1位 民主党 李在明
2位 国民の力 金文洙
3位 改革新党 李俊錫
以上3人が今回の韓国大統領選で支持率トップスリーと言われている。もっともトップスリーと言った所で、3位の李俊錫なんてのは1位2位とは比較にならないほど差がある実質泡沫候補（4位以下はそれよりももっと支持率が低すぎるので、相対的に李俊錫が3位の「有力候補」のようにみなされてるだけ）なので、今回は実質李在明と金文洙の対決だ。つまり保守二大政党候補の争いという、「今まで通り」の大統領選挙に過ぎない。それも金文洙の場合は親衛クーデターを起こして失墜した前大統領の党の候補なので、民主党の李在明が圧倒的有利と言われている。朴槿恵失脚後の選挙と似たような状況がまた繰り返されている訳だ。
それにしても、である。今回の選挙ほど酷ェ候補ばかりなのは、これまでの韓国の歴史を見ても珍しいのではないか。このトップスリー候補を日本の著名人になぞらえると
李在明＝橋下徹（苦労人出身の弁護士だが全然弱者の味方でなく、私利私欲追及ばかりで大嘘つき）
金文洙＝藤岡信勝（ガチ左派から最極右に大転向）
李俊錫＝ホリエモン（非常識・不道徳極まりない成金虚業家）
というのがピッタリであろう。想像してみたらいい。日本で橋下と藤岡とホリエモンが総理の座をめぐって争っているとしたら？ 「いや、日本の政治なんて前々から酷ェもんだと知ってたけども、とうとうここまで劣化が進んだか。来る所まで来ちまったな」というのが正直な感想であろう。今の韓国がまさにそうなのだ。
ちなみに
いわゆる「韓国民主主義大好き派」の間では李在明の事を「人権派弁護士」と言っている事が多いが、これはあまりに誇張表現というものであろう。はっきり言うが李在明に「人権派」と明確に言えるだけの弁護士活動歴はそれほど多くない。不当解雇労働者を無料で弁護したり労働問題相談などをした事もあるにはあるが、一方ではヤクザや強盗犯や詐欺師などのしょーもない刑事犯の弁護もやたらに目立つ。もちろんこうした凶悪犯罪者にも人権はあり、弁護士とは本来そういう者達の為にこそ存在するもの。李在明が凶悪犯の弁護をしても、それは己の職務と本分に忠実だっただけで、批判されるいわれはもちろんない。だがこの論法だとこの世には「人権派」でない弁護士など存在しない事になってしまう。さらに言えば李在明は若い頃に民主化運動歴がなく、国家保安法反対運動にもさほど積極的に関わった経歴が見当たらない。韓国の弁護士が「人権派」と呼ばれるには最低限この二つは欠かせないであろう。要するに李在明は「フツーの弁護士」というのがせいぜいであり、実際には詐欺師や傷害罪常習犯ヤクザなどの弁護ばかりがやたらに多く、本人の軽犯罪歴の多さやパワハラ体質に虚言体質（
以前と
違う事を平気で言う）含めて限りなく「ワル」寄りの弁護士という評価が妥当であろう。苦労人出身というのを金看板にした李在明自身の自己宣伝の上手さ（これは本当に橋下徹に通低する！）に惑わされている人間が韓国にも日本にも本当に多い。
その対抗馬である金文洙はというと、この男は若い頃相当な「ガチ者」として勇名を馳せた民主化運動家にして労働運動家であった。全斗煥時代に労働環境の改善を求めて激烈な闘争を行い、戒厳司令部に捕まって死にそうなほど拷問を受けても同志達の居場所を吐かなかったという武勇伝が有名である。韓国にはやはり過去に民主化運動をした事を売り物にして後に出世した政治家で柳時敏なんちゅう奴もいるが、こいつも同時期に戒厳司令部に捕まったものの、拷問される前からびびって仲間の居場所を全部イヌした（イヌする＝広島ヤクザのスラングで官憲に密告するの意）という「輝かしい」経歴を誇る。そんなしょーもないのに比べたら、当時の金文洙は確かにガチの根性者であったと言えよう。が、しかし…。そんな金文洙も1990年代初期のソ連崩壊を期に、民主派・進歩派から一番右のニューライト（新右派）に転向してしまう。韓国のニューライトというのは旧来右派の単純な反共・反北・親米・親独裁・親財閥・反労働運動といった主義に加えて、より過酷な経済収奪体制である新自由主義、より過激な好戦タカ派帝国主義であるネオコン思想、より悪質な親日歴史修正主義である植民地近代化論（「帝国の慰安婦」の朴裕河や「反日種族主義」の李栄薫などは日本でも有名か。ちなみに李栄薫も若い頃は民主化運動活動家でありながら後に転向した）などを加味したサイテー以下の流派と言って良い。昨日のガチ根性者労働運動家が、こんなクズ以下の極右ニューライトに大転向したのだ。こうして転向後の金文洙はまさに乗勝長躯（승승장구）で大出世して国会議員になり、かつて敵対していた大企業や日本帝国主義やUSA帝国にシッポを振りまくって今日に至る。新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝も昔はガチな共産党系の東大教授でマルクス主義者だったはずだが、ベルリンの壁崩壊を期に転向して一番右の皇国史観までイってしまった。その後の藤岡は「自虐史観克服」を看板に掲げて保守論壇の売れっ子になり、後に「自虐成金」と陰口を叩かれるほどに稼ぎまくったという。まさに金文洙とそっくりだ！
