておく。
日帝植民地支配の清算というのは、いかなる形であれ朝鮮半島の国家が日本帝国を屈服させるという事である。「正しい理解と心の触れあいに基づいた、新しい友好の関係」「両民族の本来の友好」「日本が正しい道に戻る」為になどあり得ない。他人の国を奪った盗国の賊はただ撃つのみ。
朝鮮半島の統一とは「38度線を鴨緑江・豆満江まで押し上げる(by 沢田廉三)」のではなく、「38度線を朝鮮海峡まで押し下げる」形で実現されなければならない。

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李玉堂(리옥당 リ・オッタン)
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