李俊錫についてはあまりにも人格が下劣過ぎて言及する価値すらない。言ってる事やってる事あまりに非常識・不道徳過ぎて、まさに韓国のホリエモンそのもの。ベンチャー企業という名の虚業で一儲けし、それを金看板に妄言・暴言を連発してポピュリズム的な人気を集める。李在明も金文洙も酷い候補だと思うが、李俊錫はそれらのはるか下を行く。こんなのが大統領選挙支持率3位というのだから、韓国の政治状況がいかに悲惨な状況か分かるではないか。
韓国の橋下徹
韓国の藤岡信勝
韓国のホリエモン
選挙の結果誰が大統領になろうとも、韓国の未来は限りなく絶望的であるという事だけは確かであろう。
筆者が在日同胞達に忠告しておきたいのは、韓国を貶めて精神的優越感に浸ったり政治的利益を得ようとする嫌韓はもちろん、韓国を地上天国視する事でやはり精神的優越感や政治的利益を得ようとする親韓派、このいずれの譫言にも惑わされてはならないという事だ。韓国という国の悲惨極まりない現実（総合的には日本より酷い）を直視してものを言い、行動せよという事である。
日本人でも在日でもそうだが、日本帝国主義の犯罪や戦後日本の無反省ぶりを批判して「反日」を気取りつつも、同時に韓国民主主義サイコー！とばかりに「親韓」を主張する者が多いが、これほど矛盾する話はない。1948年の南朝鮮単独政府樹立後も一貫してアメリカの傀儡国家として日本と共にアジアの平和を乱してきた韓国をどうして支持出来るのか！ 韓国がベトナム戦争に派兵されて現地住民に残虐行為を働いた事はよく知られており、それを反省しようという「良心的」な韓国人も一応存在する。だがその韓国がベトナム戦争期にとんでもない戦争特需を享受し、それなしには朝鮮戦争後の経済復興はあり得なかった（または相当に遅れた）という歴史を指摘したがる者はあまりいない。ベトナム派兵韓国軍の蛮行を反省しようという「良心的」韓国人であってもなぜか「韓国のベトナム特需」は語りたがらない（または知らない）し、
日本の「朝鮮特需・ベトナム特需」を批判する者もまた同様だ。「韓国のベトナム特需」というのは「韓国軍の蛮行」よりも、ある意味ではもっと重大で不義・不道徳極まりない出来事であったというのに。日本の嫌韓ネット右翼も韓国軍のベトナム蛮行は槍玉に上げるくせに、なぜか「韓国のベトナム特需」はあまり攻撃しない。これはその歴史を知らないか、知ってても指摘したら薮蛇になって自分ら日本側にも飛び火するから黙っているのであろう。また、韓国は日本同様に2000年代初頭のアメリカによるイラク侵略に賛成して派兵もしているではないか。日本も韓国もアメリカの忠実なイヌとして帝国主義侵略戦争に奉仕してきた同じ穴のムジナであった。そして何よりもこれらの連中が「韓国のベトナム特需」以上にタブー視して語ろうとしない事柄が、「韓国ではベトナム反戦運動がほとんど起こらなかった」「朝鮮民主主義人民共和国の北ベトナム支援」という事実である。韓国では当時全世界的にも珍しいくらいベトナム反戦運動が全くと言っていいくらい起こらなかった（日本ですらあれだけ大きな運動があったというのに！）事と、朝鮮共和国が北ベトナムに援軍を送ってアメリカ帝国主義打倒とベトナム国家の統一を助けたというのは、嫌韓派にとっても親韓派にとっても極めて都合の悪い歴史であるらしい（笑）。
「日本は悪い帝国主義国家だが、韓国はそれに抵抗する素晴らしい民主主義国家」
などというのは歴史的事実とも符合しないし、韓国は今でも共産党と共産主義を絶対に認めない（今のネオナチ体制ウクライナと同じ！）ガチガチの反共ファシズム国家である。「反日」と「親韓」ほど両立出来ない主張はない。「親パレスチナ（欧米帝国主義・シオニズム・ナチズムの被害者）」と「親ウクライナ（欧米帝国主義に操られたネオナチ政権でイスラエル支持）」が決定的に矛盾するのと同じようにである。
今回の大統領選挙、上記のトップスリー候補はいずれも「北の核放棄」「強力な韓米日（安保）協力」を公約に掲げている。李在明が当選した場合、「韓国市民の勝利だ！
憲政史に残る勝利だ！ これから韓国の民主化が進む（ええええ？？？韓国って今頃になってやっと「民主化」したの？ それじゃ過去の民主化闘争は何だった訳？）のだ！ 圧勝でしたね！ 韓国の皆さんおめでとうございます！ ついに、最も強大な大韓民国が誕生することになるでしょう！ 」とか何とか言って狂喜乱舞するアホウな韓国民主主義大好き派の姿が今から目に浮かぶが、それは当然「強力な韓米日（安保）協力」への賛同を意味するのだという事ははっきりさせておきたい。あんたらはアメリカ及び日本との軍事安保協力強化に万歳しているのだ、と！
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